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見遅れたッ…😭 やばい、、超好き過ぎる🫶💖 ちゅやんが冷徹な感じがなんとも…😖💝 r担当のらてさんですよ!!
裏側:中也視点)
⚠︎ 百合 ・ 中太
人混みの中で、アタシは一人、静かに座っていた。
視線はステージに向いている。
だが、アタシの顔に感情はない。
……いつものことだ。
現場で必要なのは感情じゃない、冷静さだ。
このアタシ、中原中也は、俳優として常に完璧でなきゃならない。
カメラの前で取り繕うのは慣れているが、心を乱されるなんて、何年もなかった。
――それなのに。
ステージが暗転し、歓声が一段と大きくなる。
ライトが走り、音楽が鳴った。
その瞬間、アタシの世界に“彼女”が現れた。
銀のスポットライトに照らされた、華奢なシルエット。
くしゃっと笑う、その笑顔。
柔らかく揺れる髪が光を受けて、まるで天使みたいに見えた。
俺は、息をするのを忘れた。
「……」
名前は知っていた。国民的アイドル、
太宰治。
テレビで何度も見た。
歌う姿も、笑う顔も。
だが、モニター越しの存在と、今、目の前にいる彼女は――まるで違った。
――なんだ、これ。
胸の奥が、ざわつく。
俺はただの観客だってのに、目が離せない。
正直、アイドルなんて興味がなかった。
今日だってマネージャーに強引に連れてかれただけだ。
こんな距離で、顔の細かい表情なんて見えるはずないのに
…… 彼女の笑顔が、
俺だけに向けられたように感じてしまう。
……クソ、何考えてんだアタシ。
ステージの中央で、太宰が手を振った。
会場がどよめく。
悲鳴にも似た歓声が、耳を刺す。
――でも、アタシには何も届かない。
ただ、
あの子の姿だけが視界を支配していた。
ふと、その瞬間だった。
太宰の視線が――俺を射抜いた。
「……っ」
息を呑む音が、自分でもはっきり聞こえた。
彼女の目が大きく見開かれた。
驚き……混乱……まるで、信じられないものを見たみたいな顔。
次の瞬間、彼女は慌てて笑顔を作ったが、その動揺は隠しきれていなかった。
――面白い。
あの人気アイドルを、こんな顔にさせるなんて。
アタシは無意識に、口角を上げていた。
笑ったのは、久しぶりだ。
まるで、世界にアタシと彼女しかいないみたいな錯覚に、ゾクゾクする。
曲が進む。
彼女は必死で笑顔を保っている。
……可愛いな。
そう思った瞬間、胸の奥で何かが爆ぜた。
――アタシ、ヤバいかもしれねぇ。
┈┈┈┈┈
ライブが終わり、会場を後にする頃。
アタシはずっと無表情を保っていた。
けれど、心の中は嵐だった。
彼女の歌声が、
笑顔が、
瞳が
……全部、頭から離れない。
あの時の視線。
アタシを見て、動揺して、必死に笑った顔。
その全部が、焼き付いてる。
「……ははっ」
思わず、笑ってしまった。
運転席のSPが驚いた顔をしたが、無視だ。
窓の外を見ながら、スマホを開く。
彼女の名前を検索して、画像をスクロールする。
けど、どれも足りねぇ。
ステージの彼女を、この目で見た後じゃ、画面の中なんて、ただの飾りだ。(いや、写真でも可愛いが)
胸が、熱い。
久しぶりに、芝居の役じゃない感情で満たされている。
……アタシは、何をやってんだろうな。
けど、一つだけ、確信があった。
――もう一度、会いてぇ。
もっと近くで、今度はステージじゃなくて、
アタシだけに、
その笑顔を向けさせたい。
そう決めた瞬間、
冷めていたのアタシの心に、火が灯った。
なんで独占欲高くなっちゃったんだろ…🤔
R部分はらてちゃんに書いてもらうんだ~