テラーノベル
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付き合ってしまった…それもしかも同業の同性と。
親族がこのことを知ってしまったらきっと驚かれるだろうなあというのと、彼女が私の、私が彼女の所有物になったと思うとなんだか背徳感があってつい笑みがこぼれてしまう。
ただ数日前のあれ以降、どちらかが職員室にいるときはどちらかが授業だったりと、 話す機会が全然得られない。座席も隣じゃないし。帰るタイミングもバラバラだし。一緒に住んでるわけじゃないし!!」
「…んで、あのあと仲直りできたんですね。それでお付き合いしたと。」
「今井先生のおかげですね。ありがとうございます。ただあんまり言いふらさないでくださいよ、私の教師人生かかってるので」
「言うわけないですよそりゃ、てかアレはしたんですか??」
「え、アレって何ですか」
「アレってほらー、…なんか恋人同士がするやつとか」
「…へ?、」
えさっきから今井先生が連呼してるアレって何?
恋人同士がするって言ったら…えちょっと待って、アレのこと??俗に言うs○xのこと??
「アレです!!夜の営m…「わーーっっ!!もうそこから言わないで!」は、はぁ…」
「私だって!!営みたいけど!!!最近話してない!!!ライン持ってない!!一緒に住んでるわけじゃない!!」
「…一旦清水先生とお話してみればどうですか。」
「やっぱそれに尽きるよねぇ。あ、次の私も清水先生も授業入ってないしそのときに聞いてみようかな。」
「素直になるんだぞ〜。んじゃ頑張って」
今井先生と入れ替わりで私の大好きな清水先生が戻ってきた。あれ、なんか眉間に皺寄ってる??
「お疲れ様です清水先生」
「…お疲れ様」
くうう今日も安定にふつくしい…ほんとちゅーしたいハグもしたい。でもなぜだろう、眉間に皺が寄ってるからか機嫌悪そうに見える。なんかあったのかな。
「清水先生、何かありました??」
「んー、ちょっとね、虫が飛んでたから倒すのに時間がかかっちゃって。ごめんね、ちょっと不機嫌そうに見えたでしょ」
「いいえいいえ、でもこの時期に虫って珍しいですね〜、もう時期冬眠に入ろうとしてるのに」
なぜか清水先生は額に手を当て深いため息をついた。
「まあ今はいいや、ねえ明日お休みだしさ、…私の家、泊まりに来ない?」
「へ、いいんですか!!?」
「だって1週間ずっと話すことすらできなくて不足してたし、それに私の家また行きたいでしょ??」
「もちろんです!!」
「ふふ、良かった。…あとさ、ラインも交換しよ?」
「是非!」
ふふふお泊まり楽しみだなぁ…にしてもさっきから私がやろうと思ってることだいたいしてくれてる。神ですか??
今井先生色々とありがとうすぎる。あとで菓子折りあげよ。
そんなことを考えながらふと清水先生に目を向けると、首元に赤い跡がついていた。いやまさかね??あの人のことだからまさか浮気なんてね???
「先生、その首の跡どうかされました?」
「あーこれ?…さっき虫がいたって言ってたでしょ。それよそれ。」
うそだ。
絶対何かしらの隠し事してるじゃん。ふつー首の跡の理由考えます???虫に刺された跡にしてはなんか薄すぎるし。
って言いたいところだけど流石に今言うことではないしお口はミッフィーにしよう、そうしよう。
「…どしたの、この世の終わりみたいな雰囲気出てるけど」
「あ、いやーなんでも???少し考え事です…ん?」
顔をはっとあげると、もう鼻と鼻が触れる距離に清水先生の整った美しい、けれど寂しさと涙が零れてもおかしくないような顔があった。
「…せめて私といるときはさ、私のこと見て考えたりしてよ…ばか」
え、なんか泣きそうになってるよね?ちょっと待ってタンマ私なんかしたかもごめんなさいほんとに許して!!!!
