テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
放課後。
部活動も終わり、生徒がほとんど帰った頃。
rbrは今日も鍵を閉めながら校舎を歩いていた。
その時。
ダン……ダン……
体育館からボールの音が聞こえる。
rbr「まだ誰かおるんか?」
体育館の扉を開ける。
すると、広い体育館の真ん中で、shaが一人だけシュートを打っている。
部活じゃない。
ゴールは一つ。
ただ、同じ場所から、何度も。
shaは一度もシュートを外さなかった。
その様子をしばらく黙って見ていた。
ただ、声はかけなかった。
すると、その時shaがこちらに気付いた。
sha「……先生」
rbr「仕事終わらへんから気分転換に来ただけや」
sha「教師って大変なんやな」
rbr「ほんまに大変やで」
そう言いながらボールを拾ってshaに返す。
その時。
シュートが大きく外れて、ボールが自分の足元へ転がって来た。
拾って返そうとして、何となくそのまま一本だけ打つ。
……………。
入らない。
shaが小さく笑う。
#介護
かいてん
179
43
sha「先生下手やな」
rbr「うるさい」
もう一本。
また外れる。
三本目でようやく入った。
思わずガッツポーズをしてしまった。
それを見たshaが呆れた顔をしていた。
sha「大人気な」
rbr「入ったからええねん」
そう言うとshaが少しだけ笑ってくれた。
そのあと。
二人で体育館を出て、外にあるベンチへ座る。
静かだった。
その時、唐突にshaが質問をしてきた。
sha「先生」
rbr「ん?」
sha「教師って、楽しい?」
すぐには答えられなかった。
空を見て、少し考えて。
rbr「楽しい日もしんどい日もある」
rbr「でも………、誰かが笑ってくれる時は、続けてよかったって思う」
sha「そっか」
sha「先生、教師向いてるな」
rbr「嬉しいこと言ってくれるやん、ありがとう、sha」
帰る時間。
体育館の電気を消す。
外へ出る。
夕焼け。
空がオレンジ色。
shaが歩きながら言う。
sha「……先生」
rbr「ん?」
sha「また、暇やったらこうやって付き合ってくれる……?」
rbrが少し驚く。
それから笑う。
rbr「今度は勝つ」
sha「それは無理」
二人で少し笑う。
あの後shaと別れ、一人で職員室へ戻った。
机に座る。
さっきshaが笑ってくれたことを思い出す。
小さく笑う。
でもその直後。
今日提出された生活アンケートを見る。
そこには。
shaの紙だけ、全部空白。
rbrはペンを置く。
rbr「……まだ、全然やな」
翌日。
授業を受けて。
昼休みになって。
また授業が始まって。
教室にはいつも通り笑い声が響いていた。
一日は、何事もないように過ぎていったと思われていた。
その中で、shaは相変わらず机へ突っ伏して過ごしていた。
昨日みたいに体育館へ行くこともなく。
先生とも、朝の出席確認以外ほとんど話さなかった。
それでも。
ホームルームが終わり、生徒達が次々と帰っていく中、shaだけは席を立たなかった。
窓の外は、少しずつ茜色から紺色へ変わっていく。
教室は静かだった。
廊下から聞こえるのは、部活動へ向かう足音くらい。
shaは頬杖をついたまま、ぼんやり外を眺めていた。
制服の袖口から覗く手には、小さな擦り傷が増えている。
それでも本人は気にした様子もなく、ただ時間だけが過ぎていった。
一方、その頃。
rbrは職員室で書類をまとめていた。
時計を見る。
午後六時前。
rbr「……今日も終わらんなぁ」
小さく伸びをして席を立つ。
校内の見回りと施錠も兼ねて、校舎を歩き始めた。
夕方の校舎は静かだ。
昼間とは別の場所みたいに、物音一つしない。
一つずつ教室を確認しながら歩いていると、不意に見慣れた教室で足が止まる。
窓際、一番後ろの席。
夕焼けに照らされた机。
そこに、一人座っている生徒がいた。
rbrは思わず苦笑する。
rbr「……またおるんか」
教室の扉を開ける。
ガラッという音に、shaがゆっくり顔を上げた。
一瞬だけ目が合う。
それから。
shaは少しだけ肩を竦めた。
