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「まァどの道"ワンピース"を目指すからには、その航路をたどるしかねェんだ…いいだろう」
「いいって、あなたまでゾロさん!!?」
「別にお前は行かねェんだろ……?」
「い…いか…行かないけど!!心配なんですよ!!いけませんか!!?あなた達の心配しちゃいけませんか!!!」
「いや…それは」
ばんっばんっと熱弁しながら机を叩くコビー。いつにもなく、あのゾロが押し黙るほどに必死である。
急に叩くのを辞めると、神妙な面持ちで話す。
「エマさん、ルフィさんぼくらは…!!つきあいは短いけど、友達ですよね!!!」
「!ああ、別れちゃうけどな」
『ずっと友達だよ』
即答で答えてくれた二人の言葉に、コビーは顔を明るくさせる。
「ぼくは…小さい頃からろくに友達なんていなくて…ましてや僕のために戦ってくれる人なんて絶対いませんでした
何よりぼくが戦おうとしなかったから…!!
だけど、あなた達三人には……!!自分の信念に生きる事を教わりました!!!」
そう話すコビーの瞳にはもう迷いが無いように感じさせた。
「だからおれらは"偉大なる航路"へ行くんだよ」
『わたし達の信念を叶えるためにね』
「まァそうなるな」
「あっそうか
いや!!違いますよ、だから僕は今行く事が無謀だって…」
三人の信念は、海賊王と大剣豪。それを成し遂げるためには何があっても絶対に偉大なる航路へは入らなければいけない。
コビーにもそんなことは分かってはいるが、やはり心配な事には変わりないのだろう。
するとゾロが剣でコツン、とコビーのおでこを叩きながら言った。
「それよりお前は大丈夫なのかよ」
「え?」
「雑用でもアルビダの海賊船に二年にいたのは事実なんだろ。海軍の情報力をみくびるな、その素性が知れたら入隊なんてできねぇぜ」
ゾロの言葉にコビーも冷や汗を流す。
すると、この家のドアががチャリと開いた。
「失礼!
君らが海賊だというのは本当かね…」
「そうだね。一人目の仲間もできた事だし、じゃ今から海賊って事にしよう!」
『ししっじゃあ今日が大事な記念日だ』
「反逆者としてだが、我々の基地とこの町を実質救って貰ったことには一同感謝している。
しかし君らが海賊だとわかった以上、海軍の名において黙っている訳にはいかない。
即刻この町を立ち去ってもらおう、せめてもの義理を通し本部への連絡は避ける。」
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