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安室side
莉心さんが帰ってから、僕はコナンくんと少し話していた。
莉心さんがコナンくんの盗聴器に気づいた時は驚いた。
「なにか分かったら教えてね。」
「それはこっちのセリフだよ。」
もうただの小学生じゃないってことはわかってるから、わざわざ猫を被らなくても…と思ったが、僕も人のことを言えないな、と思い直し、考えるのを辞める。
その日は帰ってから莉心さんについて調べてみた。
おそらくコナンくんには気づかれてるであろう、公安の手で。
恐らく莉心さんはもうポアロは来ないだろう。
どう手を打とうかな…と考えていると、風見がこっちに向かって走ってきた。
「降谷さん!」
「分かったか。」
「それが…水篠莉心という人物は存在しなくて…」
「…は?」
「ま、間違いありません!戸籍もありませんし、
街にいる誰も彼女を知らないとのことです!」
…どういうことだ。
ますます怪しい。
もうポアロには来ないだろうから、今度OFFの日にでも彼女を探して、色々探ろう。
…そう考えていたのだが。
ー翌日ー
「え、あ、お姉さん!?」
…え?
コナンくんの言葉にぱっと反応して入口を見ると、
例の彼女が柔らかく微笑みながらたっていた。
「こんにちは。コナンくん、安室さん。
…また来ちゃった。」
その言葉に僕は我に返り、慌てて
「カウンター席でよろしいですか?」
と、いつも通り取り繕った。
注文されたものを作っていると、コナンくんと莉心さんの会話が耳に入ってくる。
年齢と職業を聞いてくれているみたいだ。
僕も仕事をしているふりをして、2人の話を聞く。
すると、彼女は今年で20になるということか分かった。
次に職業。実はこっちの方が気になっていた。
僕は先程よりも聴覚に集中して、聞いていると、
「この人と同じかな。」
「え……」
彼女は僕のことを指して言った。
コナンくんが驚いているのをよそに、僕は彼女に歩みよる。
「僕と同じ、ですか…
喫茶店か何かですか?」
率直に思ったことを聞くと、彼女は
「んーとね、」
と、少し迷う素振りを見せたあと、
僕に耳打ちをしてきた。
「…え、」
僕はそれを聞いて、ポーカーフェイスも忘れてただただ驚く。
でも直ぐにはっと我に返り、
「…何を言ってるんですか。」
と返す。すると彼女は、
「とぼけなくても知ってるって。
証拠だってあるし。…仕事大変だよね。」
と、証拠を掴まれている上に同情までされた。
これは…本格的に探らなくては。
僕の本性がそう言っている1日だった。