「う…うーん…。」
この世界に閉じ込められた殺人犯の一人が、目を覚ましたようだ。
「ここは…。」
その殺人犯は周りを見渡す。
自分以外にも、人がいるようだ。
「うーん…むにゃむにゃ…。」
本気で寝ている人もいれば、本気で気を失っている人もいる。
その殺人犯は、お構いも無しにその中の一人を叩き起こした。
「おいっ、誰だか知らないけど、起きろっ!ここは何処だ!」
「痛いなぁ…って!アンタ誰よ!」
「そりゃこっちのセリフだ!」
顔を合わせて間もない二人に、三人目の殺人犯が仲裁に入る。
「まぁまぁ、落ち着きなさんな。」
「「…はい…。」」
「いったい、ここは何処なの?」
どうやら、さっきの喧嘩で他の殺人犯全員起きてしまったようだ。
自分たちを含め12人__________
米国最悪の連続殺人犯と呼ばれた殺人犯。
気に入らない男どもを殺していった殺人犯。
誰かに造られた殺人犯。
赤ん坊の報酬を貰った後、赤ん坊を殺した殺人犯。
王族として振る舞いながら人殺しをした殺人犯。
毒で連続殺人を行った殺人犯。
殺鼠剤で夫を殺してあげた殺人犯。
女子高生をコンクリートで生き埋めにした殺人犯。
とあるファストフード店で見ず知らずの人を刺した殺人犯。
女性を1時間ほどストーキングし続けた挙句、そのまま殺した殺人犯。
母と娘の二人での共同殺人犯。
結構個性的な奴らだ。
一人の殺人犯が言った。
「我々らの力を合わせて、この世界から脱出しないか?」
勿論、全員頷いた。
それと同時に、全員こう考えていた。
「力を合わせるはずがない。」
「全員殺してやる。」
「そしてこの私だけがこの世界から脱出してやる。」
自分だけ生き残ろうとしているのだろう。
…どうやら、一人だけ、違う考えを持っているようだ。
其奴だけは、自分以外の殺人犯が殺されることを知っている。
その自分の欲求だけを満たしたそうな狂気の瞳は、獲物を選ばない。
この世界に殺人犯らを招待したのは其奴なのだから。
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