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『はぁっはぁっ』

『🍭!待ってください!!』

ずっと走り続ける。とっくに息切れしているはずなのに足を止めることは無い。こうしなきゃダメな気がするから。

無理をしてでも走り続けた。電車に乗らなければ行けない、次を待っていたら遅れてしまう。急がなければいけない…走って走って走り続けた。

(流月!て…る!)

幸いまだ間に合った。だが📚達を置いていってしまった。頭が真っ白になって何も考えれていなかった。

『ゲホッゴホッ…ヴ…ゲホッゴホッゴホッ…』

ゆっくり息を吐き、吸う。無理をしすぎたかもしれない、でもこうする他ないのだ。流月が消えるのだけは嫌だ。

『急がな……ケホッきゃ』

ピロン

📚達からの連絡だ。返信する気力など流れた汗とともに消えた。少し休憩しながらスマホで近道を探すしかない。

『はぁ、疲れた』

『失礼、ちょっといいかな』

聞き覚えのある声でそう言われた。低く穏やかな声知り合いにいてこんなにも憎たらしく聞こえる声は💉くらいだ。

『こんなぐーぜん嫌だなぁ』

『私は🍭君が見えたので乗りました』

『え、何それ故意的にやったの?』

『貴方は流月さんに会いに行こうとしてるのですね?』

『なんで知ってるの…そーだけど』

『前、失礼するよ』

『はいはい』

💉の顔は本当に真剣そうで何か言いたげだった。

『👑に急ぎたいならここに行って』

『あ、ホントだ』

💉は近道を知っていた。でもこれが本当に言いたいことではないことは俺にでもすぐ分かった。言ってもいいのかという迷いの顔。

『で、何か言いたいことあるんじゃないの?』

『あっ、えと』

💉は何かの箱を出してきた。とても小さくて中に何が入っているか分からない。開けようとした時💉はそれを止めた。

『それを開ける時は彼女が目を覚ましたか覚まさない時にしてくれ』

『なんでボクがジジイの言うこと聞かなきゃなんだよ』

『彼女の、願いだからだよ』

『……じゃあ仕方ないな』

流月のことならしょうがない、何か、大切なことだと分かるから。

愛し愛され両思いこんなにいいことは他にないだろう。俺は流月に会えただけで幸せだ。

〜数十分後〜

『では、』

『うん』

「急がなきゃ」と勝手に思い込んで走り出す。いや、実際急がなきゃだろう。

『はぁっはぁっはぁっ』

抜け道を通り抜け👑まで急ぐ、足は止まらない、走るんだ。

爪先は前に向けておく、立ち止まった次の1歩を間違えないように……!

〜数分後〜

『や、っと着いた』

『流月…流月…!!』

俺は急いで地下へ向かった。

ガタガタガタ ダッダッダ

『流……月?』

コポポポポコポポポポ

そこには愛おしの人がいた。

明らかに飴など舐めておらずポットに入れられているだけの状態だ。

『すぐに助けるからね』

この声は今届いているのだろうか?この想いは伝わってくれているのだろうか?

君のためなら届かなくても想い続けるよ

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