sha「……先生もやん」
その返事に、rbrは目を丸くした。
思わず笑ってしまう。
rbr「まぁ、仕事があるからな」
たったそれだけの会話。
でも、ちょっと前なら返ってこなかった言葉だった。
rbr「今日は体育館ちゃうんやな」
sha「……気分」
rbr「そっか」
それ以上聞かない。
沈黙が流れる。
でも、不思議と気まずくはなかった。
窓から入る風が、カーテンを揺らす。
夕焼けはもう薄紫色へ変わり始めていた。
その時だった。
shaが机から立ち上がる。
鞄を持とうとして、袖が少し捲れた。
赤黒い痣。
細かい擦り傷。
昨日より増えていた。
rbrの表情から笑みが消える。
rbr「……sha」
呼ばれて、shaが振り向く。
rbr「腕、見せてくれん?」
shaは反射的に袖を引っ張った。
sha「あー……」
誤魔化そうと笑う。
sha「昨日転けてさ」
rbr「昨日?」
sha「あー、やっぱ今日かも?」
自分でも苦しい言い訳だと分かっているのだろう。
視線が泳いでいた。
rbrは何も言わない。
責めるような目もしない。
ただ、小さくため息をつく。
rbr「保健室、行くか」
少しだけ間が空く。
sha「面倒だからいい」
小さく返されたその一言。
rbrは少しだけ困ったように笑う。
rbr「ん〜、じゃあここでやるか」
sha「……え?」
rbrはそのまま教室を出て行く。
数分後。
小さな救急箱を片手に戻ってきた。
机の上へ、ごとり、と置く。
shaは目を丸くした。
sha「……ほんまに持ってきたん」
rbr「言ったやろ」
そう言って椅子を引き、shaの隣へ座る。
救急箱を開き、消毒液とガーゼを取り出した。
rbr「ほら、腕」
shaは少しだけ嫌そうな顔をする。
それでも、ゆっくり袖を捲った。
昨日より増えた擦り傷、そして痣。
rbrは何も言わない。
ただ、静かにガーゼへ消毒液を染み込ませた。
そして。
そっと傷へ当てる。
sha「っ……!」
思わず肩が跳ねる。
rbr「あ、ごめん」
sha「……しみる」
rbr「それはしゃーないやん、当たり前や」
sha「もっと優しく出来へんの」
rbr「十分優しい方やと思うけど?」
shaは少しだけ不満そうに口を尖らせる。
その様子が少し可笑しくて、rbrは小さく笑った。
教室には、窓から吹き込む風の音だけが流れる。
しばらく無言のまま手当てを続けていた、その時だった。
rbr「あ、そういや今日な」
sha「?」
rbr「職員室でコーヒー盛大にこぼしてもうて」
sha「え……何してんの」
rbr「しかも提出前のプリントの上」
sha「え、最悪やん」
rbr「せやろ?もう終わったと思ったわ」
sha「それ、怒られた?」
rbr「ちょっと怒られた」
shaは少しだけ目を細める。
sha「へぇ〜、先生でも怒られるんや」
rbr「当たり前やろ」
sha「なんか意外」
rbr「何やと思っとったん」
sha「……怒る担当で怒られない役割の生き物??」
rbr「なんやその生き物」
思わず二人とも小さく笑う。
その笑い声は、夕方の静かな教室へふわりと溶けていった。
rbrは新しいガーゼへ貼り替えながら続ける。
shaは窓の外を見ていた。
rbrはその横顔を見ながら、何も言わず最後のテープを貼る。
rbr「よし」
shaは腕を見下ろす。
さっきまで赤く滲んでいた傷が、白いガーゼで隠れていた。
rbr「これで終わり」
救急箱を閉じながら立ち上がる。
shaもゆっくり席を立った。
しばらく腕を眺めていたが、不意にぽつりと呟く。
sha「……どーも」
その声は、本当に小さかった。
でも、rbrにはちゃんと届いていた。
rbrは少しだけ目を丸くして、それからいつものように笑う。
rbr「どういたしまして」
教室に、また静かな風が吹き抜ける。
窓の外では、夕焼けがゆっくりと夜へ変わり始めていた。
教室を出た後。
shaは誰とも話さず、静かな廊下を歩いていた。
腕に貼られた白いガーゼが、制服の袖口から少しだけ覗いている。
夕方の校舎は、もうほとんど人がいない。
窓の外では、部活動の掛け声が風に乗って遠く聞こえていた。
階段をゆっくり降りる。
