妹の逢明(アイメイ)
兄の俊蘭(シュンラン)
の過去ストーリーです。
一応
↓俊蘭(兄)
↓逢明(妹)
です!
それではどうぞ!
俺らの親は元ヤクザなんや。
俺は特にヤクザでもなんでもあらへん。
特に借金取りとかよく来るねんなぁ。
あ、せや…。たまに親の恨み買ったやつが来んねん。
ほんと困るわ。
親は今ここの家にはおらんとて、俺ら2人で親が住んでた家で過ごしとる。
外出る時も周りに警戒しつつ外に出んならんし、買い物以外そないに外出れなくなってん。
あのクソ親が…。
『アニキ〜!』
「なんや?」
『ジュース買いに行こや!』
「ええで!行こか。」
“ピンポーン”
あ…。このタイミングで来よったか。
借金取りか?
インターホンにも、もう慣れたわ。
絶対借金取りや。
せやけど郵便かもしれへん。
外出てみてみるか。
.
.
.
《あんたん父ちゃん母ちゃんおらへんか?》
このおっさん、親の恨み買ったやつや。
「おらんけどなんや?」
《お前らにも話があってなぁ。死んでもらわんと。》
そう言うてソイツは銀製パイプを取り出した。
『あにき…?』
震えた声で逢明がそう言うとった。
逢明が怖がっとる。俺が守らなきゃや。
「大丈夫やで、安心してそこにおって。」
そう言うて俺は辺りを見渡した。なんぞ武器になる物はないかと。
ガコン!!
俺の近くで銀製パイプを振ってきよった。
幸いに俺は避けれた。やけど、ドアノブに当たった。
すまん、ドアノブ。
なんで俺ドアノブに謝罪しとんの?
『っひ…ゔっぐ…ゔぅ…っ…』
逢明が泣き出してもうた。
やかましいからって逢明から狙われると思う。どないしよう。
「逢明!隠れとけ!!」
『あ゙にぎ…』
手で涙を拭きながらこっちを見とる。
はよ隠れろ…。
「はよ隠れろ!!」
『うん…!!』
《ふざけやがって…。このクソガキ共が!!》
「…。」
武器になる物…武器…確かここに親が置いていった銃があったはずや。
急がんと。
俺は銃を取り出した。
バンッ!!
クソ…外れた。
せや、俺は銃を使うのが苦手なんや。
どないしよう…。
《でしゃばんなよ。ガキが。》
「あ、」
後ろを向いて他に武器は無いかと探しとる俺の後頭部に銀製パイプの影が、俺の肉眼見えた気がした。
最期がコレかよ?妹を置いてここで死にとない…。
そう想いながら俺は諦めて目ぇ瞑った。
せめて逢明だけでも…。生きてくれ。
.
.
.
ガンッ とおっきな音が聴こえた。
は?痛ないんやけど。
俺死んだん?
『アニキ!大丈夫?』
そう聴こえて俺は驚いて目ぇ開けた。
逢明の声や。
家にあったオカンの古いバットで俺の身を守ってくれとる。
銀製パイプとバットがぶつかり合っとる。
「は…?逢明!隠れろ言うたやん…。」
『でも!アニキは守らんと!』
「…。」
《アホか。どっちも役立たずや。》
『あ、これ使う。 』
バンッ!と重い銃音が聴こえた。
…逢明がやったんか…。
『フフン。自慢の妹やろ?』
「はは。せやな…。」
さっきまで泣いとったのはなんやったんやコイツ…。
でも助かったな…。恥ずかしいとこ見してもうた。
「ありがとな。」
そう言うて俺は逢明のデコを撫でる。
『なんで頭ちゃうん!』
「まあいいやろ。」
親の恨みを買った奴はコイツ以外にもクソ程居る。
てか…。このおっさん気失ったんか死んだんか分かんねえな。
遠くに置いておけばええか。
意外と死体には慣れてんで。親が人殺して家に持ってきよって、臓器売買しとったからな。
最初は匂いがキツかったな。
そらさておき、ジュース買いに行くか…。
「んじゃ、ジュース買いに行こか。」
『うん!』
『アイスもね!』
「食いしん坊が。」