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辛ラーメン食べた主です(美味かった)
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輝 「、、、、」
腹の虫には勝てず、輝はノロノロと階段を降りた。
リビングに漂う香ばしい醤油とニンニクの匂いが、鼻腔をくすぐる。
ダイニングテーブルには、山盛りに積まれた揚げたての唐揚げが鎮座していた。
ホークス 「お、時間通り。偉いねぇ、輝くん」
ホークスがエプロン姿でキッチンから現れる。手には千切りキャベツの皿。
輝 「、、なんだよその格好。焼き鳥が料理とか、共食いじゃねぇの」
ホークス 「ひどい言い草だなぁ。これでも自炊は結構得意なんだよ?
公安の食事ばっかりじゃ味気ないからさ。ほら、冷めないうちに座って」
輝は無言で席に着き、箸を取った。一つ、大きめの唐揚げを口に運ぶ。
サクッとした衣の中から、肉汁が溢れ出した。
輝 「、、、、普通。別に、普通、ほんとに、普通。」
ホークス 「お、手が止まってないね? 普通って言いながら三つ目に突入してるよ」
輝 「、、うるせぇ。死ぬほど腹減ってるだけ。あと、これ、味濃すぎ。血圧上がるだろ、クソ鳥」
文句を垂れながらも、輝の箸は止まらない。ホークスが作った料理は、
かつて父が生きていた頃の食卓を微かに思い出させるような、温かい味がした。
ホークス 「ふふ、たくさん食べなよ。明日の活力にね」
輝 「、、明日の活力とかいらねぇし、学校なんて、寝に行くだけだ」
夕食の後、輝はさっさと風呂を済ませた。熱い湯に浸かりながら、
昼間の苛立ちが少しずつ形を変えていくのを感じる。自室に戻ると、
ホークスに言われた「お父さんの遺したもの」という言葉が頭の隅で反芻された。
輝 「(、、、ったく、お節介なんだよあいつ、、、)」
髪も乾かさぬまま、輝は深い眠りに落ちた。
輝 「、、、ん、、」
アラームが鳴る前に目が覚める。一階に降りると、
リビングはしんと静まり返っていた。テーブルの上には、
書き置きと昨日の残りの唐揚げで作られたおにぎりが置かれている。
『急な任務が入っちゃった。朝ごはん、ちゃんと食べていくんだよ。
学校、いってらっしゃい! ――ホークス』
輝 「、勝手に行きやがって。まぁ、いねぇ方が清々するけど」
おにぎりを口に放り込み、輝は鏡の前に立った。 無造作な髪をさらに重く整え、
片方の目を完全に隠す。伊達眼鏡をかけ、背を丸めて猫背を作る。
187cmの強靭な体躯を、自信のなさそうな「クソ陰キャ」の殻に閉じ込める作業だ。
輝 「(よし。、今日も、適当にやり過ごそう)」
ガラッ、と静かな教室の扉が開く。 まだ誰もいない教室に、
輝は音を立てずに忍び込んだ。前から3番目の端の席。
輝 「、、ふぅ、、」
椅子に深く座り、机に突っ伏す。 この時間は、誰にも邪魔されない。
輝は眼鏡のツルを指でなぞり、
周囲の「ヒーロー」たちの気配が満ちる前の、冷たい空気の中に溶け込んでいった。
数分後。
飯田 「おはよう! 朝一番の登校、素晴らしい心がけだ!おや、日陰くんか。もう来ていたのか!」
扉の向こうから、クラス委員長の飯田天哉の張りのある声が響く。
輝 「、、、あ。、、お、おはよう、、ございます」
輝は顔を上げず、消え入るような声で答える。 瞬時に切り替わった「日陰輝」の仮面。
その奥に潜む、復讐心と暴力の火種を誰にも悟られないように。
輝 「(、、始まった。クソみたいな、一日が、)」
眼鏡の奥で、輝は冷たく笑った。
切島 「すげぇ! 本当にオールマイトだ!」
上鳴 「画風が違いすぎて鳥肌立つわ!」
芦戸 「銀時代のコスチュームだ!」
輝は机に突っ伏したまま、前髪の隙間から教壇を見据えた。
周囲のクラスメイトたちが目を輝かせて歓声を上げる中、
一人だけ冷めた視線を送り、伊達眼鏡を指先で少しだけ押し上げる。
オールマイト 「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作るため、様々な訓練を行う科目だ!
早速だが今日はこれ! 『戦闘訓練』!!」
爆豪 「戦闘!」
緑谷 「訓練、、、!」
オールマイト 「そしてそれに伴い、
君たちの入学前に提出してもらった『個性届』と『要望』に合わせて作られた、、これだ!!」
壁から次々と飛び出すコスチュームラック。
生徒たちのボルテージは最高潮に達するが、輝はそれを見て小さく舌打ちした。
オールマイト 「着替えたら順次グラウンドβに集まるように! 格好から入るのも大切だぞ、少年少女!!」
次々とヒーローコスチュームに身を包んだ生徒たちが現れる。
爆破を強調した爆豪、機能性を重視した飯田、そして、どこか既視感のある緑色のスーツを着た緑谷。
オールマイト 「おぉ、皆いいじゃないか! モチベーションが上がってくるね!」
その喧騒から少し離れた場所で、輝は自らの姿を鏡越しに確認していた。
黒い着物に、同じく黒い羽織。首元には白い包帯のような布を巻き、
口元を隠すように着こなしている。腰には、支給された訓練用の模擬刀。
輝 「、、、、」
麗日 「あ! 日陰くん、それ和服!? かっこいい! 渋いね!」
輝 「、、あ、あはは。いや、、そんな。ただ、これしか思いつかなくて、、」
声をかけてきた麗日に、輝は瞬時に「クソ陰キャ」の顔を作る。
目を泳がせ、猫背をさらに強調しながら、気まずそうに後ずさった。
オールマイト 「では、戦闘訓練の内容を説明しよう! 状況設定は、
ヴィランが建物内に核兵器を隠し、ヒーローがそれを回収、あるいはヴィランを捕縛するというものだ!」
飯田 「先生! 入試のようなロボット相手ではないのですか!?」
オールマイト 「対人だ! 実戦はいつだって対人! 二人一組のチームに分かれ、
ヒーロー組とヴィラン組で対戦してもらう!」
オールマイトがくじ引きの箱を取り出す。輝は、自分の名前が誰と組まされるのか、
あるいは誰と「殺り合う」ことになるのかを考え、右腕のデバイスを無意識に摩った。
オールマイト 「では、最初の対戦カードは、これだ!
Aチーム緑谷少年・麗日少女がヒーロー! Dチーム爆豪少年・日陰少年がヴィランだ!!」
爆豪 「、、、デク」
緑谷 「、、っ」
まだ誰も、この187cmの「無個性」が、
かつて血の海の中で笑っていた元犯罪者だとは、これっぽっちも疑っていなかった。
輝 「(うわ、最悪爆破野郎と一緒とか、、まぁ、
核を守っとけばいいか、寝よ、)」
2759文字。
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コメント
2件
勝手すぎる予想だけど、輝君かっちゃんと相性悪そうじゃね!?
爆豪となんかありそうな予感!!