とにかく不安そうな表情の彼女をなんとかしよう、しかし何ができる??とりあえず身体をぐっと引き寄せ、頭に手を置いて大丈夫ですよーと言おうとした瞬間、授業が終わったであろうチャイムが鳴り響いた。
当然彼女は授業もある。私は今日はもうないけど。
時間が迫ってると思ったのだろうか、清水先生はすっと立ち上がりさっきの哀愁漂った顔はどこへ行ったと言わんばかりのポーカーフェイスで、
「あ、次授業じゃん。私はずっと授業あるし、今日は生徒会の面倒も見なきゃだからかなり遅くなるかも。終わるまで家の鍵あげるから私の家で待っててくれる?テキトーに冷蔵庫の中のもの使って何か作ってもいいからさ」
「っ、はい!」
そうして彼女は私との2人の空間となった職員室を去っていった。
「はぁ〜っ、やっぱなんかしちゃったのかな…、だとしてもそんな顔には見えなかったしなぁ」
「ただいまですー。どうでした??さっきすれ違ったらめっちゃお前許さねえみたいな顔されたんですけど」
「や、これに関しては私が完全に悪いですごめんなさい、ほんとに助けてよ今井先生ー!!!」
「今度は何したんですか、まさか勘違いさせるようなことしてないですよね。私まであんな目で見られるの何とかしてくださいよ」
「あのね…一応ラインゲットしたし今日の夜は清水先生のお家で過ごそうねってなったの、その話をしてるときにふと清水先生を見たら…そこにはキスマークが付いてて…!」
「心霊現象でも見たような話し方しないでくれます??」
「いや私からしたら十分心霊現象です!!もしかして早すぎるけど冷めちゃったのかな…。」
「さすがにそれはないと思いますよ、だって先生がいないときずっと清水先生が私に円道先生のことお話してくれてるんですもん」
「…え、ほんとに???」
「愛されてますね、先生。」
「…っ、…ねえ今すぐ清水先生抱きしめに行きたいんだけど」
「授業中なのでやめてください。」
冷静なツッコミに続けて、
「円道先生は常にですけれど早とちりしすぎだと思います、ちゃんと言い分は聞いてあげられた方がいいんじゃないですか」
ぐは…っ、今井先生の元々が冷静なのもあって余計に刺さる言葉たち…確かに、私はいつも誰かの話を聞こうとせず勝手に暴走してるなと実感した。そうじゃなかったら前みたいにトラブってないもんね。
私が言い分を聞いてないのは、つまり彼女から逃げてるという解釈にもなるんじゃね??向き合ってるつもりではいたけれど。
「ちょっと今日がんばります…」
「円道先生、応援してますねー!なんか進展があれば教えてね♪」
とは言ったものの、何をしてあげればいいのだろう…。清水先生からもらった合鍵で家に入らせてもらい、彼女の家のソファに座りながら考える。ブラウザで『彼女 仲直りの方法』など調べてみたけれど、どれもなんかしっくりこなかった。(個人的に)
まずは一旦話を聞く。早とちりしない。
あの人が言いたいこと、主張は何なのか、それをしっかり読み取る必要がある。なんか国語の問題みたい。
そして彼女の家の食品を使わせてもらって何か作る。料理は得意だし、まあなんとかなるかな。
じゃあそのあとは??…まあいいや、これもそのときの私がきっとなんとかしてくれるはず。
ひとまず今は料理をしよう。彼女が大好きなお酒に合いそうなアヒージョでも作ろうかな。
冷蔵庫を覗くと、アヒージョの要のような存在の魚がないことに気づいた。ダッシュで買いに行こう、ちょうどスーパーが近所にあるようなとこだし。
泥棒が入られたら困るので、自分の私物もちゃーんと持っていき、外へ出ようとした。ドアノブに手をかけ、1歩を出そうとした瞬間、
「「…」」
え、なんか気まず。
おそらく仕事を終わらせてきた彼女と玄関で鉢合わせになってしまった。
「…お、おかえりなさい…?」
「…ただいま」
どこか元気がなくて少しイライラしてる様子だ。
「…あのー、いまから夕食の材料を買いに行こうと思いまして、お留守番します??それとも、一緒に行きますか?」
「…いまは、どこにも行かないで」
えええーーっっ!!!
