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翌日。
桜が入院してきて2回目の朝が来た。
夜勤から日勤への交代に向けての
申し送りの準備が進められている。
中央の共有ボードには、
今日の検査や診察の予定が書き込まれている。
楡井「手術迎え2件の検査が3件…全部採血…
肉体労働だぁ…」
その前で楡井が頭を抱えていた。
蘇枋「はは、大変だね。にれくん」
傍で小言を聞いていた蘇枋は笑う。
楡井「くぅ…蘇枋さんは余裕そうですね」
蘇枋「いやいや、そんなことないよ。
ナースコール連打で有名な平くんと
モンスターペアレントの綾野さんが受け持ちだからね」
なにも起らないはずがないよ、と笑みがどんどん黒さを増していく。
楡井「(…あ、今日桜くん採血入ってる。
ルート抜去の指示もあるし)」
電子カルテと睨めっこする楡井。
楡井「蘇枋さん」
蘇枋「どうしたの?」
楡井「桜さん採血入ってるのでヘルプ頼んでもいいですか」
蘇枋「いいよ〜」
蘇枋と軽い会話をした後、
ナースステーションと繋がっている処置室に入り銀トレーと消毒、絆創膏を持って
桜の病室へと向かった。
楡井「桜さーん、おはようございまーす」
桜「…」
楡井が病室に入るなり、
桜は入口をパッと向いた。
心做しか目が輝いているような気がする。
楡井「お熱測りに来ました〜……
朝ごはんは全部食べましたか?」
桜「コクッ」
楡井「えらいですね!」
お熱測ってもいいですか?と楡井が聞くと、
桜はコクリと頷く。
体温計は37.5を指していた。
楡井「…問題なさそうですね!平熱です」
桜「…へいねつ」
楡井「元気ですっていう証のことですよ!」
楡井「この点滴いらないのでとっちゃいますね」
楡井がルートを保護する包帯に手を伸ばすと、
桜は咄嗟に手を引っ込めた。
楡井「痛くないですよ。大丈夫」
楡井は不安な気持ちを汲み取って
優しく語りかけた。
桜はすぐそばにあった枕をギュッと抱きしめながら
点滴の刺さっている腕を出した。
楡井は手際よく包帯を取り、
優しい手つきで針を抜いた。
楡井「はい、ここギュって押さえてね」
桜「…こぉ?」
楡井「そうです」
桜は素直に指示に従い、
戸惑いながらも穿刺場所を押さえた。
止血あと絆創膏を貼ってもらい、
桜は肌色で小さな四角を物珍しそうに見つめた。
その後 楡井がボールペンでニコちゃんマークを描き、
絵を見た桜の顔が可愛すぎたのは
言うまでもなかった。
さかな
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#WB夢
紅葉 転生
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コメント
1件
古書を読むように、人の心の機微を追いたくなるエピソードでしたね。点滴ルート抜去の場面、桜さんが枕をぎゅっと抱きしめて腕を差し出す仕草に、不安と信頼が混ざった繊細な心情が滲んでいて、思わず息を呑みました。そして最後のニコちゃんマーク――あの小さな優しさが、言葉の少ない桜さんにどんなふうに届いたんだろうと考えずにはいられません。医療現場の空気感と、人と人の触れ合いの温度が丁寧に描かれていて、とても好きな回でした。