テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
気づけば、日はすっかり暮れていた。
遊園地の中央通りに戻ったじゃぱぱの前で、
突然、ライトが一斉に灯る。
ぱあっと。
まるで星が地上に落ちてきたような光景だった。
色鮮やかな光が通りを照らし、
音楽が鳴り始め、
花吹雪が空から舞い落ちる。
――パレードだ。
「……すげぇ……」
思わず立ち止まったそのとき。
「ほら、始まりますよ。じゃぱぱさん。」
聞き覚えのある声が、
背中を押すように響いた。
「……るな?」
振り返ると、
光の粒の中から姿を見せたのは――
るなさんだった。
月みたいな銀色の光に包まれていて、
まるで夜空から降りてきたみたいだった。
「よくここまで来ましたね。
みんなを探して……ちゃんと見つけて。」
「……いや、俺は……
ただ、皆を迎えに行っただけで。」
「迎えに、ね。」
るなさんは少し笑う。
どこか優しい、でも何か知っているような笑み。
「じゃぱぱさんって、
誰かのために動く時だけ、
一番“らしく”なりますよね。」
「……そう?」
「そうです。」
短く断言して、
るなさんはゆっくり歩きだした。
「来てください!パレード、近くで見たほうがいいので!」
通りの端。
パレードの行進がすぐ目の前に見える場所で、
じゃぱぱはるなさんの隣に並ぶ。
音楽が高まり、
光のフロートが進み、
笑顔のキャストたちが踊る。
夢のように明るい。
美しくて、賑やかで、
これ以上ないほど楽しいのに――
ふと、違和感が胸に刺さった。
「……るな。」
「なんですか?」
「……最初から全部、知ってただろ。」
るなさんの横顔は、
パレードの光に照らされてきれいだった。
「……はい。
みんながどこにいるかも、
どうして迷ったのかも。」
「じゃあ――なんで教えてくれなかったの。」
問い詰めるような声になってしまった。
すると、るなさんは穏やかに微笑む。
「だって、じゃぱぱさんが迎えに行かないと、
みんな“帰れなかった”から。」
「……俺じゃなきゃ、ダメだったのか?」
「はい。じゃぱぱさんじゃなきゃ、ダメだった。」
その言葉に胸が熱くなる。
「みんな、忘れてたんですよ。
じゃぱぱさんと過ごした、
大事な大事な“現実の記憶”を。」
「……っ」
「でも。
じゃぱぱさんが会いに行って、
話して、触れて、思い出して……
そのおかげでみんな、帰る場所を思い出した。」
るなさんは前を向いたまま続ける。
「じゃぱぱさんがいなかったら、
みんな、この“遊園地の記憶”に閉じ込められたままだった。」
パレードの光が、胸の奥まで染み込む。
「……じゃあ、るなは?
るなは、どうなるの……?」
るなさんは小さく目を閉じた。
「るなも……戻らないと。
みんなのところへ。」
「……帰れるの?」
「じゃぱぱさんが迎えに来てくれたから。
るなもちゃんと、帰れますよ。」
そう言って、ゆっくりこちらを見る。
その瞳は、どこか寂しそうで、どこか嬉しそうだった。
「ねぇ、じゃぱぱさん。」
「なに、?」
「最後に一つだけ、お願いしていいてですか?」
「……おう。」
るなさんは、ほんの少し近づいて言った。
「るなのことも……忘れないで。」
「忘れるわけないよ。」
即答だった。
迷わなかった。
「るなが全部見ててくれたことも、
みんなを繋いでくれたことも、
一番最後まで残って待っててくれたことも――
忘れようがないよ。」
るなさんは驚いたように目を見開き、
そして、ゆっくり笑った。
「……うん。
やっぱりじゃぱぱは、ずるいですね。」
その体が、薄く光り始める。
「るな……!」
「大丈夫です。
みんなのところへ戻るだけなので。」
光が強くなる。
パレードの音楽が最高潮に達する。
「じゃぱぱさん。」
「なにっ、!」
「迎えに来てくれて……
本当に、ありがとうございました。」
「当たり前だろ!!」
光がはじけた。
るなさんの姿は、
星屑みたいに散って、消えた。
残ったのは、
夜空に舞う花吹雪だけだった。
パレードは、まだ続いていた。
でもじゃぱぱの胸には、
確かな温かさだけが残っていた。
――みんな、きっと帰れた。
そう思えた。
遊園地の光が遠くへ消えていく中、
じゃぱぱは静かに目を閉じた。
「……また会えるよな、みんな。」
夜風が、優しく答えた気がした。
コメント
7件
最近忙しくて見れなかった、、 もうすぐで終わるのかな、、泣やだぁぁ! イラストまだ完成してない、、泣
これでほんとに最終回なんですね… 寂しいですけど、完結したのも嬉しいです!! 完結おめでとうございます🥳
うわー!!とうとう最終回なのかな?!寂しいけど楽しみ!!