突然どうしたんだ彼女は。まあどこにも行かないよー安心してー。
とりあえず先程からくっついている彼女とともにリビングへ向かった。
それからというものの、かれこれ15分はお互い何も言葉を発してない。物凄くぎこちない感じ。
「あの」「ねえっ」
「「…」」
「なんでしょうか。清水先生お先に話してください」
「いや、私は別に…というか、なんであなたは私を見てくれないの!?!?」
「先生だって、そもそも顔も見てくれないじゃないですか。あと思うことがあっても何も言わないし」
「は、だってそれはあなたが変に妄想するからでしょう??ありもしない誤解を勝手に生んでさ、私だって途中から顔見れなくなるし」
「な、な…!!完全に私が悪いみたいな言い方!先生に だって非はあるでしょ」
「ふーん、そうやって自分のことは多少棚に上げるんだねー、へー」
「棚になんかあげてないです!!だいたい、なんでそんなにムスーってしてるんですか、嫉妬してるならはっきりそう言ってくださいよ」
「…じゃあはっきり言わせてもらうわ 」
「…へ??」
やばいやばい、ちょっとガーって言いすぎちゃったどうしよう…!しかも今からお説教(?)が始まっちゃうし。
「まず!!!あなたはなんでそんなに他の人と話してるときでも警戒心がないわけ!?!?いつ狙われてもおかしくないじゃない!!!」
「そ、それは…だって、警戒心丸出しでいったらあまりいい印象だかないじゃないですか、人によっては今日不機嫌なのかなって思っちゃいますよ」
「あなたは誰にでもホイホイついてくところがあるから警戒心をもてって言ってるの。Gホイホイかよ」
「だ、誰がGのホイホイですって…!?
もっといい表現あったでしょうが!!国語科の教師のくせに!!もう怒ったもんね、清水先生ぜーったいに許しません!」
ちょっと待ってよ、と私を止めようとした彼女を強い力で押しやり、玄関へ向かう。
ふーんだ、もうでてってやる。何よGホイホイって。せめて殺虫剤のようなポジションでありたかったわ。数十分前の私がしようとしたことと同じように、靴を履き貴重品を持ちドアノブに手をかけたところ、人のことをGホイホイだと比喩してきた彼女がいきなり私の腕を掴んだ。
「「…」」
あれ、さっきもこんな状況あったよ??
何これ、まさかタイムリープしてる?(してません)
また沈黙が続くのかと思った瞬間、彼女が泣きながら口を開いた。
「…っ、ごめん、ごめんね、私のこと、嫌いにならないで」
うわまって泣き顔かわいい。喧嘩してるのにこんなこと思う私は変だけど。とりあえずなにか言おう。
「別に、怒ってるわけじゃないです。やっと素直になってくれましたね」
めっちゃ私の声のトーン怖すぎるー。絶対びっくりしてるよあの様子、さっきまでキレてたのが今やドスの効いた様な声だし。
しかしほんと、やっと私に対して素直になってくれた。常にこうだったら助かるのだけれど、さすがにそんな欲張ってはいけないので黙っておく。
「ねえ、私のこと、嫌いになっちゃった…??」
ビビらせちゃってごめんねー。今すぐぎゅーして安心させたい。
ん?さっき嫌いになるなって言いましたよね??どしたんだろ急に。
「別に嫌いにはなりませんよ。先生にはもっとわがままになってほしいんです。だから、思ったこととか、ちゅーしたいとか、自分のしたいこととかは言ってください、絶対私がなんでもお付き合いしますし、なんならどこまでも私があなたを追いかけます。これ、私と約束してくれませんか。」
彼女に目をやると、彼女は涙をボロボロと流しながらたどたどしくこう言った。
「うぅっ、ぐすっ、…わたし、きらわれてるのかなって、おもってたから、きらわれてなくてよかったぁ…っ 」
「わたしが惚れたあなたを嫌うと思います??ずっとずっとついて行きます。
…まあGホイホイはちょっとピキってなりましたけど 」
「ほら!!ちょっと嫌ってる!!!!うわーん!!!」
てかめっちゃ涙引っ込んでるやん、さっきまでの感動の雰囲気どこいった??
「とりあえず、ご飯食べましょ。アヒージョを作るので…あ、やべ」
「どうかしたの?」
「…魚がない。…まあいっか!キッチンお借りして簡単に何かしら作るので、しばらく待っててください」
さっきパスタを見かけたのを思い出したので早速作っていく。
彼女に爆速でつくってそこそこ美味しいものを食べさせてあげたい。「香織ちゃん、お料理上手だね♡」って言われたい。彼女についての考え事をしてたら思わず口元がゆるゆるになる。
バーってやったので、一応作り上げることはできた。あとは彼女のリアクションを見てみるだけ。
「とりあえずできました、味は爆速クオリティのものなので、あんま期待しないでください…」
「いただきます。…美味しい」
「ほんとですか!?」
「うん。香織ちゃん、お料理上手なんだね。もっとぶきっちょさんかと思ってた」
なんだぶきっちょさんとは。
まあいい、お料理上手なんだねーが聞けたから私はもう満足。めっちゃso good
「ごちそうさまー。…また、つくってほしいな」
「は?かわいすぎる今すぐ抱きたい(先生のためなら何回でも作りますよー♡)」
「へ??」
やば、心の声の方がダダ漏れだー!!
