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練馬から帰って来た翌日。
生徒たちは早速無陀野の厳しい授業を受けていた。
午前中が終わる頃には全員がヘロヘロ状態で、皆が皆その場に倒れ込んだ。
差し入れに来た鳴海が呆れるほどに現場は酷かった。
「本日の修行は以上。今日は半休だ。各自自由にしろ。」
「づがれだ…」
「なんか以前に増して厳しくなってねぇ?」
「こんなのでへばってどうする。この程度でへばってる様じゃまだまだだな。」
散々な言われように悔しそうな顔をする一ノ瀬を、鳴海は水分を配りながら微笑ましく見つめるのだった。
突然半休を言い渡された一ノ瀬は、先程の無陀野の発言にイライラしながら学園内を散歩中。
修行が終わり、生徒たちは思い思いの場所で過ごしているため、行く先々に誰かしらがいた。
トレーニングをしたり、精神統一をしたり、はたまたストーカーから逃げていたり…
だが1人、なかなか出くわさない人物がいた。
「…鳴海がいねー。」
本当なら一番に会いたかったし、何をしているのかも気になって仕方がない。
修行の一環で自分に何かできることがあるなら、喜んで協力したいとも思っていた。
しかしその想いとは裏腹に、ついに鳴海と出会うことはできなかった。
そこで一ノ瀬は捜索を諦め、不意に思い立った父親の墓参りのため外へ繰り出した。
「(親父にも鳴海のこと見せてーな…)…あっ!鳴海!」
「ん?おっ、四季ちゃんだ!」
墓地へ行く途中にあるトレーニングルームで、一ノ瀬はようやくお目当ての人物を発見することができた。
動きやすい格好でサンドバックを殴っていた鳴海。
問いかければ、”暇だとつい筋トレとかしちゃうんだ〜”と明るい声で返事が来た。
「筋トレ好きなん?」
「そこそこまあまあって感じ。リハビリ兼ねての運動だよ。」
「へ~。つかいい身体してんのな」
「何年もかけて仕上げたからね!特に胸は!」
「すげぇな!(だから雄っぱいデケーのか…)」
「四季ちゃんはどっか行くの?」
「うん。親父の墓参り行ってなかったな~と思って。」
「そっか。確かにしばらくバタバタしてたもんね。」
「……あのさ、良かったら鳴海も一緒に…来てくんねぇかな?」
「えっ?」
「親父の最期に立ち会ってくれたし、それに…俺の天使だって紹介したいし!」
「あははっ!そんな紹介されたらお父さん驚くよ。…でも俺もご挨拶したいと思ってたし、ご一緒させてもらおうかな!」
「マジで!?ありがと!」
“こちらこそ、声かけてくれてありがとう!”
そう笑顔で言葉を返す鳴海と共に、一ノ瀬は墓地へと向かった。
“一ノ瀬剛志之墓”って彫ってある墓石の前で、俺と鳴海は静かに手を合わせた。
何かいろいろあったから、今までのことを長々と報告してゆっくり目を開ける。
チラッと横を見れば、鳴海はまだ隣で手を合わせたままだった。
親父が死んだあの日…
それは俺自身が覚醒した日で、桃太郎を憎く思うキッカケになった日でもある。
悲しさと怒りと戸惑いで頭がおかしくなりそうになる中で、鳴海との出会いだけが俺にとって救いだった。
優しい笑顔も、明るい言葉も、前向きな行動も、その全部が天使みたいだって本気で思った。
怖がることも何の躊躇いもなく前線に出て戦って仲間の治療しててさ…もうマジで天使なんだよ。
だから俺は、そんな鳴海を仲間の1人として尊敬してるし、憧れてもいる。
それ以上の気持ちは、なかったはずなんだけど…
練馬に行ってから、鳴海と皇后崎が急に仲良くなって…何かモヤモヤした。
皇后崎が鳴海のこと名前で呼んでたり、その度に鳴海が照れてたり、そういうのがすげー嫌だった。
今まで恋とかしたことねぇから合ってるか分かんねぇけど、でも俺はきっと…鳴海のこと…
