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それは、魔王を倒した勇者一行の「その後」の世界。
フリーレン、フェルン、シュタルクの3人が、深い森の中を歩いていた時のことだった。
「……フリーレン様、何かいます」
フェルンが杖を構え、警戒の声を出す。
茂みの先にいたのは、魔族でも魔物でもない、透き通るように美しい**「青いスライム」**だった。
「ふむ……。この魔力、ただのスライムじゃないね」
フリーレンは興味津々で近寄り、持っていた杖でリムルをツンツンとつついた。
「わっ、ちょっと待て! いきなり突っつくのはマナー違反だろ!」
スライムが喋った。しかも、ポヨンと跳ねて、あっという間に銀髪の美少年の姿に変化した。
「……人間になった。変身魔法? いえ、構成が複雑すぎて解析できません」
フェルンが驚き、シュタルクは斧を構えて固まっている。
「悪いな、驚かせて。俺はリムル。ちょっと次元の隙間に落ちてきた、ただのスライム……じゃなくて、魔王だ」
「魔王……? ヒンメルたちが倒した奴とは、雰囲気が全然違うね」
フリーレンは怖がるどころか、リムルの服の裾をめくって調べようとする。
「ねぇ、君。さっきの変身の原理、教えてくれたら『服が透けて見える魔法』をあげるけど」
「いや、そんな魔法いらないから! ……というか、あんたエルフだろ? 相当な魔力を持ってるな」
リムルが『智慧之王(ラファエル)』でフリーレンをスキャンする。
『告。対象:フリーレン。魔力制限(リミット)をかけていますが、推定年齢および魔力量は極めて膨大です』
「……へぇ、私の魔力制限を見抜くなんて。面白いね、リムル」
フリーレンの口角が少しだけ上がる。
その時だった。
森の奥から、数体の魔族が姿を現した。
「エルフと……見たことのないガキがいるな。皆殺しにしろ」
冷酷な魔族の言葉に、フェルンが攻撃魔法を放とうとするが、それより先にリムルが一歩前に出た。
「フリーレン、ここは俺がやっていいか? 挨拶代わりに」
「いいよ。お手並み拝見だね」
リムルは指をパチンと鳴らす。
「『暴食之王(ベルゼビュート)』」
次の瞬間、魔族たちが放った魔法も、彼らの肉体そのものも、巨大な影に飲み込まれるようにして、音もなく消滅した。
「……えっ。魔法を……食べた?」
フェルンが呆然とする中、リムルはケロッとして言った。
「よし、掃除完了。ところでフリーレン、あんたたちの旅、俺も混ぜてくれないか? この世界の魔法、興味あるんだ」
「いいよ。面白い魔法、たくさん集めよう」
こうして、歴史上最も「規格外」な旅の一行が誕生した。