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今回はオーストリア主人公です。いつもの通り目的も何にも考えておりません。

⚠️旧国・BL要素有・安定の駄文オブ駄文☆


それでもいい方どうぞ〜
















今日も今日とて愉快(笑)な国際病院。それぞれの病棟ではギシギシしたりワイワイガヤガヤ。治安は保証しきれない、何ともスリル満点な空気がたまに流れていた。

院長である私はそんな光景を尻目に、彼女作りたい、と場違いすぎる思考を巡らせていた。

もう何なら男でも良いし。

まあ、そんなことは置いておいて、この病院は、昼は現国、夜間は旧国、というように、大まかな分類によって患者を分けて診ています。

国には多かれ少なかれトラウマがありますし、好き嫌いによってこの病院が核戦争等の危機に晒されるのは嫌ですからね。



(めっちゃ時間飛ばします)




時刻は既に22時を回っており、夜間の旧国が担当の私は栄養をキメるため、エナドリに手を伸ばした。

オーストリア「ファァアアー−ー!!!カフェインッ最っコウーーーー!!!…………ハァ…」

ロング缶のエナドリを一気に飲み干して唸っていると、受付からのインターホンが鳴った。


受付『ザザッ 旧国の “ご夫婦” がお通ります ピッ』

うん、この業務中にふざけてくる受付にももう慣れた。夫婦いらんだろ、夫婦。

そんな事言って聞こえたりしないのかと若干心配になりながら、私は呼ばれたその夫婦を出迎えた。

オーストリア「こんばんは………今日もまた腸が飛び出してるんですね、うちの弟。原因は夫婦喧嘩ですか?」

ソ連「あぁ、それと足首辺りを捻挫したらしくてな、そこも手当頼む」

オーストリア「はいはい……」

この赤い大男、ソ連に抱かれている末の弟を覗き込む。血が染み込んだ彼のジャケットの黒は、光に当たるとこげ茶色に照かった。四肢に力が入っておらず、まさに死にかけ、といった感じだ。腸飛び出てるし。


しかし、この夫婦にとってはこんな事も日常茶飯事だ。二次大戦ではそれこそ死に物狂いで戦い、憎み合っていたのが、今では子供を二人作ってたまに生死を賭けた殺し合いをしながら子育てしている。

ホント、何と形容したらいいか………


手術室まで案内し、そっと診療台に置かれると、死にかけは少し動いた。

オーストリア「さてと……ナチス?麻酔は無しで良いよな?」

ナチス「……………………」

ソ連「何で気絶してる相手にいちいち聞くんだ。返事なんか返ってこないぞ?」

オーストリア「いやただの雰囲気です。」

ソ連「あぁ、そう……」

微妙な反応をされた。ソ連は手持ちのウォッカをグイグイ飲み始めた。

私はその間に、ピンセットや輸血パック、ハサミや医療用の針と糸など、必要な器具を揃えていった。


“手術中”


オーストリア「さて、まずはこの飛び出しているモツを何とかしないとな……」

ナチス「……ウゥ………ウェ………」

オーストリア「(うなされてんな………)」

腸を押し戻して、パックリ割れた腹部を手際良く縫っていく。

まだらに血濡れていく針と、金属のような光沢を放つ糸をスイスイ動かしていけば、いつの間にかグロテスクな中身は見えなくなっていった。

レーザーとかで焼いて傷口を塞げば諸々の時間は短縮できるんだろう。

が、夫婦喧嘩で、おそらく鎌か包丁で隙を突かれたアホな弟に、そんな贅沢な処置をしてやるつもりは更々無いし、何よりコレの親族として使用するのもなんだか気が引ける。


なんでこんなにも言うのかって?二次大戦とかで色々あったからだよ。親族だからって容赦無かったし扱いがクソだったよ。何度後ろから手元の岩ッコロ投げ付けようと思ったか…………


オーストリア「あ〜!ホントにもう…本当に腹が立つなぁ……」

ソ連「そんなピリピリすんなよ、ヤブ医者」

オーストリア「失敬な?!私はちゃんと、お勉強とお試験と経験を経て、ここにいる。れっきとした医者です!!」

ソ連「冗談だってwにしてもナチはどうだ?」

オーストリア「…傷口を縫ったので、包帯と、消毒して輸血するだけです。まぁ、旧国は半分死んでるようなものなのでほっとけば勝手に修復されます」

ソ連「マジでそこら辺の仕組み分かんねぇんだよなぁ………」

オーストリア「考えても仕方が無いですからね、こればっかりは………」

“死なない”と言ったら語弊があるが、なぜか旧国は現国よりも丈夫になるのだ。

現にソ連は、ナチスに発砲されできた風穴は5分も経てば勝手に止血されると言うし、ナチも腸が飛び出た死にかけの状態をキープしてここに来ている。ドラゴン◯ールか、個人的にはもうそのまま成仏してほしい。


オーストリア「はぁ……ロシアとドイツの気が思いやられます…」

ナチス「…余計なお世話だ………」

オーストリア/ソ連「ナチ!!?」


意識を取り戻したナチスは、診療台から這うように起き上がった。いつ見ても異常な再生速度で、見かけはゆっくりながらも難なく歩けるような状態にまで回復している。

当の本人は相当痛そうにしており、割れ物を扱うかのように己の傷を撫でていた。そして、そのままソ連の目の前まで来たが、糸が切れたようにぶっ倒れてしまった。



ソ連「……寝やがった……」

オーストリア「あぁ……どうします?一応怪我人なので、手続きすれば入院できますよ。」

ソ連「いや、遠慮しとくわ。また世話んなるかもしれねぇし、何より金がかかる。」

オーストリア「ウォッカに溶かすつもりですか?節約した入院代を。」

ソ連「まぁ……それもあるが」

オーストリア「あるんですか()」


そんなこんな雑談をした後、ソ連は来たときと同じようにナチスを抱きかかえ、手術室を去っていった。後片付けを看護婦に任せ、私は自分の診察室に戻り、イスに腰を預けた。

オーストリア「…はぁ、疲れる疲れる……」


すでに疲労困憊だが、夜は始まったばかり。旧国達の診察は、その後もまちまちと進んでいった。

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コメント

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オーストリアさんの弟てっきり、ハンガリー(元二重帝国の一部)かと思いきやまさかの弟、卍ッ!?しかも卍さんが弟とか最高すぎんかッッ!?🫠💕︎︎てかこの、夫婦好きすぎる笑。ソナチ(もしくはナチソ)っていいよね🫶🏻︎💕︎︎

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