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ちぃ☆
【愛の劇薬】⚠️英日帝です。
監禁、痛みを感じる描写があります。
又、政治的意図等は一切ありません。
それでも良いよという方はお進み下さい。
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嗚呼…ここに監禁されてからどの位経ったのだろうか。もう既に歩き方すら忘れてしまった。この広く豪華な部屋でさえ見慣れれば途方もない牢獄に思える。
最後に外に出たのはいつだろう。最後に人と話したのはいつだろう。最初はそんな事ばかり考えていたが、今はもうそんな気力もなくただただ廃人の様に天を仰ぐ事しかできない。
勿論そこに美しい星空なんてなく、痛々しいほど煌めいているシャンデリアが光を失った私の目を照らしているだけだった。
唯一の楽しみであるご飯でさえ喉を通る気にはならない。といっても英帝の用意する食事なんてとても食えた物ではないが…。
暫くして重厚な鉄扉が開けられた。
「ご機嫌様日帝さん。…また食事に手を付けていませんね。あまり意地を張っていては飢え死にますよ。……今日も無言ですか。」
前までこの状況ならば真っ先に口を開いていただろうが、もうそんな気力なんてない。
空腹もあるだろうがそれよりも精神的な疲弊が大きかった。
「はぁ…全く頑固なんですから。私は貴方のそういう所にも惹かれたのですがね。」
平然とそんな言葉を並べる英帝に吐き気がしてしまう。愛も劇薬になり得るという事をこんな形で知ることになるとは思わなかったな。
「…そうだ、こうしましょう!」
突然閃いたかの様に声を出す英帝に思わず少し意識を向けた。
…そのアイデアが最悪な物であると知らずに。
「一回無視をする度にお仕置きをするというのはどうでしょうか。それならお話してくれるでしょう?」
お仕置きという物騒なワードとは裏腹にキラキラとした笑みを向ける英帝。
ぞわぞわとした冷たい感覚を背筋に感じながら恐る恐る口を開く。久々に声を出したからか声はカラカラに掠れていた。
声になるかわからない空気を無理矢理捻り出す様に言葉を紡ぐ。
「……お仕置き?」
「!よくやく口を開いてくれましたか。そうです。お仕置きです。例えば…」
そういうと英帝は私の腕を掴んだと思ったら どこかから出した何かを思いっきり打ち込んだ。
あれは…釘だ。
「ぁ゛ッ…イ゛ッア゛ァァ゛!!!」
掠れた喉から痛々しい叫びが漏れ出す。
貫いた釘から虫が巣を這うようにどくどくと血が流れくる。本能が赤い警報を鳴らすような、そんな激痛が全身を巡る。
「これから私を無視する度に釘を一本ずつ打ちます。これで無視は出来ませんよね?」
意地悪をしている子供の様に無邪気に笑う英帝にこの上ない恐怖を覚えた。 どうしてそんな顔でこの様な残酷な事が出来るのか。
英帝の考えも行動も何もかも分からず、ただただ魂から雄叫びを上げる様な恐怖だけが心を埋め尽くしていく。
「さぁ!ここからが仲良くなる為の第一歩です。日帝さん。」
床に打ち付けられ動かない左手の代わりに右手を手に取り心底楽しそうに笑いかける。
「改めて、宜しくお願いしますね♡」
手の甲に接吻をして愛おしそうにそれを撫でる英帝を前に、私はただ、無気力に頷く事しか出来なかった。
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【愛の劇薬】 完