あいに嫌われた男の子
shk「!母さん!俺、次なにすればいい?」
「う~ん、そうね…じゃあ、洗濯物を畳んできてくれる?」
shk「うん、わかった!」
…俺の家は、母さんと俺の二人家族。
父さんは、俺が赤ちゃんの時に逃げ出しちゃったって、母さんから聞いていた。
…父さんがどんな人だったか、何度聞いても分からない。
…でも、それが1番幸せなんじゃないかなって、最近考えるようにもなった。
…多分、その方が母さんにとっては淋しくないと思うし。
…俺も、後少しで三年生。
部屋に入り込む微風は、俺の頬を撫でた。
shk「…」
暑過ぎず寒すぎず…
shk「…何か、今なら何でも出来そう…」
…!そうだ、洗濯物…
shk「…~♪」
リビングに居る母さんの、食器を洗う音、風の音、虫の歌声…
…良い音色に紛れて、黒いパーカーを着た人が家の前に立っている事に気づいた。
shk「…誰だろう…」
パーカーを深く被っているから顔もよく見えない。
…家に用があるんだったら、ピンポン押せば良いのに。
ピーンポーン
shk「…!」
あ、押した。
「は~い!」
shk「母さ~ん?俺が出よっか~?」
「母さんが出るから大丈夫!翠は続けてて!」
shk「は~い」
…後少しで終わりそうだったんだけどな…
「すみません、どちら様でしょうか」
…母さんは、あの人とインターホン越しに何かを話している。
「…え?配達…?」
「全然、配達には見えないのですけれど…」
「…?あぁ、○○会社の社長の息子さん…」
「…分かりました。」
shk「母さん、終わったよ」
…あれ、母さん居ない…
shk「玄関に行ったのかな…」
shk「…?母さ_」
…え…、?
「翠、逃、 げて…」
shk「母さん…ッ?母さん…?」
…母さんは、玄関で血を流したまま倒れていた。
…その近くには、さっきの人が。
「…笑ぁ、そういえば子供が居たな、笑」
「…外に情報がバレてもまずいから、”翠”も此処で死んでくれ。」
shk「…ッえ?何で、俺の名前…」
いや、それより、俺は早く逃げないと…ッ
でも、足がすくんで動けない。
どうしよう。どうしよう、どうしよう
shk「…ッ…」
この”男”は、俺にどんどん近づいてくる。
「…抵抗しても無駄だからな。」
shk「…!ッ」
「ッ!あ、お゙い!」
…俺は、自分の部屋まで走り、一か八かで警察に連絡をした。
shk「ッ助けて、下さい!」
shk「母さんが、刺されて…ッ」
「分かりました。直ぐに向かいます。」
「…この部屋かぁ…ッ?」
「翠、出てこい。今出てきたら、生かしてあげるぞ。」
shk「…ッ…」
「…出ないのかぁ…そうかそうか…じゃあ、お前も殺し_」
ダンッ!
👮「!ッ動くな!」
「!?け、警察…! 」
👮「…!お前は_ 上川 ミナト…!」
!上川 ミナト…?
その名前、どこかで…
👮「…署まで来てくれ。」
「…ックソが…」
👮♀️「…えっと…翠君?もう大丈夫ですよ」
shk「…本当、に…?」
👮♀️「はい。」
…!
shk「母さんは…?」
👮♀️「…お母様は…」
👮♀️「…」
shk「…ッ、そんな…」
👮♀️「…翠君、少しの間は、私達が面倒を見ることになっているのだけれど…」
shk「…それで大丈夫です、」
👮♀️「…なるべく早く、新しいお家と新しい家族を見つけるから、待っててね。 」
shk「…ぇ…?」
👮♀️「じゃあ、私達は少し調査をして来るね。」
…新しいお家?新しい家族?
…そんなの、全然嬉しくない。
俺が大好きだったのは、世界に1人の母さんで、ずっと一緒だったこの家だ。
shk「…ッ…この家を離れるなんて、…ゃだよ…」
鮫島 翠
小2/ 8才
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