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おおうおおう。結構揺れるなこの馬車。まーしかたがないよね、王が乗るわけじゃないんだから。空を飛んでいくっていう手もあるけど大人数にバレたら面倒臭いし、なんでも笑い疲れたwww
アックレット・ソレンまで数日かかるらしい。それまで付き添いのベテラン冒険者が守ってくれるのだが、勇者失踪中(笑)の今、あの魔物が襲ってきたらどうすんだろ。
「俺も一応冒険者だし、守ってはやるか…」
でも、戦いたくないから『勇者』という称号から逃げてきたんだよな…。やっぱり冒険者やめとこうかな…
いや!1度決めたんだ、今更かえられん!依頼も魔物討伐を選ばなかったらいいんだし、大丈夫だろ!
「(男に二言はない!)」
「魔物だ!!お前ら構えろ!」
え?いきなり?
ちなみに森へ入ってから1時間も経っていない。普段この森は討伐初心者が向かうかなり安全な所なのだが…
「コボルト?」
「いや、デカすぎる!」
あーそれコボルトとドラゴン混ざった異種ね。結構力強いし、空も飛べるから厄介だったな。冒険者諸君、討伐できるのかい?
「うおおおおぉ!!!」
俺(勇者)が居ないだけでこんなに出やすくなるんだね。びっくり(笑)。という事は中々ギリギリだったんじゃないか?他にも沢山いそうだ。
「くっ、なんだこの力は?!」
「矢が通用しないわ!」
「魔法を付与してやってみてくれ!俺達ができるだけ奴を止める!」
がんばれー。
「なっ、まだ仲間がいたのか?!」
ぞろぞろと出てくる異種のコボルトはざっと見ただけで数十体はいた。流石に冒険者達だけではキツイな。
…………あれ?このルートってずっと森に進んでいくやつだよね?危なくね??
加勢するか?でもなぁ…ん〜…。まぁ人間は混ざってない異種だし、
────────いけるか。
「そこの冒険者!加勢する!」
「助かる!」
「俺たちが隙を作るからその間に…」
「《斬撃》」
ザシュッ、と一撃で仕留めた俺は、
「え?なんか言った?」
と、少し間抜けずらして振り返った。
「い、いや……」
「残りも倒しちゃうね」
冒険者達が驚いている中ズバズバと切っている俺は、ひとつ思ったことがある。『あ、これ、王達助かってね?』と。
俺の本来の目的はズバリ魔物討伐(雑用係)をサボることだ。なのに、今魔物と戦っている。あらあらまあまあそら大変(?)。
「よし。だいたい片付けられたな」
「あんた…何もんだ?」
「ん?ああ、俺は黒。冒険者登録をしにこの馬車に乗っている」
「まだ冒険者じゃないのかよ、」
「この強さじゃ、Cランク確定ね」
そりゃどうも。
「それより、さっきの魔物みたいなのが今後も出てくるとなるとかなり危険だよな?どうする?」
「そうだな…」