「四季ちゃん?」
「! な、何?」
「いや、何かこっち見てボーっとしてるから大丈夫かなと思って。具合悪い?」
気がついたら、鳴海が心配そうな表情で俺の顔を覗き込んでた。
“大丈夫!”って伝えれば、安心したみたいに笑って鳴海は歩き出す。
言うなら今しかないって思って、俺は思わず離れてく鳴海の腕を掴んでた。
「おおっと!どうしたの、四季ちゃん?」
「俺さ……鳴海のこと好き、かも。」
「え〜!ほんとに!?ありがとう!」
「えっ…!」
「先生やるの初めだからさ〜みんなに気に入られる自信無かったんだよね!ありがたいよ~これからも四季ちゃんの天使でいられるように頑張るから!」
「いや、ちょ、違っ…!」
背を向けて歩いてく鳴海に、何て声をかけたらいいか分かんなかった。
鳴海は間違いなく勘違いしてる。今の”好き”が、いつもの”好き”と同じだって思ってる。
そうじゃないって言いたいのに、代わりになる言葉が全然浮かんでこなかった。
こういう時、自分の頭の悪さに嫌気がさす。
「はぁ~…」
「四季ちゃん~!」
「い、今行く!…あ~くそっ。ぜってーリベンジする!!」
合流した2人が墓地を歩いていると、ある墓石の前に佇む担任の姿を発見する。
午前中のキッチリした服装と髪型ではなく、どちらもラフな状態の完全プライベートモード。
珍しく露出している腕には、肘の下あたりまで黒塗りの刺青が入っていた。
「俺のダーリンめっちゃ可愛い…♡♡」
「ムダ先、刺青入ってたのかよ!」
「あー…うん。確かに入ってるね。でもあれは…」
「見せてもらお…!」
「四季ちゃん、それは「ハイ、待った。」
今にも無陀野へ駆け寄ろうとしている一ノ瀬を止めたのは、通りがかった花魁坂だった。
声をかけようとしていた鳴海に代わって、場所が場所だから今は止めておけと彼は注意を促す。
しかし担任の意外な趣味に、一ノ瀬は興味津々。
元々そういうものが好きだったこともあり、彼は完成を楽しみにしていた。
そんな姿に、花魁坂と鳴海は少し沈んだ表情で顔を見合わせた。
「…ダノッチはあの刺青、一生完成してほしくないと思うよ。」
「は?なんでよ?」
「あの刺青は、仲間が死ぬ度に彫り進められてるんだ。」
「え…?」
「つまり完成に近づくってことは、それだけ仲間が死ぬってことさ。忘れないためか…自分への戒めか。ダノッチって厳しいでしょ?」
「うん。」
「死なないために強くなってほしいからこそだと思うよ。なるちゃんも相当鍛えられたもんね。」
「たまーに悪夢で見るよ…」
「ってこと。厳しさは愛情の裏返しと思ってくれたらさ、ダノッチの友達としては嬉しいかな。」
静かに話す花魁坂の言葉を受け、一ノ瀬は唇を噛む。
そして何を思ったか、突然声を張り上げるのだった。
「ムダ先!」
「…」
「俺は死なねぇぞ!バチバチに強くなって、誰も死なせねぇからよ!残念ながらその刺青は永久に未完成だぜ!今まで以上に厳しく来ても余裕だぜ!」
「……墓地で大声を出すな。非常識だ。」
「ほほー!これも愛情ってやつだな。」
「いや、これはシンプルに注意だね。」
「えぇ!?」
「ふふっ。」
いつも通り無陀野の表情は変わらないが、一ノ瀬の真っ直ぐな想いはきっと届いているだろう。
花魁坂と鳴海は互いに笑顔を向け合った後、そんな2人を微笑ましく見つめるのだった。
その日の夜…
これといった緊急事態もなく、鳴海は皆が羨む一戸建てでのんびりと過ごしていた。
と、不意に聞こえるドアベルの音。
何かあった場合は事前に電話が入るため、こういう時は普通の来客だ。
返事をしながらドアを開ければ、そこには墓地で見た服装のままの無陀野が立っていた。
「無人くん!」
「ただいま鳴海」
「おかえりなさい!」
無陀野は考え事をしたい時や1人になりたい時、この家に帰ってくる。(週末も帰ってくるが)
