さっきからずっと不機嫌オーラ全開のおれのお姫様。
 家に帰って来てから一言も話さないし、目も合わない。
まあ、その前から様子はおかしかったんだけど。
 
 「ねえ、おれなんかした?」
 せっかく同じ空間に二人きりで居るのに、
ずっと気まずい空気も嫌だから意を決して聞いてみたけど、返事はなし。
 でも、この2人掛けのソファーには一緒に座ってるんだよな…
めちゃくちゃ端っこで小さくなってるけど。
 そんな姿も可愛いなんて思ってしまい、少しニヤケそうになる。
同い年のはずなのに、小さい子供に見えてしまうのはなぜなんだろうか。
 
 「……ニヤけてんじゃねーよ。」
 バレた。
慌てて口元を隠す。
 「浮気もの。」
 
 え?!浮気ものとは?!
あまりにも意外なセリフに頭がフリーズする。
 今日一日の出来事を思い返しても、思い当たる節が全くない。
 ただ一生懸命仕事をしていて、
そこにはもちろん元貴も居た訳で。
 浮気する隙なんかなかったし。
てか…
 「浮気なんかしてないし!」
 
 端っこで小さくなってる元貴の肩を掴んで、そっぽ向いてる顔をこちらに向かせる。
 少し口を尖らせている顔と一瞬目が合った。
 
 「したもん。」
 完全に拗ね拗ねモードだ。
 なにをもってして浮気者と言われてるかは謎だけど、
そう思ってると言う事は、おれの事が好きだからで、
状況とは裏腹に嬉しくなってしまう自分が居る。
 
 「今日ずっと一緒に居たじゃん。いつ浮気なんかするのよ。」
 「……」
 「言ってくれないと分からんし。」
 「……」
 「はあ〜、もういいよ。」
 ちょっと意地悪してみたりして。
 呆れました風を装いソファーから立つと、
くいっとシャツの裾を引っ張られた。
 
 「…涼ちゃんと…手合わせてたじゃん。」
 なにこの可愛い生き物。
 てか、涼ちゃんと手合わせてたってなんだ?
 もう一度今日一日を振り返ってみる…
 
 「ぁえ?ハイタッチのこと?」
 確かに、撮影の時に涼ちゃんと盛り上がってハイタッチしてたけど…それの事?
 
 「すごい仲良さげだったの…なんかイヤだったの。」
 あー、ヤバい。
可愛いすぎない?
襲ってもいいですか?
 
 
 ちゅっ
 
 
 「?!?!」
 びっくりした顔でおれの事を見る元貴。
なにすんだ!とでも言いたげな顔をしてるけど、そんな事は知らない。
 
 「涼ちゃんは仲間だし友達だからハイタッチぐらいするけど、キスするのは元貴だけだよ?」
 そう言って、もう一度キスをする。
今度は少し深めに。
 
 「…っ、ちょっと!ぼく怒ってるんだけどっ。」
 慌てておれの事を引き剥がして、 少し睨みながらそう言ってきたけど、
耳は赤いし、唇も美味しそうに濡れていて…
 「元貴はほんと煽るのが上手だよね。」
 「は?ちょっ、煽ってなんかないし!」
 
 おれのスイッチが入った事に気づいたみたいだけど、もう遅い。
ジタバタする元貴を組み敷いて、ソファーに押し倒す。
 
 「おれがどれだけ元貴の事を好きか分かってもらわないとね?」
 明日も朝早いけど、仕方ないよね。
嫉妬なんて可愛い事する元貴が悪いんだからね。
コメント
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