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〜前話のあらすじ〜
とりあえず天使に名前を聞くことにしたアムネシア。その天使は四天王のハチスと名乗った。それを聞き驚くカーパスだったが、アムネシアは有名なのかわからなかった。そうしてカーパスをここに連れてきた経緯を話すが、悪魔への敵対意識は解けない。そしてハチスはアムネシアに案内したいところがあると言い、アムネシアとカーパスはハチスの案内する場所は向かった。そこは白い大きい建物で、神様が作った宮殿らしい。そこに入った3人だが、目の前の床に矢が刺さった。ハチスが呆れた様子で声をかけると女性の声の返事があり、壁のニッチに腰掛けこちらを見ている天使がいた。
誰だろう。ピンクの髪を2つに耳より低い位置で結んでいる。左目は赤、右目は紫色だった。羽の色は黄色で、腰に箙をかけ右手に弓を持っていた。
「……誰が来たかくらいわかるだろう。矢を放つな」
ハチスが呆れながらも少しキレ気味で言った。
「別に遊びじゃないし?許してくださいよー」
「暇つぶしの遊びだろ?」
「…やっぱバレます?」
天使とハチスはそんな会話をしていた。昔からの仲なのだろうか?
「ねぇ、ハチス。この天使は誰なの?」
「彼女はアキメネス。ここの守り役的なのを任されてる天使です」
僕が聞くとハチスはそう答えた。守り役…ということは何かここにあるのだろうか?
「貴方が敬語を使うなんて何事ですか?その子は誰?それになんで悪魔もいるんですか」
「この方はアムネシア様だ。詳細は言えない。それとこいつはアムネシア様が連れてきた悪魔だ。危害を加えたら即座に角を切断すると言ってあるから安心しろ」
「へぇー?」
アキメネスは座っていたところから降り、僕らの方へ歩み寄りながらそう言った。
「な、なんだよ」
アキメネスはカーパスをじっと無言で見つめていた。そんなアキメネスにカーパスは戸惑いを見せながらそう言った。
「ま、確かに危害を加えるつもりはなさそうだし平気か」
そう言いながらアキメネスはカーパスから視線を外した。
「…ここに来た用件はなんとなく把握。じゃあハチスさん、いいのね?」
「ああ、神様からの指示だからな」
アキメネスは何も言わずとも状況を把握しているようだった。なぜだろう?それとハチスの返事はどういうことだ?なにも状況が把握できていない僕とカーパスを置いて、話は進んでいた。
「では、ここに立ってくださいなー」
アキメネスは広い空間のど真ん中を指定した。言われるがままに僕らはそこに立ったが…ハチスは僕とカーパスからそっと距離を開けていた。
「え?」
何かあるのだろうか、…少し嫌な予感がした。
「それじゃ…行ってらっしゃい!!」
アキメネスの掛け声と共に僕とカーパスが立っていた床がバッと開き、僕らそこへ吸い込まれるように落ちた。
「はぁっ!?」
「なんで!?」
僕らは空中で体勢を立て直して飛び、落下を避けたが上を見上げた時にはそこはもう閉まりかけていた。
「…アムネシア様、どうかご無事で」
ハチスがこちらを見ながらそう言うと、そこはゆっくりと音を立てずに閉まった。
「ほんとにこれでよかったんですか?神様も何を考えてるんだか…」
「神様が言うんだ。それに何を考えてるかなんて、もう確かめる術は俺らにはないし、指示に従うだけだ」
「………。羽の色もそういうことですか…似てますねぇ〜。それなのに、記憶も失ってるし…。でも今は幸せに過ごしてるようですよ?」
「記憶を?」
「あら、気づいてなかったんですか?」
「…自分が何者か分かっていなかったのはそういうことか。まあ、今が幸せならよかった」
「で、貴方はどうするんです?」
「…アムネシア様が戻るまでここに居させてもらう」
「戻ってこない可能性だってあるんですよ!?それなのに…」
「でもこれは神様から任されたものだ。最後までやり遂げる」
「わかりましたよ…。無事に戻ってくるといいですね」
「ああ」
閉じた床のところで、ハチスとアキメネスはそんな会話をしていた。
「とりあえず下に降りよっか」
「だな」
僕らは落とされた先で、少しずつ下降し着地した。
「なんなんだろうこの場所…」
「壁や床の色は上の部屋と変わらず白色…灯りはあるのか…」
カーパスは周りを観察しながらそう言った。
「降りてくる時には周りは壁だけだったよね」
「ああ。…てことは、出口はここしかないか」
カーパスの向いている方には道があった。
「上まで結構な高さあるよね。すぐ出れるといいけど…」
「ほんとにどういうことなんだよ…。お前のこと様呼びしてたくせにこんなとこに突き落とすとか…」
カーパスは相当イラついた様子で言った。
「最後「どうかご無事で」とか言ってたけど…何かあるのかな」
「…さっさと上に戻ってあいつに問い詰めるぞ。いくら四天王だからって許されると思うなよ…!」
「流石に色々説明してもらいたいしね!」
「ああ」
僕らは早くここから出るためにその道を進み出した。
コメント
4件
読むの遅くなった😭
ハチスさんが推しになりそうでヤバいです。…私は一途とは無縁な女です😌仕方ない… アムネシアさん記憶を…?というか羽の色の意味諸々が分からないです…まぁ調べるんですけどね!!