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魔理沙は幼なじみだった。

長くて黄色いふわふわな髪の毛。勉学にも長けていて、少し童顔。愛想もいいという、まさしく『才色兼備』という言葉が、良く似合う人。

父子家庭でありながらも、家庭環境は良好なようで、近所の人からも好かれていた。

それに、父は大企業を経営しているようで、お嬢様…とまではいかないが、それなりに良い家庭だった。







それがどうしたことだろう。

霧雨魔理沙が誘拐されたらしい。

世間はそれを、霧雨魔理沙誘拐事件として取り扱うことになった。
































あぁ、私は何をしているんだろう。

窓の外を眺めて、小さくため息を着く。

膝の上にはパンパンに荷物が詰められた大きなカバン。格好はセーラー服の上に、黒いジャケットといういかにも怪しい格好。そして、隣には魔理沙が寝ていた。

もう夜になりかけている。

私はスマホを開きネットニュースを見た。

良かった、まだこのことは大きくなっていないようだ、と、安心した。

そんなことをしているうちに、バスは終点間近になっていた。

急いで魔理沙を起こし、終点でバスを降りた。

魔理沙は眠そうに片目を擦り、私のスマホを覗き込んできた。

「まだ大丈夫か?」

と、少し心配そうに、申し訳なさそうに聞いてきた。

「大丈夫に決まってるじゃない。さっき出発したばかりなんだから」

そう言って、私と魔理沙は歩き始めた。


行くあては無い。なので、近くのネットカフェに泊まることにした。

魔理沙は少し興奮したように漫画がズラリと並んでいる棚を見ていた。

魔理沙が漫画に手を伸ばそうとしたのを、私は止めてから、私と魔理沙の手に手袋をつけた。 できるだけ指紋を残さないようにしたい。

魔理沙は読みにくそうにして、漫画を読んでいた。

私も明日に備えてスマホを充電していたので、漫画を読むことにした。


「そういえば魔理沙、親から電話は来てる?」

しばらくして私は魔理沙に尋ねた。

「スマホの電源を落としたから分からないぜ」

魔理沙はそう答えた。

私はそうだったわね、とだけ答えて、また漫画を読み始めた。


気づいたらもう朝になっていた。

つい寝落ちしてしまったらしい。

魔理沙はしっかり漫画を机に置いて、体育座りをして壁にもたれ掛かりながら寝ていた。

私はというと、漫画を手に持ったまま寝たのか、床に落ちていた。

魔理沙を起こす前に、持ってきたおにぎりをひとつ食べて、スマホを開いた。

ネットニュースを見てみたら、もうニュースはアップされていた。

さすが大企業の娘、と少し感心した。

現在地を調べて、ここから近くにあるバス停に行くことにした。


バス停に着く前に、私たちはコンビニに入った。

あまり顔を見られるといけないと思った野で、白の不織布マスクを買うことにした。

それと、間食用におにぎりとサンドウィッチ。あと水。

2人組なら誰でも買う量、買う物を意識した。

変に記憶に残るようなものを買うのは、リスクが大きいから。


お店を出て、私と魔理沙は歩いた。

バス停に着いて、時刻表を確認する。

ここはまだ都心に近い方だからか、バスは結構来るっぽかった。

魔理沙はぼうっと立っていた。きっと家のことを考えているんだろう。

家でした、と言っても、魔理沙は家が心配らしい。私の憶測ではあるけど。

私はそんな魔理沙を横目に、スマホを見ていた。

とはいえ、使いすぎて充電が無くなるのは困るので、必要最低限しか見ない。

電子決済アプリの残高や、ニュースくらいだ。

まぁ、私のスマホにはそれらとゲームくらいしか入っていないのだけど…。



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