今日もそれだろうと思い、鳴海はリビングに連れて行った後すぐに自室へ引き篭ろうとした。
しかし立ち去ろうとした彼の腕を、ソファーに座っていた無陀野がパっと掴んで引き留めた。
「んぇ?無人くん?」
「…少しだけ、傍にいてくれないか。」
「…今日は甘え坊さんの気分なの?」
無陀野から漂う甘い雰囲気を感じ取り、鳴海は聖母モード(包容力100%状態)になる。
ニコニコしながら横に座れば、ふーっと息を吐いた彼は鳴海の肩に頭を乗せた。
静かに目を閉じている旦那の腕に彫られた刺青を、鳴海はそっと撫でる。
一瞬目を開けた無陀野だったが、嫌がるわけでもなく再び目を閉じた。
「また増えちゃったね…」
「あぁ。」
「俺もっともっと鍛えて、1人でも多くの仲間を救えるように頑張るね。無人く…無人の刺青が…これ以上増えないように。」
「…ありがとう。」
「…」
「?どうした」
「いや…俺も入れたいなって刺青」
「腰にあるので我慢しろ」
お礼を伝えた無陀野の声が、あまりに儚く消えてしまいそうで…
気づいた時には鳴海は無陀野の額にキスをしていた。
頭を上げた無陀野は、もそもそと膝の上にあがり彼の胸に顔を埋めた。
そのまま匂いを嗅がれていたがお疲れの旦那を咎めることなくされるがままになっていた。
無陀野はそっと顔を離し、諭すように話しかける。
「…もう少し警戒心を持て。」
「え?」
「お前は魅力的だからな」
「…こんな傷跡だらけの男にそれ言うかね?」
「……鳴海の魅力を知らないやつは損してるな」
「へ?」
「あと、あまり俺の前以外でそういう態度を取るな。」
「あ、ごめん」
「違う。怒ってるんじゃない。俺の問題だ。」
「無人の?」
「…前よりも嫉妬深くなった気がする」
「!」
「年甲斐もなく他の奴らに嫉妬した。”俺のなのに”って」
「やだ…俺の旦那様可愛い…」
「だからもっと俺の妻という自覚を持て」
「持ってるよ…ちゃんとON/OFFはしてるから。俺の旦那様は可愛いでちゅね〜〜!♡♡」
「…可愛いって言うならもっと撫でろ」
いつになく熱っぽい目を向けてくる無陀野を前にして、鳴海の心臓は壊れるぐらいに鳴っていた。
抱きついて撫でようとしたが、不意に自分がまだお風呂に入っていなかったことを思い出す。
これはマズイと青ざめる鳴海を、無陀野はキョトンと見上げた。
「やっぱり、ちょっと待って!俺、まだお風呂入ってない!汗臭い!てかさっき嗅いでたよね!?」
「俺だって同じようなものだ。気にするな。あともっと嗅ぎたいから脱げ」
「やだ性急!!」
「谷間がいちばん強い」
「変態!!すぐ済むから!サッと入って「今…」
「へ?」
「今すぐがいい。抱っこしろ」
「グゥ…ッッ!!ぎゃんかわ…!!」
無陀野がワガママを言うだけでもあり得ないのに、上目遣い付きのこんなに可愛いおねだりは最早奇跡に近い。
そんなものを真正面からぶつけられて無事なわけはなく…
鳴海は真っ赤な顔で首を縦に振った。
満足そうな表情でこちらに手を広げ催促する無陀野に急かされ、鳴海は苦笑しつつ無陀野を抱き上げた。
鳴海が座ると同時に首に手を回し、肩に顔を埋める無陀野。
「…お前が傍にいると落ち着く。」
「え〜!嬉しい〜〜〜!てか、マジで臭くない?」
「臭くない…ふっ。…鳴海。」
「ん?なぁに?」
「俺は面倒な夫だぞ。大丈夫か?」
「だいじょ〜ぶ!大好きな人ならなんでも許せちゃうよ俺」
「頼もしいな。」
そう言ってさらにギュッと鳴海にくっついた無陀野は、穏やかな声でお礼を伝える。
愛しさで胸が痛いがこれで彼の気持ちが少しでもほぐれるなら安いものだ。
明るい声で言葉を返して、鳴海もまた無陀野に体を預けるのだった。
↓※こっからR18
そのまま眠りそうな無陀野に声をかける鳴海。
「寝るならベッド行く?」
「行かない」
