テラーノベル
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俺は、青ざめた顔で玄関に立ち竦んでいた。ギャンブルで金を返す、なんて無謀で馬鹿なことだと自分も分かっていた。案の定、ますます借金は増えるばかりであり、今、mafiossoが家に押しかけているのである。これは1度だけではなく、何度も経験している事だが慣れることは無い。さすがに今回はまずい。ガタガタというドアノブを捻る音だけが無限に響き、埒が明かないと思い震える手でドアに手を伸ばした。mafiossoが言葉を発する間もなく俺は、「すみません、今すぐに全額は無理です。ただ、必ず近いうちに払います。ほんの少しだけ、猶予をいただけませんか」
mafiossoはニヤリとして言った。「金がない?…そうか。じゃあ、使えるモンで払ってもらおうか」
ゾッとした。何をするのか察しもつかなかった。突如、口を塞がれ、意識が遠のいた。
目が覚めると、暗く、見知らぬ部屋だった。手は手錠で繋がれていた。
mafiossoは俺が目覚めたことに気づいた。心臓は恐怖で脈打ち、手も足も今までにないくらい震えていた。
「大丈夫だ。すぐ慣れる。お前みたいに“何も残ってない男”は、身体で払うしかないってことに。
」Mafiossoはゆっくりと立ち上がる。
コートの襟を軽く整える動作すら、悠然としていて無駄がない。何も言えない。目を合わせることすらできない。
Mafiossoは一歩、また一歩と近づいて――そのまま、しゃがみ込んで目の高さを合わせる。
そして、声を低く、甘く、吐き捨てる。
「お前が最後に賭けたのは、自分の運だ。けどな、今のお前じゃ……“運ばれ待ちの廃材”がいいとこだ。」
俺の喉がかすれ、ようやく絞り出す。
「……殺せ……殺せよ……こんなことするくらいなら……!」
Mafiossoはふっと笑う。優しく、優しく――冷たく。
「甘いな。死ぬのは“逃げ”だ。お前はまだ、“罰”を受けてない。」
そう言って、俺の顎を指先で持ち上げ、無理やり目を合わせた。Mafiossoは俺の顎を持ち上げたまま、少しだけ顔を近づける。
その視線は鋭く、まるで「今から壊すもの」を見つめるような冷たい光を宿している。
俺はわずかに顔を背けようとしたが、力の差は歴然。
逃げられないと悟った瞬間、体から力が抜けていく。
Mafiossoが囁く。
「……怖いか?安心しろ、お前の“最期の価値”は、ちゃんと俺が見てやる。」
そして、言葉を終えるよりも早く――
唇が重なる。容赦のない、支配のキス。
やさしさも、情も、何ひとつない。
唇を噛むように押し付け、Chanceの吐息すら飲み込むように。
「なあ……まだ“負けた”って言葉、吐けねぇのか?」
俺は何も答えなかった。ただ、濡れた目で黙っていた。
唇が再びぶつかる。今度は、貪るように。
噛む。舌をねじ込む。空気を奪う。
Chanceはむせるように小さく息を飲む。
首を逃がそうとするが、Mafiossoの手は逃さない。
顎を押さえつけ、唇を塞ぎ、舌で命令する。
「……ほら、口開けろ。まだ抵抗してるつもりか?」
唇の端から流れる唾液を拭うこともなく、Mafiossoは息を吐きながら低く笑う。
舌の先で唇をなぞりながら、獲物を味わうように囁く。
唇が震えるが、声は出ない。
ただ、服の隙間から晒された肌が、小さく脈打っているのが見える。
Mafiossoは指先でその喉元をなぞる。
皮膚がびくりと震えたのを確認して、また深くキスを落とす。
今度は、喉の上に、唇を。
舌先でなぞり、甘噛みしながら呟く。
「逃げられねぇって、やっとわかったか……いい子だ。」
コメント
2件
めちゃくちゃ最高!!書き方好みです