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どうも!黄粉です!
カンヒュを描くのに慣れたら、実況者イラストを描くとき体は上手く描けるんですけど、顔と髪が悲惨なことになってしまうんですよね…
それでは!
スタート!
rd side
夜明け前。
王都の塔が、薄い霧に包まれていた。
負傷した肩を押さえながら、らっだぁは王立記録庫の奥へと進む。
冷えた空気の中、蝋燭の光が揺れている。
並ぶのは、王国のすべての罪と戦争の記録。
その中に、五年前の――“あの夜”の資料もあるはずだった。
指先に残る血の感触。
ぺいんとの剣が突き刺さった場所が、まだ熱を帯びている。
「……俺は、本当に……お前を殺したのか……?」
掠れた声が、石壁に吸い込まれた。
コンタミ「団長。」
静かな声。
振り向くと、コンタミが立っていた。
白衣の裾を引きずり、手には封印書を抱えている。
コンタミ「医務室を抜け出すなんて、らしくありませんね。」
「……眠れなかった。」
コンタミ「ぺいんとのこと、ですか。」
「奴は……何かを言いかけていた。“命令書”の話を。」
コンタミは一瞬だけ目を細めた。
だがすぐに、無表情に戻る。
コンタミ「その件なら、すでに私も調べています。」
コンタミ 「ですが、“反逆命令書”は王室の最高機密。閲覧には顧問の許可が必要です。」
「金豚きょーの、か。」
コンタミ「ええ。……ですが、もし真実を知りたいのなら。」
コンタミは懐から一枚の羊皮紙を取り出した。
封蝋には、王家の紋章。
だが、そこに刻まれた筆跡を見た瞬間――らっだぁの呼吸が止まった。
「……これは……俺の署名……?」
確かに自分の筆跡。
しかし、日付が――処刑の一日前になっている。
「俺はその日に、現地にいなかったはずだ……!」
コンタミ「ええ。記録では、北方の戦線に派遣中。署名できるはずがない。」
「つまり、偽造……誰かが、俺の名を使った……!」
らっだぁの拳が震える。
コンタミは、蝋燭の炎の向こうで静かに見つめていた。
コンタミ「団長。」
コンタミ 「あなたは“罪を背負う者”として英雄に祭り上げられたんです。」
コンタミ「 ――誰かにとって、都合のいい形で。」
「誰が……そんなことを……!」
答えはなかった。
だが、コンタミの目が一瞬、迷うように揺れた。
コンタミ「……王国は、正義を保つために嘘を必要とした。」
コンタミ「 ぺいんとを“反逆者”に仕立て上げたのも、そのためです。」
「じゃあ俺は……その嘘の剣を握っていたというのか……!」
コンタミ「団長、声を落として。ここには耳があります。」
沈黙。
記録庫の奥から、低い足音が響いた。
金豚きょー「……やはり、ここにいたか。」
その声を聞いた瞬間、空気が凍りつく。
扉の影から現れたのは、王国顧問――金豚きょー。
金糸の衣をまとい、獣のような目をしていた。
金豚きょー「らっだぁ。」
金豚「王国の記録に、許可なく触れるとは……立場を忘れたのかね?」
「許可? 俺は真実を確かめに来ただけだ!」
金豚きょー「真実? 真実とは、勝者が語るものだよ。」
金豚きょー「お前がぺいんとを斬った時、王国は“安定”を得た。」
金豚きょー「それがすべてだ。」
「……ぺいんとは、裏切っていなかった。」
「俺を、国を守るために動いていたんだろう……!」
金豚きょーは唇を歪め、低く笑った。
金豚きょー「信じたければ信じればいい。」
金豚きょー「だが……信仰も忠誠も、血で汚せば同じことだ。」
その目がらっだぁの肩の傷に向けられる。
金豚きょー「ふむ……ぺいんとに会ったな。」
金豚きょー「……あいつは、まだ怒っている。だが、俺は……」
「ならば、利用するのだ。」
金豚きょー「奴の怒りを、お前の贖罪に変えろ。そうすれば、王国は再び救われる。」
「……違う。」
「俺はもう、“王国のために殺す”ことはしない。」
一瞬、空気が張りつめた。
金豚きょーの目が細く光る。
次の瞬間、複数の兵士が暗闇から現れ、剣を抜いた。
金豚きょー「残念だ。」
金豚きょー「英雄が“真実”に辿り着いた時、王は不要になる。」
金豚きょー「……お前も、ぺいんとと同じ場所へ送ってやろう。」
らっだぁは即座に剣を抜き、構える。
肩の傷が開き、血が滲む。
しかし、その瞳には、五年前にはなかった確かな怒りが宿っていた。
「俺は、もう騙されない。」
刃が交錯し、記録庫の蝋燭が吹き消される。
暗闇の中、金属の音だけが響いた。
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その頃。
王都の外れ、廃墟となった教会の地下で、ぺいんとは膝をついていた。
黒い鎧の内側で、胸が焼けるように疼く。
金豚きょーから与えられた“呪印”が、彼の魂を蝕んでいた。
「らっだぁ……お前は、まだ気づいていないのか。」
仮面を外すと、そこには痛みと悲しみが混じる瞳があった。
拳を握りしめ、壁を叩く。
「俺を殺したのは、お前じゃない。」
「 だが……お前が信じた“王国”だ。」
外の風が吹き込み、雨の匂いが流れ込む。
遠くで鐘が鳴った。
それは――“蒼の王国”が、静かに崩れ始める音だった。
「正義を掲げた者ほど、真実に耐えられない………」
そう呟いたのは誰だったのか。
夜が明けるころ、ラッダリアの空は再び血のような蒼に染まった。
見てくれてありがとうございました!
次の話くらいで終わらせようと思っているんですけど、サムネ用のイラスト描き始めちゃって…
過去の自分を恨む…
なんとかして描き終わらせようと頑張ります!
それでは!
またね!
next♡800