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「実際どうかなんて知らないけどさ」
肩を軽く叩こうと手を伸ばす。数回しか話したことのないクラスメイトに気づいてもらおうとする。彼女が今、苺の刺繍が施されたハンカチを落としたからーーーーーーー
足が速い。早歩きでも追いつかない。仕方なく声を出す。
「すみません!」
彼女は友達と笑ったまま速度を落とそうとしない。
「これっ!、、、落とし、、、ましたよ!」
かなり大きな声で訴えても振り返ることはなかった。痺れを切らし駆け足で彼女に近づく。
肩を叩く。
「ハンカチ、、、落としましたよっ!」
反応がない。えっ?ちゃんと肩叩いて声かけたよね?普通気づくはずだよね?えっ、なんでこいつは何もなかったみたいに笑って話しているの?
は?どうして?どういうこと?意味がわからないこっちがおかしいの?ーーーーなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんで気づいてないの?勇気を出してこいつのためにやっているのに。ちゃんと気づくように工夫したのにーーーーーーーー違う。
嫌いだから、、、嫌いな奴が触ったハンカチなんていらないから、、、関わりたくないから、、、だから、、、だから
空気にしているんだ。好きな人にだけ反応してこっちには反応しない。声も姿も色もーーーいるという証全てを白で塗りつぶして、、、都合のいい世界にしているんだ。
あ〜あこっちまで嫌いになってしまうよ。まだ好きな方だったのに。
昼休み。彼女の目の前に立ち無視できないようにする。ハンカチを差し出す。こんなゴミみたいなもの1秒でも早く手放したかった。
「これ落としていましたよ。」
「ああ、ありがとう!」
「、、、さっき何回も声をかけたんですが」
「ええ、そうなの!?ごめん気づかなかった〜」
「いえ別に大丈夫です。それでは。」
はあ、、、
ENDー13 「消した、ただの人間」
ena🐱一週間猫化とぶりっ子
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