「行かないか〜〜〜!」
とはいえ2人っきりになるのも久々なのでイチャイチャしたい鳴海。
寝室に足を運び無陀野と一緒に寝っ転がる。
「疲れたよね。お疲れ様、無人」
「…ん」
ゆっくりと優しく、無陀野の頭を撫でる。艶のある黒髪は絹のように柔らかな手触りで心地よい。
髪を梳くと、ふわりといつも無陀野が身にまとっている香りが漂う。
その香りが、鳴海が手を動かす度にうっとりと表情を蕩けさせる、この目の前の甘えたな人が、あの無陀野なのだとまた自覚させる。
「よしよし、無人は凄いね」
「…ん、なるみ、もっと」
「ふふ、無人、可愛い、赤ちゃんみたい。………俺のおっぱいでも吸う?」
砂糖を溶かしたような甘い甘い声で、無陀野が強請るのが愛おしくて堪らなくなる。
普段からキッチリしてる無陀野。offの時は素直に甘えてくる無陀野をもっともっと甘やかしたい鳴海。
そんなことを考えていたら、ふと変な事が口から出てしまった。
「なんて冗談…」
「吸う」
「へ?」
流石に断られるかな、てか授乳プレイの提案なんて引かれないかな、なんて思って、冗談だと言おうとしたのを無陀野の声で遮られる。
じぃ、と無陀野の視線が早く、と急かすみたいに、それこそお腹を空かせてミルクを待ちわびる赤ちゃんみたいに、あまりに無垢に自身を見つめるものだから、冗談なんて言えなくなってしまった鳴海。
ぶっちゃけこの時の無陀野は激レアなので沢山可愛がってあげたい。
シャツを捲って、落ちないように口で咥えると、素肌が空気に触れてぞわりとする。
ぼんやりとした無陀野の視線は、未だに早く、早くと鳴海の胸へと注がれている。
そのまま上半身を屈めて、無陀野の口元に自身の胸を近づけた。
「んっ!」
ぴちゃ、って音と一緒に湿った感覚が胸元に生まれる。無陀野の口に含まれて、乳首が生暖かい感触に包まれる。じゅる、って強めに吸い付いたり、舌で乳首を転がして先端をいじめてきたり。
「…っんん……♡ふ…ぅ……♡(赤ちゃんはそんな、えっちな舐め方しないっ…♡でも、夢中でおれの胸にしゃぶりつく無人、可愛いなぁ。)ふふ、無人、おれのおっぱい美味しい?」
「ん……、ちゅ、なるみ、おいしい、もっと…」
「んんっ…♡おれミルクでないけどいいの?♡」
「いい…♡」
ちゅぱちゅぱと音をたてながら、無陀野が鳴海の胸に吸い付く。
“そんな吸われたら乳首ふやけるじゃん。いくら吸ってもミルクなんて出ない筈なのに”美味しそうに鳴海の乳首を味わいながら、こく、こく、と喉を溢れ出る唾液を飲み込む様子にホントに授乳しているような錯覚を覚えてしまう。
「(そういえば、結婚する前から俺を直視してる時があったけどあれって。俺の胸見てたんだな…結婚してからも胸ばっか触ってくるし。無人って雄っぱい星人だったのかな?)」
そんな風に思考していると、不意にもぞ、と無陀野の下半身が揺れた。
体勢が辛くなったのかな。無陀野の下半身に視線を向けると、そこは窮屈そうにズボンの布地を押し上げて、硬く張り詰めていた。
「(……わ、無人、俺のおっぱい吸って興奮しちゃったの?こっちもよしよししたら、もっと喜んでくれるかな…?)」
片方の手は無陀野の頭を撫でたまま、もう片方の手を股間へと移動させて、なでなでする。
こっちも沢山甘やかしてあげなきゃ、なんて思いながら無陀野のズボンを下げると、ぼろんって、勢いよく怒張が飛びだした。
無陀野におっぱいをしゃぶりつかれて、口から涎が止まらずにシャツがびしょびしょに濡れていく。その口の隙間から溢れる涎を手のひらで受け止めて、そのぬめりを塗りつけるように無陀野のちんこを扱く。
「っ、はぁ、きもちい、」
「(あ、良かった、気持ちよくなってる。)」
手のひら全体で包むように上下に動かすと、どんどん大きくなって、ぴくぴくして。爪先で先っぽをかりかり擽ると素直に反応して、ぷくって先走りが溢れてくる。
