テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
闇の竜との戦いから数日――街は平和を取り戻したように見えた。
人々は伝説ランクZとなったユウキの噂を語り合い、都市の広場には彼を讃える声が広がっていた。
だが、ユウキ自身は落ち着かなかった。
「……妙だな」
ユウキは丘の上から空を見上げる。
肩に担ぐ黒い剣グラムは、わずかに震えていた。
『主よ……世界の魔力が乱れている』
グラムの声はいつもより重い。
背後ではドラゴンが翼を畳み、低く唸っている。
その黄金の瞳は遠くの空を見据えていた。
ミリアが近づいてくる。
「ユウキくん、やっぱり感じる?」
「うん。塔のときと似てる。でも……もっと広い」
カイルとレイナも合流した。
「各地のギルドから報告が来ている」
カイルが真剣な表情で言う。
「北の山脈、東の大森林、南の海岸――全部で魔物が暴れている」
「普通の魔物じゃないのよ」
レイナが続ける。
「魔導竜よ」
その言葉に、空気が一瞬止まった。
世界各地で起こる異変
世界地図を広げると、赤い印が無数に打たれていた。
魔導竜出現地点だ。
「こんなに……?」
ミリアが驚く。
「一体どこから湧いたの?」
ユウキは腕を組み、地図を見つめた。
「……塔だ」
「え?」
「試練の塔を突破したとき、古代魔法陣が開いた」
ユウキは思い出す。
あの瞬間、世界の魔力が一気に揺れた。
「もしかしたら、塔は封印だったのかもしれない」
カイルが静かに言う。
「魔導竜を封じるための」
レイナが顔を上げた。
「じゃあ、封印が弱まったってこと?」
ユウキはうなずいた。
「俺たちが倒すしかない」
第一の魔導竜
そのとき――
地面が震えた。
「来る!」
空を裂いて巨大な影が降下する。
翼の長さは城より大きい。
全身は黒紫の鱗。
目は血のように赤い。
魔導竜だ。
「グォォォォォ!!」
咆哮だけで衝撃波が発生し、地面が割れる。
街の人々が逃げ惑う。
ユウキは空へ飛び上がった。
「竜!」
背後のドラゴンが咆哮し、共に空へ舞い上がる。
伝説ランクZの魔導魔剣士と竜。
世界最強のコンビだ。
空中決戦
魔導竜は口を開いた。
闇のブレス。
黒い雷のようなエネルギーが都市へ落ちる。
「させるか!」
ユウキは剣を振るう。
「魔導融合斬!」
斬撃がブレスを真っ二つに切り裂く。
ミリアが炎魔法を放つ。
「フレアストーム!」
巨大な炎の渦が魔導竜の翼を包む。
カイルが光の矢を撃つ。
「ライトニングアロー!」
レイナが氷結界を展開する。
「アイスシールド!」
都市への被害を完全に防いだ。
ユウキの新たな戦闘スタイル
ユウキは竜の背に立つ。
「いくぞ」
ドラゴンが急加速する。
音速を超える飛行。
魔導竜の背後へ回り込んだ。
「今だ!」
「グォォ!」
竜の炎。
ユウキの剣。
二つの力が重なる。
「魔導融合斬――」
竜の魔力が剣に流れ込む。
「竜神連鎖斬!!」
光と闇の斬撃が魔導竜の体を貫いた。
「ギャアアアア!」
巨体が大きく揺れる。
だが――
倒れない。
「硬い……!」
カイルが驚く。
レイナが冷静に言う。
「普通の竜じゃないわ」
「古代兵器級よ」
魔導竜の本気
魔導竜の体が光り始める。
魔力が集中する。
「まずい!」
ユウキは直感した。
「大技だ!」
魔導竜が翼を広げた。
空が暗くなる。
黒い魔法陣が空いっぱいに広がる。
都市が影に覆われる。
「世界級魔法……」
ミリアの声が震える。
「このままだと街が消える!」
伝説ランクZの真の力
ユウキは深く息を吸う。
竜と完全に心を重ねた。
「竜……全力だ」
ドラゴンが咆哮する。
黄金の魔力が爆発した。
ユウキの竜化鎧が輝く。
「これが……」
剣が震える。
「伝説ランクZの力だ!!」
剣を掲げる。
世界の魔力が集まる。
「魔導融合斬――」
竜の炎。
光。
氷。
雷。
闇。
すべての属性が集結する。
「極・竜神破滅斬!!」
斬撃が空を裂いた。
魔導竜の巨大魔法と衝突。
世界が白く染まる。
次の瞬間――
爆発。
衝撃波が空を駆け抜けた。
魔導竜の体が崩れ落ちる。
「ギャアアアア!!」
巨体が地面に落ち、動かなくなった。
新たな脅威
静寂。
ユウキは地上に降りた。
ミリアが駆け寄る。
「ユウキくん!」
カイルが笑う。
「さすが伝説ランクZだ」
レイナも安心したように息を吐いた。
だが――
ユウキは空を見ていた。
「……終わってない」
遠くの空。
黒い影がいくつも飛んでいる。
ミリアが息をのむ。
「まさか……」
カイルがつぶやく。
「まだいるのか」
ユウキは剣を握る。
「いや」
ドラゴンが低く唸る。
「あれ全部、魔導竜だ」
空の彼方。
十体以上の影。
世界を覆う魔導竜の群れ。
ユウキは静かに言った。
「本当の戦いはこれからだ」
竜が咆哮する。
伝説ランクZの魔導魔剣士。
世界を守る戦いが始まろうとしていた。