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ライブ終わり、皆で楽屋に戻ろうとした時、後ろからがたんと物音がした
思わず振り返ると、頭を抱えて北斗がうずくまっていた
皆で北斗に駆け寄って支えると、北斗は辛そうながらも幸せそうに笑っていた
「北斗?」
俺は北斗に聞くと、頭の痛みに苦い顔をしながらもこう答えた
「ライブ、ほんっとに幸せだった。もう俺やり残した事ないわ。楽になれた。」
やり残した事はない…聞きたくない言葉ではあったが、北斗はライブで自分の人生でしたかった事を果たしたのだろう
それなら、俺たちも本望だ
「うっ…はぁ 」
「北斗頭痛い?」
「めまいする 」
「早く楽屋戻ろう」
楽屋に戻ると、北斗は荒い息を整えながら俺たちに感謝を伝えた
「ほんとにありがとう。俺がSixTONESにいられた事、誇りに思ってる。これからも頑張って」
北斗の目にも、光るものがあった
その後北斗はまた頭をおさえると、静かに意識を失った
急いで救急車を呼び、酸素マスクをつけられた北斗は運ばれていった
救急車に続いて俺たちも病院へ向かうと、色々な管に繋がれた北斗がいた
額には汗が浮かんでおり、眉間には皺がよっている
でも、今まで俺たちに見せていた寂しそうな表情ではなかった
立派に、自らの人生を全うした人間の顔であった
数時間して目を覚ました北斗は、様子が少し変だった
意識はあるのに俺たちの呼びかけに反応しない
医者によると、腫瘍が神経を圧迫して耳が
さらに聞こえにくくなったとの事だった
俺たちは紙に【ライブありがとう。楽しかった!頭は痛くない?】そう書き、北斗に見せた
すると、しんどそうな掠れた声で
「こちらこそありがとう。今までSixTONESでいれてほんとに良かった。頭はすっごい痛い。もう…終わりなのかな」
と北斗が答えた
その直後、北斗がゆっくりと目を閉じて口を「ありがとう」と動かした
北斗の目尻からは一筋の涙が流れていた
心電図が警告音を出す。看護師や医師が駆けつけて処置を行った。
これから北斗やその他のメンバーがどうなっても、SixTONESはなくならない。
何があろうとSixTONESの物語は終わらない
俺は細くなった北斗の体を強く抱きしめながら小さく唱えた。
この6人だから。
SixTONESは最強だ。
end.