テラーノベル
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【二番視点】
絶対に無理。
「もう!早く行くわよ二番!」
俺は六番に腕を引っ張られながら廊下を歩いている。でも、俺はあいつに会うのも無理だから、頑張ってUターンしようとしてるけど、力の強い六番には勝てない。
「なんで俺が…!六番が1人で行けばいいだろ!」
「貴方があの人達のストッパーなんですから!貴方が行かないで誰が行きますの!?」
絶対に行かない。てか俺よりも六番の方がストッパーに向いてるし、俺はあいつらがもし一緒に動いたりしていたら絶対に止められない。止めようとしても逃げられる。
「あれー、2人とも廊下で何してんの?」
「え、誰かいるの?あ、二番と六番じゃん」
俺は、後ろからの聞き慣れた声が聞こえて振り返った。なんでいるんだよ、この問題児コンビが…!
「何って、私たちは三番に用事があって来たのに……七番まで…」
「え、なんかごめん」
後ろにいたのは、学校の有名問題児、三番と七番。七番はともかく、三番はそれ以上。七不思議三番、「情報」の能力を持っていながら、その能力を無駄使いし、学校に噂を流したりして、先生達を困らせている。
それで、俺が三番が能力の無駄使い&噂を流す、のストッパー。でも、俺があいつを止められたことなんて一度もない。
ついでに今は七番も一緒だから、六番がいても苦しいだろうな。
「三番、少し貴女に聞きたいことがあるのだけれど」
「え、なに〜?六番からなんて珍しいねぇ、どうしたの?」
怒らせると怖い六番相手には、流石に三番も静かだ。
「この前旧校舎で変な気配を感じたのだけれど、三番は知っていて?」
「気配?私そういうのは分かんない。……あ」
「何か思い当たることがあるのか?」
俺がすかさず聞くと、三番は七番を見て、
「七番、アンタいつの日か忘れたけど、男子達と一緒に旧校舎行ってなかった?」
「ん?ああ、それはみんなでかくれんぼ的な?やつをしててさ。俺らで旧校舎に隠れたんだよ。でもその時はなんも感じなかったし、怪異もいなかったよ?」
三番の質問に、七番はいつも通りの笑顔で答える。七番の言葉は嘘……ではなさそうに見える。
「え〜、じゃあその六番の気配って誰?ってことになるんだけど?私の情報にもそんなのないし。六番の気のせいじゃない?」
「そうなのかしら……」
六番が三番の言葉に納得しかけたそのとき、三番が七番に叫んだ。
「あー!七番、今日焼きそばパン半額だってぇ!早く行こ!」
「え?焼きそばパン?俺はいいかな……」
七番は六番をチラッと見て断るけど、三番は止まらずに廊下を走る。俺は慌てて追いかけながら、
「おい三番!待て!また能力の無駄使いしただろ!」
「能力使って何が悪いの!?私の勝手でしょ!」
「翠と六番に怒られるぞ!あと廊下走ってるから先生にも!」
俺は全速力で追いかけるけど、三番には追いつかない。あいつの耐久力どうなってんだ。
「翠は許してくれるもん!あと、怒られるのは二番でしょ!」
「だから!お前のせいで俺が怒られるんだから止まれ!」
「やだー!」
三番は子供みたいに頬を膨らませながら逃げる。……これ捕まえれないやつだ。
「「重力(グラビティ)」
「へっ……」
急に三番が座り込んで、俺も止まった。六番の能力だ。三番のいる場所だけの重力を重くしたんだろう。
「ほら言ったじゃん三番。六番いるんだから捕まるよって」
七番は呆れたように六番とゆっくり歩いてくる。三番は諦めたように息をはいて、
「……分かったよ。今日はやめる」
「ずいぶん物分かりがいいな。じゃ、さっさと帰れ」
三番はスッと立って、七番と帰った。
「……二番、気づかないの?」
「え、何が?」
俺は首を傾げて六番を見た。六番はため息をついて、
「三番、「今日は」って言ったわ。明日も無駄使いする気なのね」
「えっ……」
俺は三番の言葉を思い出して、廊下にへたり込んだ。六番は呆れ&諦めている。
はあ……明日も学校で鬼ごっこか……
コメント
1件
三番の「情報」能力の無駄使いっぷりが憎らしいほど可愛いですね。二番のストッパーが全く機能してないのも、六番の重力で一発解決するのもテンポ良くて楽しかったです。最後の「今日は」に気づく六番の観察力に唸りました。旧校舎の気配の伏線も含めて、次話が待ち遠しいです。