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コナンside
「どう思う?…安室さん」
「すごい観察眼だなと思ったよ。」
「仕事柄目立てないってのも気になったんだよね…」
「ただの一般人では、ない気がするな…」
莉心さんが帰ってから、俺は思っていたことを安室さんに相談した。
聞いた感じだと、似たようなことを考えてたみたいだ。
彼女は何者か。見たこともなかった。
最近ここに来た人とかかな~、と頭を回転させていると、安室さんが声をかけてくる。
「あの人の戸籍を調べてくるよ。」
…お得意の公安の手、とか言うやつだ。
「君には、彼女の年齢とか…色々聞きだして欲しいんだけど。」
「分かった!」
「なにか分かったら教えてね。」
「それはこっちのセリフだよ。」
もう安室さんの前では何度も素を出したことがあるが、念の為、と小一っぽく猫を被っておく。
あの人の髪は銀色だった。
透き通るような髪の色。思わず見とれてしまった。
…目立ちたくないのだから、もうこの店には来ないだろう。ならどうやって彼女の正体を探ろうか。
その考えは、翌日、全て無駄となったのだが。
ー翌日ー
「え、あ、お姉さん!?」
まさかあんなことがあった後にまたここに来るとは思っていなかった。
彼女が注意深い人間なら尚更。
それとも安室さんみたいに正体がバレたとしてもここにい続ける必要でもあるのだろうか。
店にはもう来ないんじゃないか、という考えは安室さんも一緒だったようで、珍しくポーカーフェイスが少し崩れている。
「こんにちは。コナンくん、安室さん。
…また来ちゃった。」
その一言で安室さんは我に返ったようで、
「カウンター席でよろしいですか?」
といい、通常運転に戻っていた。
俺はチャンスだと思い、莉心さんの隣にちゃっかりと移動する。
「ねえ莉心お姉さん!ふたつ聞いてもいい?」
「…いいよ。何?」
「お姉さんが何歳なのかっていうのと、
なんのお仕事しているのかっていうの!」
莉心さんは少し考えたあと、
「…こらこら…女性に年齢なんて聞いたらダメだよ。」
と言われたので、笑顔で受け流されるのかと思いきや。
「今年で20。」
「…え?……いいの?」
「なぁに?聞いてきたのはそっちでしょう。」
と、案外すんなりと教えてくれて、心情を読ませない笑顔で笑っている。
「仕事は…そうね、」
「この人と同じかな。」
「え……」
莉心さんが指したのは安室さんだった。
「僕と同じ、ですか…
喫茶店か何かですか?」
「んーとね、」
すると莉心さんは安室さんになにか耳打ちしていた。
「…え、」
いつもポーカーフェイスの安室さんが目を見開いて
驚いている。
何を言われたのかすごく気になった。
莉心さんが帰ったら聞くことにしよう。
そう思いながら、俺は食べかけだったサンドイッチをまた黙々と食べ始めた。