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「じ、自傷癖、治らへんか、」
「気づい…たら、切ッてる…から」
心配するような、怖がっているような、震えたロボロの声
俺の腕を見て気づいたのだろう
傷つきすぎた俺の腕に律儀に包帯を巻く彼の姿を、少し鬱陶しく思ってしまう
(震えるくらいなら、やらんでええのに)
自傷癖は、昔からってわけではなかった
癖になったのは本当に一年前とか、そのぐらい
彼奴らが豹変したのも、一年前くらい
もう、治らない傷がつき続けて一年が経ったということ
「ゾム、飯食う気、ある?」
「ない…かも、」
弱々しい声にか細い声で応答を続ける
傷の処置が終わったと告げられ、1人置き去りにされる
電気を切って、ドアを閉めてくれて、
さらには部屋を片付けないでいてくれる…
ロボロは…
見かけによらず大胆だが、そういう所は真面目で器用だ
いつも止めてくれて、処置してもらってる身からしたら
彼奴の優しさは計り知れないものだろう
優しさ…か、
もう…ほとんど…感じ…なくなっ…たなぁ……
俺は、いつの間にか深い眠りに落ちてしまった
▷
『なぁゾム!今日練習付き合ってくんね…?』
黄色いその目は陽気の黄色
『ゾムさぁぁ〜ん…書類終わらんのやけどぉぉ(泣)』
甘いその声色は怠惰と甘えの群青色
『ゾムさん、次の戦争の配置で相談があって…』
不安なその表情は相手を慕う紫色
沢山の明るい声が聞こえる
…なんでや?彼奴等の声なのに…
彼奴等じゃない…性格がまるで違う…
夢…?なのか……?でも…聞こえるだけで何も見えない
どういうことか、全く…
でも…
羨ましい、その感情は確かにあった
▷
『なぁなぁ、リスカしてたんやろ?』
『グリグリ』
『グッぁ゙ッ …、ッぅ゙ぐ、ッ…ぁ゙ぁ゙ッ!? 』
「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!?!?」
ねていた体が一気に飛び起きた
(なんや…今の夢…り、すか…って…?あのグロい音は…)
(声もそのまんま俺やった…)
(どういう…ことや…?)
バタンと勢い良く扉が開き、焦り声が耳を劈く
「ゾムさん!?大丈夫ですか!」
「ショッピ…俺は…大丈夫。そのー…」
「…ちょ、っと悪い夢見ただけやねん!平気平気!」
「そ、それなら…ええんやけど…」
「何かあったらいつでも言うんですよ…?」
「ん…」
「…トントンが朝飯できてる言うてたで」
「マ?今すぐ行こ♪」
「…今日は勘弁して下さいよ…?」
「なんのことかなぁー(^^)~♪」
(今は忘れよ…
…偶然かもしれへんしな!)
そうは言ったものの、脳裏に過るあの言葉
シャオロンの声、戦争のときの興奮した声と似ていた
『なぁなぁ、リスカしてたんやろ? 』
そんな…ことは、記憶にないし、言うわけがない
食堂の席、俺の前には、
トーストをかじるシャオロンがいた
溢れるほどの、満面の笑みで座っていた
おかえりなさい。
今日は話すこと無いから終わりだよ〜
♥️💭はモチベの源です。
いつもありがとうございます!!
おつマリ。