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✿紫視点
「何なんだよ、あっとのやつ・・・」
「なんかあっちゃんの様子変じゃなかった?」
「え?」
変・・・まぁ確かにいつものあっとらしくはなかったような・・・
面と向かって、ましてやあんな言い方で人を傷つけるような事を言う場面は初めて見た
「あっちゃん・・・体調悪かったとか・・・?」
「・・・!そういや最近まともな睡眠取ってないみたいな事言ってたかも・・・」
「絶対それじゃん・・・!大丈夫かな?外雨降ってるよね?傘持ってたのかな・・・」
店に来る時は曇り空だったが
今は結構強めな雨が降っている
傘を持ってなかったとしたらあっとは、この中びしょ濡れになりながら帰宅したことになる
ただでさえ体調が悪い時にそんな事したらー
「けちゃおごめん!俺あっとのこと探してくるわ!」
「僕も行くよ!」
「・・・いや、俺に任せてほしい」
「・・・まぜち・・・」
「あっととちゃんと話して謝りたいからさ
あ、飯代ここ置いとくな!じゃまた連絡する!」
けちゃにそう伝えると俺は店を出る
念の為傘を持ってきて良かった・・・
ブー・・・ブー・・・
ん?スマホが鳴ってる?
ぷーのすけから?こんな時に何なんだ・・・
「何だよ、今忙しいんだけど」
『忙しい?けちゃと飯食ってるんとちゃうのん?』
「・・・何で知って・・・いや今はあっとの家に行こうと思って店出たとこだよ」
『・・・ふぅん・・・じゃあ俺の家来たらいいわ』
「何でお前の家?・・・・・・あっと居んの?」
『声が怖いぞーw』
「・・・今から行く」
『待ってるわ』 ブツッ
なんであっとがぷーのすけの家に?
たまたま会ったのか?それとも自分から向かった?
・・・あの時のあっと・・・泣きそうな、傷ついたような顔してたな・・・
今ちゃんと思い返せば何だか余裕のなさそうな
感じだった・・・なのに俺は責める言い方しちゃったなぁ
俺はぷーのすけの家に向かうべく 足を進めた
✿緑視点
まぜ太との電話を終えて あっとに向き直る
「あっと、もうすぐまぜ太がここにくる」
「え?まぜが?何で・・・」
「一応まぜ太とけちゃが心配してるかもって思ったからさ連絡だけしようとしたんやけど」
「・・・?」
「なんやまぜ太があっとに会いたがってたから呼んでしもたわ」
「!!そう・・・なんだ・・・あっ怒ってなかった?」
ほんの少し嬉しそうな顔した後、慌てたように
俺に尋ねる
「あー・・・まぁまぁ」
「・・・まだ怒ってたんだ・・・そりゃそうか、俺謝りもせずに逃げてきちゃったもんな・・・っ」
再び泣き始めてしまったあっと
体調の悪さと現状が相まって涙腺が緩んでるな
「ちゃうよ!あいつが怒ってたのは俺に対して!」
「ぷりに・・・?何で・・・?」
「あっとが俺の家におるのが面白くないんやろうなあ」
あっとは心底分からなさそうな顔をしながら
首を傾げている
「気持ち・・・伝えてみても良いんかもな」
「え?でも、そんな事したら多分・・・俺引かれるよ?今までみたいに活動もできなくなるかも」
「・・・その可能性はまぁ否めんよな」
「でしょ?だから無理だよ」
どうにか上手いこといって欲しいとは思うけれど
そんな簡単にはいかないか
ピンポーーン
「!」
「まぜ太来たみたいやからちょっと迎えに行ってくるわ、ここで待っててな?」
「うん・・・」
未だに涙は止まっておらず不安そうな顔で
あっとは下を向いている
ガチャッ
「結構早かったやん?」
「あっとは?!」
(え、なにこいつ・・・めっちゃ必死やん・・・
そんなに心配してたってことか・・・)
「奥の部屋におるよ、びしょ濡れやったから風呂入って温まってもらったとこや」
「・・・・・・上がらせてもらうぞ」
「おぉ・・・」
まぜ太が勢いよくあっとのいる部屋の扉を開ける