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不破視点
今日も生徒会の仕事で、俺は生徒会室へと足を運んでいた
扉を開けると、叶さんと葛葉、あきなが既に集まっていた
俺はとっさに身構える
いつもあきなは俺が入ってきた瞬間立ち上がり、すごいよってくるから
「……?」
〔あ、ふわっちやっほー〕
《おーっす》
『あ、こんにちは』
「ど、ども…?」
いつも通りだった
俺は席に座り、仕事に取り組む
〔あ、ねぇどっちかさ、今日提出のこのプリント持っていってくれない?〕
『俺がいきますよ!』
《〔え?一人で?〕》
二人が声を揃えていった
まぁ無理もない、いつもなら俺を無理矢理でも連れていくから
『俺をなんだと思ってるんですか!それに、先生に用事があるので!じゃあいってきまーす!』
そういってそそくさと生徒会室を出ていった
《…あいつどうしたんだ?》
「さぁ、今朝から少しおかしいです」
〔……ねぇ、ふわっち、その火傷ってさ、小学校の頃につけられたんだよね?〕
突然、叶さんがそんなことを言い出した
この火傷のことを知ってるのは軽音部、そしてあきな、叶さんだ
「…そうですけど」
〔その後輩の子って誰だった~とか覚えてる?〕
「…いえ、その後すぐ転校したらしくて、名前思い出せないです」
〔そう…〕
「…?」
叶さんはすぐに仕事に取り組み始めた
俺は不思議に思いつつも、再度、机に向かった
途中、あきなも帰ってきて、その後は4人ですぐに終わらせた
〔よし、じゃ上がろっか〕
『あ…お、俺予定あるんで先帰ります!』
《まじ?気をつけて》
「……」
『じゃ先に失礼します!』
あきなは靴箱をでるなりもうダッシュでいってしまった
やっぱへんだ
俺は2人とわかれたあと、あきなが少しおかしくなった日のことを思い出していた
翌日
「う”ぅ…」
朝起きるのがなんか気分にならなくて、ずっとベットの上で唸っていた
今日は休日で、軽音部での練習が入っている
文化祭は2日に分けられて行うらしく、ステージは2日目だ
俺は眠い目を擦りながら支度し、家をでた
でたところに、偶然ひばりがいた
ひばとは家が近い、ひばりが学校にいくときは毎回俺の家の前を通っている
〖あ!ふわっち!おはよー!てか一緒いこ〗
「おはよ」
2人で並びながらカラオケまでいき、そこでみんなとも合流する
「今日は、ここ?」
【ここむずいんよな… 】
ベースのチューニングをしながらローレンがいう
《でも文化祭までには間に合わせねぇといけんし》
{終わる気がしない}
〖~~~~♪〗
ひばりはもうマイクを持ち、歌い始めている
何回聞いてもいい歌声だと聞き惚れてしまう
何回かあわせ、少し間があいたときに、ローレンがとなりに座って話しかけてきた
【最近あの後輩君こないけど、ちゃんとなかいいの?】
「なかいいって…そんなんじゃないけどさ…まぁ、俺に飽きたんじゃない? 」
【そしたらショックだな、お前昼休みのたびに教室の扉眺めてんじゃん】
「うるせぇのがこなくて静かだなって」
〖ふわっちはあきなのこと好きなの?〗
「…さぁ?」
{とぼけた}
〖…じゃあふわっちは、あきなのことどう思う?〗
「うるさいやつ」
《……》
【正直すぎ、もうちょっと嘘つけよ】
「正直なぐらいがちょうどいいでしょ」
休日明けの学校から、あきなを学校で見かけることが減った
叶さんとひばり曰く、もうかれこれ1週間ぐらい学校を休んでいるらしい
そして、俺は叶さんに頼まれあきなの家にきていた
プリントを届けてほしいと
俺はあきなの家の前にたち、インターフォンをおす
それには応答しなかったが、中からバタバタと、騒がしい音が聞こえ出したかと思ったら、勢いよく玄関が開いた
『どちら様です、か…って不破先輩!?』
「うん、プリント届けにきたよ」
『え、え、まって俺なんも髪とかセットしてない完全寝起きですけど』
「めっちゃ寝癖跳ねてるもん」
俺が指摘すると、あきなは頭を手ぐしで整えた
『事前にいってくれたらよかったのに…』
「いついっても対応してくれるかなって」
『…』
「熱は?平気?」
『平気、です!写すわけにはいかないから、今日はここで…』
まただ、俺を避けようとしてる
いつもは目を合わせて話してくれたのに、最近は俺と話しているとき目は俺じゃないところをさ迷っている
あきながゆっくり閉じようとしてる玄関を俺は手で抑えた
『へ…不破先輩…?』
「…避けてるやろ?」
『…』
あきなはゆっくりと視線をおろし、そして再び俺を見た
『そんなわけないじゃないですか!
俺は不破先輩のこと大好きなんですから!』
また、初めて会ったときみたいな作り笑いを浮かべていた
「嘘やろ」
『え…? 』
「最近いつもそうやってはぐらかして、俺なんかした?」
『………そういうこと気にするんですね』
いつもより低い声であきなは答えた
『不破先輩、俺ら多分合わなかったっぽいです、ごめんなさい、こんなに振り回すようなことして』
「…なんそれ 」
『俺のこと嫌いなんでしょ?だったら嬉しいんじゃないですか?』
「それは…」
『あーじゃあ正直にいいますよ、俺はあなたを利用しようとした』
「…は」
『あなたといることで、自分の価値をあげようとしたんですよ』
…なにそれ、じゃあ俺のこと好きっていったのも全部…
「…なに、いって」
『最初から好きなんかじゃなかった』
「…」
俺がなにも言い返せずに突っ立ってると、さらに追い討ちをかけるようにあきなはいった
『じゃあ教えてあげますよ、あなたのその火傷、後輩をかばってできたらしいですね』
そんなことがいま関係あるのか、それをいいたくても声にはできなかった
『あの時助けてもらったのは感謝してます』
「…え、は…?」
どういうこと?それが頭のなかでぐるぐる回っている
『俺はあなたのお陰でいじめられなくなったし、縛られなくなった、ほんと嬉しいです』
あきなはゆっくりと口角を上げて、微笑んだ
『…失望したでしょ?いじめられてるとね、代わりができると嬉しいんですよ、解放感、あの時はほんとに』
「ッ!!」
俺は耐えきれず、あきなの胸ぐらを掴んだ
そして握りしめた拳を振り下ろし、寸でのところで止めた
「なんそれ…ふざけんでよ…」
目の前にいる少年はこんなことをされても冷たい目で俺を見てるだけだった
そして俺の手をほどいた
『…今度からあなたに関わるのもやめます、俺たちは今日から他人です』
『……ごめんなさい』
そう言い残して、家の中に入っていってしまった
取り残された俺の心には空っぽな空間ができていた
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