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空を覆う影――それは一体や二体ではなかった。
遠くの空に見えていた黒い影は、次第に数を増やし、やがて誰の目にもはっきりとわかるほどの大群となっていた。
翼を広げた巨大な竜たち。
その体は闇の魔力で覆われ、赤く光る瞳が地上を見下ろしている。
「……あれ全部、魔導竜なの?」
ミリアが呆然とつぶやいた。
カイルが剣を握りしめる。
「十体どころじゃない……三十、いやそれ以上いる」
レイナの表情も険しい。
「完全に軍団よ」
ユウキは静かに空を見上げていた。
肩に担ぐ黒い剣グラムが低く震える。
『主よ……あれはただの魔導竜ではない』
「わかる」
ユウキは小さくうなずいた。
「あの魔力……誰かが操っている」
世界各地からの緊急通信
そのとき、カイルが持つ通信魔石が光った。
「ギルド本部からだ!」
魔石から声が響く。
『こちら中央ギルド!
北方王国が魔導竜に襲撃されています!
南の港町も壊滅寸前!
東の森林地帯でも魔導竜の群れを確認!』
ミリアが驚く。
「そんな……」
レイナが地図を広げる。
「世界同時侵攻よ」
ユウキは目を細めた。
「つまり……」
カイルが続ける。
「戦争だ」
魔導竜と人類の戦争。
それが今、始まったのだ。
迫る魔導竜軍団
空の大群が動いた。
魔導竜たちは隊列を組み、都市へ降下を始める。
その様子はまるで軍隊だった。
「統率されてる……!」
ミリアが言う。
「普通の魔物じゃない!」
先頭の巨大な魔導竜が咆哮する。
「グォォォォォォォ!!」
音だけで衝撃波が発生し、城壁が揺れた。
街の人々が逃げ惑う。
子供の泣き声。
兵士の怒号。
混乱が広がる。
ユウキは剣を抜いた。
「……行くぞ」
背後のドラゴンが翼を広げる。
黄金の竜だ。
魔導竜とは対照的な存在。
「グオォォ!」
ユウキは竜の背に飛び乗った。
Zランク魔導魔剣士の出撃
「ミリア!」
「任せて!」
ミリアが炎魔法を発動。
巨大な火柱が空へ上がる。
「フレアバースト!」
魔導竜の一体を直撃。
だが――
「効いてない……!」
カイルが光の矢を撃つ。
「ライトニングアロー!」
レイナが氷魔法を放つ。
「グレイシャルランス!」
攻撃は確かに当たる。
だが魔導竜の鱗は異常なほど硬かった。
「普通の攻撃じゃ倒せない!」
ミリアが叫ぶ。
ユウキは剣を構えた。
「なら」
竜の魔力が流れ込む。
「俺がやる」
空中大戦
ユウキと竜が急上昇する。
音速を超える速度。
魔導竜の群れへ突っ込んだ。
敵竜がブレスを吐く。
闇の雷。
炎。
毒霧。
無数の魔法が飛び交う。
空が戦場になった。
ユウキは叫ぶ。
「魔導融合斬!」
剣を振るう。
光の斬撃が空を走る。
一体の魔導竜の翼を切り裂いた。
「ギャアアア!」
巨体が墜落する。
だが――
まだ二十体以上いる。
魔導竜軍団の恐ろしさ
突然、魔導竜たちが円形に広がった。
「……何?」
レイナがつぶやく。
次の瞬間。
全ての魔導竜が同時に魔法陣を展開した。
空が黒く染まる。
「まずい!」
カイルが叫ぶ。
「合体魔法だ!」
三十体近い魔導竜の魔力。
それが一つに集まる。
巨大な闇の球体が形成された。
都市全体を飲み込むほどの大きさ。
ミリアの顔が青ざめる。
「こんなの……止められない」
ユウキは空の中心で剣を握った。
「いや」
竜が咆哮する。
黄金の魔力が広がる。
「止める」
ユウキの目が輝いた。
伝説ランクZの全力
「竜……力を貸してくれ」
ドラゴンの魔力が爆発する。
ユウキの竜化鎧が輝く。
鱗が黄金に変わる。
「これが……」
剣が震える。
グラムが語りかける。
『主よ……真の力を解放せよ』
ユウキは剣を掲げた。
世界の魔力が集まる。
「魔導融合斬――」
竜の炎。
光。
雷。
氷。
闇。
すべてが集まる。
「極・竜神天裂斬!!」
斬撃が空を裂く。
魔導竜軍団の巨大魔法と衝突。
世界が白く染まる。
そして――
大爆発。
闇の球体が砕けた。
魔導竜たちが吹き飛ぶ。
数体が墜落した。
しかし終わらない戦い
ユウキは息を整えた。
「……まだいる」
空にはまだ十数体の魔導竜。
そして。
さらに遠くの空。
新しい影が現れた。
それは他の竜より巨大だった。
翼の長さは山ほど。
体から溢れる魔力は桁違い。
ミリアが震える声で言う。
「……あれが」
カイルがつぶやく。
「魔導竜の王か」
巨大な竜がゆっくり口を開いた。
低く響く声。
「人間よ」
空が震える。
「我らに逆らうか」
ユウキは剣を握り直した。
「当然だ」
竜の王の目が光る。
「ならば滅びよ」
その瞬間。
魔導竜軍団が一斉に動いた。
世界規模の戦争。
その本当の幕が上がった。