一段、一段。
足取りは重かった。
玄関へ向かう途中、ふとガーゼへ触れる。
指先に当たる柔らかな感触。
さっき先生が貼ってくれたものだ。
少しだけ苦笑する。
sha「……ほんま、お節介やな」
誰にも聞こえないくらい小さく呟く。
でも、不思議と嫌ではなかった。
そのまま校門を出る。
夕焼けはもうほとんど消えて、空は薄暗くなり始めていた。
住宅街へ続く道を歩きながら、shaは無意識に今日一日を思い返す。
先生と話したこと。
笑ったこと。
手当てをしてもらったこと。
そして──
腕の痛み。
その瞬間。
頭の奥へ、昼間の光景が蘇る。
昼休み。
チャイムが鳴ってすぐ。
shaは人気のない渡り廊下を歩いていた。
購買へ行く気もなく、ただ静かな場所を探していただけだった。
その時だった。
「おーい。」
後ろから声がした。
振り返る。
見慣れた男子生徒が三人。
教室で、いつも笑っている奴らだった。
shaは小さく息を吐く。
……面倒やな。
そう思った時には、もう遅かった。
一人が肩へ腕を回してくる。
「最近先生と仲良しらしいじゃん」
笑いながら言う。
shaは無言だった。
返事をしない。
それが気に入らないのか、もう一人が制服の袖を掴んだ。
「え?無視?」
ぐい、と腕を引かれる。
身体が少しよろけた。
「あ、もしかして先生にチクるん?」
shaは首を横へ振る。
sha「……するわけないやろ」
その一言に、三人は顔を見合わせる。
「ならええけど」
笑い声。
でも、それで終わらなかった。
「今日もだからな」
そう言われた瞬間。
腕を強く掴まれた。
指が食い込む。
痛い。
でも、声は出さない。
出したところで、誰も来ない。
昼休み。
この渡り廊下へ来る生徒なんて、ほとんどいない。
「最近ちょっと調子乗ってるからさ〜?」
「ほんとそれな?結構キモいわ」
誰かが笑う。
そのまま背中を軽く押された。
バランスを崩す。
壁へ肩をぶつける。
鈍い痛み。
shaは俯いたまま何も言わない。
ただ時間が過ぎるのを待つ。
反抗しなければ、そのうち終わる。
昔から、それだけは知っていた。
もう一度肩を押される。
制服を引っ張られる。
腕を掴まれたまま壁へ押し付けられる。
痛い。
でも、声は出さない。
笑い声だけが廊下へ響いていた。
どれくらい時間が経ったのか分からない。
「……なんか飽きたわ」
誰かがそう言って、ようやく腕が離された。
最後に制服を軽く払われる。
笑いながら去っていく足音。
静かになった廊下へ、一人だけ残された。
shaはゆっくり袖を下ろす。
赤く残った指の跡。
小さな擦り傷。
……これくらいなら、大丈夫。
誰にも気付かれない。
そう思っていた。
sha「……気付かれたけど」
現在、夜道を歩きながらshaは小さく笑う。
先生は、本当に変な人だ。
袖が少し捲れただけで。
普通なら、気付かない。
気付いても、見て見ぬふりをする。
なのに、あの先生は違った。
shaはガーゼにそっと触れる。
少しだけ温かい気がした。
sha「……せめて、学校のことだけは先生に知られたくないなぁ」
家のことは、もう見られてしまった。
でも。
学校まで知られたら。
先生はきっと、止めようとする。
助けようとする。
だから知られたくない。
……これ以上、優しくされたら、甘えてしまいそうだから。
shaは小さく目を閉じる。
それ以上は考えないようにして、またゆっくり歩き出した。
コメント
2件
少しずつrbr先生の目の前では素のshaちゃんが出てる気がします 学校では皆んなと距離があって 家では邪険に扱われてて rbr先生の優しさが唯一の救いなんだと思いました 投稿お疲れ様です! 今回も心に沁みる一話でした!
ああ、この話、めっちゃ刺さるわ…。 体育館の静かな空気、shaの小さな笑い声、rbr先生のさりげない優しさ。全部が生々しくて、読んでて胸がぎゅっとなった。 特に「せめて学校のことだけは先生に知られたくない」ってshaの内心、切なすぎるよ…。 傷の手当てをしながらコーヒーこぼした話で笑わせるところ、先生の距離感が絶妙やった。 続き、気になる。先生、絶対にshaのこと放っておかないでほしい。