テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,702
107
ローラ📽️
212
「あ、太智ー」
「お待たせー!」
「………」
「ん?…どしたん?珍しい…こんなとこで抱き寄ってくるの」
「いやさっき声かけられて」
「え?見ばれしたん?」
「違う…男の人に」
「なんて?」
「いや、なんか…」
「なに?」
「うーん」
「なによ」
「やっぱいいです」
「なんで!?そんな溜めといて!?」
「だって…」
「なんなんよ」
「……3万でどうって言われた」
「………は?」
「なんか怖くていやですって言ったら3万で無理なのかよって」
「……どいつ?あの黒い服の人?」
「え?わかんない、なんか怖くてちゃんと見てない」
「…………」
「でも太智見てたら安心してきた、ありがと」
「………誰が言うたん?」
「もういい、覚えてない」
「覚えとるでしょ」
「太智」
「……吉田さん、あかんよ」
「…今は側にいてほしい…だめ?」
「………はぁ、ずるいわ…」
「ありがとう太智」
「…どこをどう見繕ったら吉田さんを3万でいける思ってんだろ」
「ふふ…そこ?」
「当たり前よ、見物料10万、話したら50万」
「あはは高すぎだろ」
「いける値段なんて到底そいつが払えん額や」
「そうなの?」
「触られたりしたん?変な液とかついてない?」
「付いてないよ、手は触られたけど」
「は?」
「…あ」
「ちょっとトイレ行こ?手洗って?」
「手洗ったよ」
「石鹸は?」
「ちゃんとつけた」
「アルコールは」
「した」
「……あかん、手だして」
「…ん」
「俺の唾でもつけとく?」
「あは、やだよ!」
「吉田さんほんま怖いわ」
「太智の手暖かいね」
「はーもー!もっと擦っとこ」
「痛、痛い痛い」
「我慢して!変なやつの指紋消しとるんやから」
「もう付いてないよ」
「わからんやん」
「もぉ」
「こっちの手だけ?」
「うん」
「反対の手も一応擦っとこ」
「なんでだよ」
「あー最悪!もっと早く来ればよかった」
「俺が早すぎたんだよ」
「なに?楽しみにしてたん?」
「うん」
「素直!?どしたん」
「…んー…ごめん、さっきの事、想像以上に…怖かったから、変に、なってる…」
「…そっか、そうやろな」
「駆け寄ってくる太智が好きだから早めに待ってたの…」
「なにそれ可愛い」
「お前も可愛いの!にこにこで来るから…」
「そらそうやろ!仁人見えてんもん!」
「うるさい」
「なんやの!全く…ほら、どっか落ち着けるとこ行こ」
「……太智んち」
「…………っーー…ふぅ、死ぬかと思った」
「なんで?」
「可愛すぎて!!もー!はよ帰ろ!!おうちでのんびりしよ!」
「うん」
「まぁ本当にのんびりできるかわからんけど」
「ん?太智んちならのんびりできるよ」
「そー思うのも今のうち」
「なにそれ?」
コメント
1件
うわ、この話しんどい…。最初の「3万でどう?」ってナンパ、普通に気持ち悪いし、吉田さんの「怖くてちゃんと見てない」ってとこすごくリアルで胸が痛んだ。でもそこからの太智の対応がガチでかっこよすぎる。「見物料10万、話したら50万」って返し、最高。手を擦るシーンとか「俺の唾でもつけとく?」ってちょっとおどけて不安を和らげようとする優しさが沁みるわ。最後の「太智んち」って甘え方がまた可愛くて、二人の関係性がすごく好きになりました。ナンパのトラウマをきちんとケアしてくれるヒーロー、尊い…。