「ふぅ……っ♡んん……♡」
「っ…、ふ…、なるみ、イきそうっ……」
「(あれ?なんかいつもよりイくの早ない?それだけリラックスしておれに身を委ねてくれてるってことなのかな?)」
それが嬉しくて、くちゅくちゅと先走りを音をたてながら扱く速度を速めて射精を促す。
「いっぱいぴゅっぴゅっして?♡」
「ん……っ!!」
「んっっ、♡」
手の中の無陀野のものが弾けて、どくどくと熱い飛沫をあげた。
吐き出された精液を掌で受け止めてどろどろになった手を、わざとぐーぱーして、ぬちゃ…、と音を立てて糸が引くところを見せつける。
「あは、無人、じょーずにイけたね♡」
「っ……、なるみ、えろ……、クソ、また…」
「ん、ないと、またおっきくなってる…♡」
視線をまた無陀野の下半身に向けると、さっき出したばかりなのに、直ぐに昂りを取り戻していた。
最近忙しくてセックスしていなかったので我慢出来そうに無い鳴海。
「ね、無人くん、今日はおれが頑張るから、このままシてもいい?」
イったばかりでまだぐったりしてる無陀野の頭をベッドに下ろす。横抱きの体勢から抜けだして、その上に跨った。
無陀野を見下ろしながら自身のお尻に指を入れて解してく。さっき無陀野が出した精液が潤滑剤になってるし、なかなか繋がれなかった期間、我慢出来ずに何回かいじってたから、すんなりと後孔は指を受け入れた。
「あぅ…、んん…、ひぅっ!♡無人、ちょっと…まってて?」
「なぁ、なるみ、もっと…」
「もぉ…♡」
無陀野が再び鳴海の胸に舌を這わせて、その先端にむしゃぶりつく。鳴海もまたおっぱいをえっちに吸われて興奮して、自然と解す手が激しくなった。
「ん、もういいかな…?」
尻臀を広げて、無陀野のちんちんのさきっぽにぴたりとくっつける。
そのまま腰を沈めて、ふぅ、ふぅ、とゆっくり息を吐きながら、無陀野を体内に招き入れていく。じゃないと自重で一気に深く入ってしまいそうで怖い。
「はぁっ、♡は、はいったぁ……♡」
「は、かわいい…」
少しづつ挿入して、全部じゃないけど、やっと無陀野のが入った。さすがにこれ以上はお腹の奥をこじ開けそうで自分からは進められない。
腰を揺らせば、こつん、と胎の奥に先端が当たる。堪らなくなって体を支える足がガクガクと震える鳴海。
「ひぅっ……♡」
震える手と足に力を込めて、腰を持ち上げると、内臓が引っ張られる様な感覚にゾクゾクする。ギリギリまで引き抜くと前立腺に張り出したカリが掠めて、また体重を掛けて腰を落とすと、そのまま胎の奥に当たってチカチカと目の前に火花が飛んだ。
「あっ♡あぅ♡ん、ひぅっ♡」
「ん、ちゅ、はぁ、なるみ…」
ぎこちないながらも腰を上下に動かして、無陀野を気持ちよくさせたいのに、自然と自分のイイところに当たるように体を動かしてしまう。
そうしてる間にも無陀野はずっと鳴海のおっぱいに夢中。片方の乳首は手で捏ねられたり摘まれたりと弄られて、どんどん気持ちいいのがお腹の中に溜まっていく。
「無人、きもちぃ……?」
「ん、なるみのなか、とろとろで、あったかくて、ちんことけそうだ…」
「ん、ほんと?♡」
嬉しくなって、無陀野の頭を掻き抱く様に撫でて、目尻に唇を落とす。
蕩けた無陀野の顔はいつもの怜悧さからは考えられない程可愛くて、愛しくて、ちゅっ、ちゅっ、て顔中にキスをした。
「無人、かわいい♡すき、いっぱい、おれにあまえて♡」
「……クソ、もう、むりだ、ぐちゃぐちゃにしてやるっ…」
「……ひっ!?あ、!♡」
このまま無陀野のことイかせてやる。そう思って律動を再開しようとしたら、急に無陀野がガバッと起き上がって、強く奥を突かれて力が抜ける。
「さっきから、えろ、すぎる、」
「きゃぅっ!♡まっ……てぇっっ!!♡おく、だめ、」
