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「ーーでさー!ーーがーーだったんだよねー!」
「ははっ、イタリアの話はいつも面白いな」
いつもの風景だ
「お前ら食い終わってからにしろ」
イタリアと私が談笑し、ナチが軽く注意してくれる
「はーい…」
「すまんな。つい盛り上がってしまった」
その時イタリアがしょぼくれた顔をするのもまた日常というものだ
そろそろ寝る時間だ
「おい二人とも、寝るぞ」
「わかったー!」
「わかった。」
最近、夢の中にいる時が憂鬱だ
ナチとイタリアが、私に話しかけてくる
「いつまでここに居る?」
うるさい
「現実を見なよ。君は死んだんだ」
うるさい
「ここは夢の中だ。いつまでも続くわけがないだろう?」
だまれ
「前のようにピッツァばっか考えてる僕はいない」
何も聞きたくない
「前のようにお前らに世話を焼く私はいない」
お前らの言葉なんて嘘だ
「もう一度聞くよ」
「「君はいつまで此処に居るんだい?」」
うるさい!!!!!!
ハッとした時にはすでに2時を回っていた
ナチとイタリアが横で寝息を立てている
全身が汗でぐちゃぐちゃだ
少し水を飲もうと、部屋を出て台所に行く
水を飲む。全身に染み渡った。水道水とはいえ飲めるのはありがたい
寝室に戻ろうと、鏡の前を通過しようとした
ふと、嫌な声が聞こえた
あの夢と同じ
機械のように淡々とした
ナチとイタリアの声
ぬらりとした恐怖が、足先から脳天までを支配する
足が全く動かない
鏡から目を離すことも許されない
腰が抜けたのか、その場にへたり込んでしまった
息が荒くなるのが分かる
視界もぼやけ始めた
まともに思考ができない
逃げたい
怖い
死にたくない
数々の感情が押し寄せてくる
そして一つ、一番強い感情は
この生活は現実だ
そう思うことにより、少しの安心感が奥底にあった
気づけば外が明るくなっていた
寝室の戸が音を立てて開く
ナチが来てくれた
これでなんとかなる
そう思っていた
「ここは現実じゃねぇぞ?夢見てんじゃねぇよ。」
「落ちこぼれが」
突然こんなことを言ってきたと思えば、首を絞めてきたのだろう。息が出来なくなった
「あ…あが…がはっ…」
息をしようと空気を吸い込み、吐こうとする
当然できないため、むせ返った
しばらく首を絞められた私は、意識が徐々に薄れ、消えていった