「”好き”と気づいた場所で」
宿泊するホテルに到着すると、私が先、次に 晴(はる)さんがチェックインを済ませた。
「美穂(みほ)は部屋番号、何番?」
「私は1412でした。晴さんは?」
「俺は612だったよ」
確認し合い、客室フロアへ続くエレベーターホールへ歩き出す。
(612……。晴さんは6階なんだ)
なにも言われないし、そんなわけないと思うのに、どちらかの部屋に一緒に泊まるかもしれないという考えが、頭をちらついたまま離れない。
エレベーターが開き、中に入って晴さんが「14」のボタンを押す。
「6」のボタンは押さない様子から、鼓動がさらに大きくなった時、晴さんがこちらを向いて微笑んだ。
「美穂の部屋の前まで送るよ」
「……あっ、ありがとうございます」
咄嗟に笑い返したけど、内心「そうだったんだ」と、力が抜ける。
(そうだよね……。晴さんも自分の部屋があるし)***********************
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