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メイは決意を胸に、軍の列に加わった。翔太が心配そうに尋ねる。
「もう大丈夫なのか?」彼女は深呼吸を一つして、
静かに答えた。「うん、大丈夫。」その言葉には、
ただの安堵以上のもの、覚悟のようなものが込められていた。
彼女はもはや、かつてのメイではなかった。
小隊長が号令をかける。「では各班持ち場について警備を開始しろ。」
メイと翔太の班は、正門の裏での警備を割り当てられた。
薄暗い夜の帳が広がる中、警備が始まった。
その時、同じ班のタケルがメイに声をかけてきた。
「お前、見ない顔だな。訓練学校にいたか?」メイは少し困った様子で、
「あ、ああ、私、存在が薄いから」とごまかした。
その瞬間、正門が開く音が響き渡った。
翔太が言った。「総帥が来たみたいだな。」タケルは壁をよじ登り
持ってきた双眼鏡でその様子を覗き見た。
「うわぁーでたよ、あれが総帥か。悪そうな顔してるよな。」
翔太はたしなめる。「おい、持ち場を離れるなよ。」
タケルは気にせず続けた。「大丈夫だって。それにしても、あの悪そうな顔から
國光司令官みたいなのが生まれるかねぇ。」メイは興味を持った。「司令官って、あの?」
昼間、副司令官と部隊長の間を取り持った男性のことを思い出した。
「お前、知らないの?有名だよ。國光司令官はこの国の総帥の息子さ。
何もしなくても後継ぎになれたのに、わざわざ部隊の司令官になるとはね。」
メイは驚いた。「そうなんだ。副司令官とは仲が悪いの?」
タケルは首を傾げながら答えた。「仲が悪いというか、副司令官の凌さんはいつも冷静で
規律を守る人だから、國光司令官と蓮部隊長とはあんまり合わないみたいだな。」
軍の中で、権力の座は常に緊張と競争の渦中にある。副司令官の凌、司令官の光圀
そして部隊長の蓮。これら三人の関係は、外から見れば複雑なパズルのように
思えるかもしれない。しかし、その核心に迫れば、それぞれの性格と理念が交錯し
時には衝突する様子が見えてくる。
凌は冷静沈着そのもので、どんな状況においても冷静な判断を下すことができる人物。
彼は規律を何よりも重んじ、軍の命令系統と組織の安定を守ることを第一に考える。
そのため、彼の下での部隊は秩序正しく、厳格な規則に従って動く。
一方で、國光は全く異なるタイプのリーダーだ。彼は大胆不敵で、時には
規則を破ってでも目的を達成しようとする。総帥の息子としての特権意識と、
自らの力を証明したいという強い意志が、彼を突出した行動に駆り立てる。
そのため、彼の行動は非常に機動的で、予測不可能な作戦を展開することが多い。
部隊長の蓮は、國光とは異なり、戦術と戦略の天才として知られている。しかし、
彼もまた規則よりも結果を重視するタイプで、目的のためなら手段を選ばないことがある。
この点で、彼と國光は共通する部分があり、二人はしばしば協力して難局を打開する。
しかし、その方法は凌の理念とは相いれない。
翔太が誇らしげに言った。「だけどこの部隊は最強だ冷静で頭の切れる
副司令官がいること、そして、剣の技術で名を馳せた蓮隊長が部隊を見事に率いている。
でも、何よりも國光司令官の存在がすべてを圧倒している。あの強さは、
ただものではなく、まさに別格だ」
メイはその言葉を胸に、新たなる世界へ向かう覚悟を決めた。
彼女の中で何かが変わりつつあるのを感じながら。
部隊の中でムードメーカーとして知られ、お調子者の一面を持つが
友達思いの心優しい青年。常に周囲を笑顔にし、仲間たちの士気を高める存在。
メイと翔太と同じ班で行動を共にし、彼らとの絆を大切にしている。
タケルの明るさと機転は、困難な状況でも班全体の団結力を強める重要な要素となっている。
男の子として目覚めたメイ。体は男性だが、心は現世の女子高校生のまま。
この世界で生きていくことを決意したものの、全てが初めての経験に戸惑いながらも日々奮闘している。
新たな環境と自分自身とのギャップに悩みつつも、周囲の人々に支えられながら、
自分らしさを見つけようと努力している