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「俺さ…」
「他に好きな人できたんだよね 」
人生で初めて振られた瞬間だった
part1 .君と話した
「うわぁぁぁぁん!!」
そう泣き声をあげる金髪ツインテールの少女…佐藤陽菜。(17)この物語の主人公である。
『まぁまぁ…それにしても3ヶ月で別れたってなかなかのハイスピードだよね』
「人の心が無い…」
『でも“別れは次の出会いへの扉”みたいなことアン○カが言ってたくない?気持ち切り替えてこ!』
「“次の出会い”かぁ…」
「悠斗しか思い浮かばない」
『うわぁ…未練タラタラ…』
キーンコーンカーンコーン…
『なにぼーっとしてんの』
「余韻に浸ってる」
『あっそ、私バイトあるから帰るわ。陽菜も早めに帰りなね』
「バイバイ」
「……」
「…!!」
「悠斗…と新カノ?」
なにやら待ち合わせしていたようだ。これから一緒に帰るんだろう。
「私といるよりもずっとニコニコしてる」
やばい、泣きそう。ていうか泣いてる。
これだから恋愛は嫌なんだ…
もう恋なんてしない、
佐藤はそう、心の中でこぼした
『お!佐藤まだ残ってたのか』
「藤田先生」
『急にすまないが、この箱図書室に置いてきてくれないか』
「あ、はい」
『…がんばれよ』
絶対バレてた。
私が泣いてるの。
恥ずかしすぎて消えたい…
「よいしょっと…」
早く帰ろう
ドッ
ドサドサ…
誰かにぶつかった音がした。
「わわっごめんなさい!」
『こちらこそ…』
黒髪メガネのこの男子は…えっと…山田昴だったっけ。
「あ」
「指怪我してる…箱に入ってた物で切れたんだ」
「絆創膏貼るよ」
『だ、大丈夫、これくらい』
「いいから」
『ありがとう…』
「えへ、どういたしまして」
「じゃあバイバイ」
『バイバイ…』
今日初めて、君と話した。