そのまま押し倒されて、自分じゃ怖くて出来なかった奥をゴリゴリこじ開けられる。
上からのしかかるようにプレスされて、さっきよりも速くおしりをずぽずぽされて、すぐにイきそうな鳴海。
「あっ♡あぅっ♡あ゙っ♡あ゙っ♡」
「なるみ…、はぁ、なるみ……」
ぱん、ぱん、と無陀野の腰骨と鳴海の尻のぶつかる音が激しく部屋にこだまする。無陀野はうわ言の様に鳴海の名前を呟きながら、自らの快楽を追い求めることに必死になって、セックスを覚えたての子供みたいに、夢中で腰を振りたくった。
激しく揺さぶられる視界で、無陀野を見上げる。その顔は熱に浮かされたみたいに甘く溶けていた。とろりと熱っぽく鳴海を映す瞳は過ぎる快感に潤んでいた。はぁ、はぁと短く呼吸する唇は開きっぱなしで、そこから覗く舌からぽた、と唾液が垂れるのもお構い無しに、へこへこと腰を打ち付ける姿はいつもの余裕なんて感じられない。
でも、そんな無陀野が愛しくてしょうがない鳴海。
「ないと、すき、♡すき、♡ないとのこと、ぜんぶ、うけとめるから、♡いっぱい、びゅーびゅーしていいからね♡♡」
「ん、いっぱいだすからっ…、ぜんぶうけとめろよっ……!、」
「ん、だして♡、っ、あぁぁぁっっ~~!!♡♡」
「くっ……ぅ………♡あー、、、クソ、気持ちぃ…♡」
ひときわ強く奥をなぶられて、快感が身体を一気にかけぬけてく。
たまらなくて、ぎゅぅぎゅうと中をしめつけると、無陀野が甘えるように鳴海の体をめいいっぱい抱きしめて、そのまま果てた。
お互いの全身をぴったりとくっつけて抱きしめあう。
無陀野は鳴海の肩に口をあてて、獣みたいに荒い息をふーふー吐きながら、なかに全部出し切るように、ちんちんをぐりぐり押し付けてくる。
「んっ♡あっ、♡おく、ぐりぐり♡きもちいっ♡♡」
その動きにも感じ入っていると、無陀野は落ち着きを取り戻したのか、ピタリと動きをとめた。
「…無人…?」
「……鳴海、すまない」
無陀野に声を掛けると、弱々しい声で謝罪される。眉を八の字にして此方を見下ろす姿は、しゅん、とまるで叱られた子供みたいだった。
「がっついて、余裕ない、かっこ悪いとこ見せた…幻滅したか…?」
「今更そんなことで幻滅なんてしないよ…」
この男は、まだ鳴海に弱いところを見せるのが怖いらしい。ばちん、と無陀野の頬を手で挟んで、視線を合わせる。ちゃんと、鳴海の思いが伝わるように。
「俺は寧ろ、嬉しかったよ。無人が俺に珍しく甘えてくれるの。…だから、おっぱい吸う?なんてちょっと変なこと言っちゃったけど……、それくらい、舞い上がっちゃうくらい、嬉しかったの!」
なんだか冷静になったら、いくら珍しい恋人の姿を見れたのが嬉しかったとはいえ、自ら授乳プレイを申し出たことにめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた鳴海。
「ふっ…、鳴海、顔真っ赤だ」
「うるせぇやい!ニブチンの無人が悪いんだもん!」
「でも、そんな俺もぜんぶ愛してくれるんだろ?」
「……当たり前!頭のてっぺんからつま先まで全部俺の!!」
見上げた無陀野は無邪気に笑っていた。
いつもの笑顔もかっこいいけど、自然と溢れだした笑顔も花が綻ぶみたいで、好きだなぁ、なんて。
無陀野の笑顔に見とれていると、ふいに、またゆるゆると無陀野の腰が揺れて、ナカの質量が増して、硬さを取り戻していく。
「なぁ、、もっと甘やかしてくれるか?♡」
「ん、もちろん、おいで、ないと♡」
“これから一緒にいる中で、俺はもっともっと沢山の無人のことを知れるだろう”
そんな未来を楽しみに思いながら、甘えたな恋人を抱きしめた。
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