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ほのぼの🌹です。キャラ、口調崩壊注意
ただただ、恋人の帰りを待つだけのお話。
短いです。 誤字脱字があればご報告ください、ひっそりと直しておきます。
「行ってくるね」
「いっちゃうの…?」
今から仕事へ向かうきりやんを見送るべく、玄関前のマットの上で座る。見送る、とはいったが寂しいので、軽く見上げて、少し甘え事を言った。そんな俺に合わせてしゃがんだきりやんは優しく微笑んで、いってきますの代わりかキスをした。
「すぐ帰ってくるからさ、いい子で待っていられる?」
「…うん」
「いい子だね、いい?誰が来てもドアを開けないこと、玄関マットより向こうは行かないこと、緊急時は俺に連絡することそれと……」
「一人で処理はしないことでしょ」
毎朝きりやんが出る前に教えられている、うちのルール。要約すれば、俺はこの家から出ることを許されていない。別に特に問題があるわけではない、だって俺を愛してくれているってことだからそして、一人で性欲の処理をしないこと。 昔に俺が欲求不満で一人でシたときにこのルールが追加された。なんでだったかは記憶にないけど破ったらとんでもない目に遭わされることは身を持って知った。
「覚えてるなんてえらいね、じゃあいってきます」
頭を優しく撫でられて、ドアを開け、外へと向かっていく背中を見送る。
淋しくなったリビングに戻って、ソファに座り、テレビを付けた。
――――――――――――
ぼーっとテレビを見続けて、しばらく経った。
窓の外を見やるとオレンジ色のの光が差し込んで、日が沈みかけていた。
時計の短針は5を指していた。
「………まだ、かえってこない」
いつもならこのくらいの時間に帰ってきてくれるから、少しだけ不安になった。
「………寒い…」
いつもは、きりやんにくっついてるから寒いことはあんまりないけど、今日は一段と気温が低くて少しだけ肌寒い。
エアコンのリモコンの場所知らないし、暖房つけれないから、毛布とかにくるまろうと思ったけど、長い事きりやんに会ってないから、少しだけ。
そう思って服が入ってるタンスを漁って、一着いつもきりやんが部屋着の上から羽織ってるカーディガンを引っ張り出す。
リビングのソファに戻って、カーディガンを羽織って寝転ぶ。
洗剤は同じはずなのに、しっかりきりやんの匂いがして、なんだか少し安心する。
あったかいのも相まって眠くなって暗くなってく視界に抗わずそのまま眠りに落ちた。
――――――――――――
ふわっと意識が浮上して、目が覚める。
ほんのりと鼻をかすめるのは料理の匂いと自分は羽織っているカーディガンのにおい。
「あ、おはよう、帰り遅くなってごめんね」
きりやんがキッチンからでてこっちへ来る。
帰りが遅くなったことは不安だったけれど、ちゃんと帰ってきてくれたことで不安が全部なくなった。
時計の長針は9を指している。
「もうすぐご飯だから、ちょっとまっててね」
と、軽く俺の頭を撫でてキッチンに戻ろうとしたその手を捕まえて、もう一度頭の上に乗せた。
少し驚いたような顔をしたけどすぐまた撫でてくれて、ぎゅーって抱きしめてくれた。
あったかいし、何よりいいにおい。
「そういえば、きんとき、かわいいことしてたじゃん」
「あっ……!」
「怒らないよ、かわいいね寂しかった?」
「うん………」
「そっかそっか、次からちゃんと早く帰ってくるよ」
ニヤニヤしてるきりやんを見て、少し恥ずかしくなりながら、次からは早く帰ってきてくれることに安心した。