23時
女「ねー彼くん!お願いごと、なんてお願いする?」
車椅子に乗りながら、彼女は俺にきく
そして、俺は車椅子を押しながらこう答える
男「んー…内緒だよ内緒」
男「知ってる?お願いごとを人に話すとその効果 は無くなっちゃうんだよ?」
女「えー…じゃーきかない!」
彼女は今、下半身が麻痺してしまうほど酷い病にかかっている。
正直、その体で外に出て欲しくない。
彼女自身、とても辛いと思う…
だがこんなことを言っても…俺は見てることしか出来ない。
本当に…情けない
男「あ…効果が消えちゃうんじゃなくて…逆にな っちゃうかも?笑」
女「ええー!大変じゃん…お金持ちになりたいっ て願ったら貧乏になるってこと!?」
男「うん、そうかもね笑」
女「そっかぁ…でも、効果がないよりはそっちの 方がいいかも!」
男「え…なんで?逆になっちゃうんだよ?」
女「だって…お金持ちになりたくないって願った らお金持ちになれるんだよ!すごくないー!」
ほんと、彼女は無邪気で、変なとこにだけ頭が柔らかい。
まぁ、そこが可愛いんだけど
男「そっかぁ…彼女ちゃんがそんなこと言ったら 本当にそうな気がしてきたな笑」
女「えぇ、なんでなんで?」
男「俺からしたら、君は神様よりも、仏様よりも すごいから」
男「彼女ちゃんが言ったことは全てが本当にな る気がする笑」
女「そんなことないよー私のこと信じすぎ笑」
こんなおふざけのようなことを言っているが、実際に俺は彼女が世界一だと思ってる。
神様よりも、仏様よりも、誰よりも何よりも偉い。全てがこの子の言う通りだ、と
男「じゃあ、俺のお願い事、教えてあげよっ か?」
女「え、いいのー!?」
男「うん、俺の願いはね」
男「彼女ちゃんの病気を治さないで、幸せにしてあげたくないって願いだよ 」
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中人)あらまるでスノードロップのような恋だ……