違う、合ってるけど違う。頭の中で某グラサンの方の曲が流れている。
なんかテキトーな言い訳を探すために辺りを見渡す。あ、これいけるかも。
「あ、えーとですね、このクマサンガカワイイナーッテオモイマシテ」
「…へえ、わたしは香織ちゃんの方がかわいいって思うんだけどな」
「〜っ、い、今なんて…?」
「?香織ちゃんかわいいよねって」
頭の中に某5人組の思い出ずっとずっと忘れない曲が流れてきた。なんだあの人、私を狂わせておいてめっちゃ重い。好き。とりあえず上手くかわそう。
「わたしが可愛いのは事実ですよ〜、あ、そうだ、お風呂入りたいですよね!沸かしてきましょうか?」
「仕組みわかるの?」
「わかんない!だから教えて、先生」
あれこれボタンをポチポチしながらなんとかお風呂を沸かすことができた。
いやーにしてもめっちゃかわいいなあの人。時々爆弾発言するところは玉に瑕だけれど、メロい女&好みの女(わたし的に)だからぜーんぶ許しちゃう。恐ろしい。
そんな彼女はというと、横で部屋着に着替えてビールをひとり楽しそうに飲んでいた。相変わらずお酒好きなんだなあの人。
彼女を観察してかれこれ数十分後、お風呂が沸いたと告げる音が鳴った。
「あ、お風呂沸きましたね。先入りますか?」
「んーん、あとにするー。そうだ、服ないでしょ、今。 」
「あ、…ないわ、服」
「…私のでよければ服も、下着も貸すよ。多分サイズとかほぼ一緒だし。」
「え、あ、うぇえ!?!いやいやいやそんなお借りするなんてことできませんよー。むしろこっちが何かしてあげたいぐらい」
「パスタのお礼だと思って!ね?」
パスタのお礼にしては対価が合わなさすぎると思ったがあえてツッコまなかった。
「…わかりました。じゃあお借りしますね、」
「ありがとう。この中から好きなの選んで。」
ホテルのアメニティみたいなノリで選ぶやつみたいになってる、なんだこれは。
にしても下着屋かよってぐらい下着いっぱいあるなー。これまでのあの人の彼氏たちが送ったものだったりするのかな、彼氏コレクションたちにしてはめっちゃセンスある。けどなんかすごく複雑な気分。
ん、このフリフリかわいすぎ。私じゃなくて本人がつけろよな。…あ、この黒いやつ、ゴスロリ感あって可愛い〜!でも隣の赤いやつもどこかセクシーでいいなぁ、わたしにはどれも似合う気がしない。
「いつまで悩んでるのよ、まったくもう。」
「せんせぇ〜!!決まらないですー!ここは先生のオススメにしようかな♪」
彼女が何を選ぶかで今日とこれからのわたしの運命が決まるといってもいいぐらいだ、きっといいやつを選んでくれるだろう。
「これはどう?」
「…へ?」
彼女が差し出してきたのはわたしがさっき見惚れてた黒いゴスロリみたいなやつだった。たしかにかわいいけれども!!きっとわたしには見栄え悪いだろう。サイズほぼ一緒とかいうけどあの人みたいな胸とかほぼないからね???でもせっかく彼女がオススメしたものだ。だからここは腹をくくってつけようと思う。
「それ、わたしも気になってたんですけど…めーっちゃかわいいですよね!!黒いこの紐がなんと美しい…」
「ねー、わたしもこれ、自分で買ったときほんとにかわいくてイロチのやつも買うぐらい好きかも。」
「選んでくれてありがとうございます、先生♪」
「こちらこそ。あ、部屋着は今いいやつ探してくるから。脱衣場に置いておくね。」
「はーい」
ちょっとだけ続く
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