✿赤視点
ガチャッ
扉が開いたと思ったら
何だか険しい顔つきでまぜが部屋に入ってきた
「・・・ま、まぜ・・・?」
「・・・」
まぜの視線が俺を捉えると 顔つきがさらに険しくなった
まだ怒ってるんだ・・・どうしよう、とりあえず謝らなきゃ
「あ、あの」
「なんで泣いてるの?あいつに泣かされた?」
「え?ち、違うこれはその」
早く涙を止めないとぷりまで誤解されてしまう
慌てて腕で目を擦ると手を掴まれた感覚がした
「そんなに力強く擦ると目痛くなるぞ」
そう言ってまぜは親指で優しく俺の涙を拭ってくれた
「まぜ・・・ごめん」
「謝るのはこっちの方・・・ごめんな?体調悪いのに責めた言い方した」
「・・・俺の体調が良くないって気付いてたの?」
「いや、先に気付いたのはけちゃだよ、俺は言われてから思い当たっただけで」
「そう・・・」
ぐいっ
「・・・っ?!」
「本当に、俺はバカだわ・・・
あっとのこと見てるつもりが全然見れてなかった」
背中にまぜの腕がまわっていて
いつの間にか抱きしめられる形になっていた
「・・・けちゃのことしか見てなかったじゃん」
俺は不貞腐れるようにまぜの肩に顔を埋めて
呟く
「そうだったか?」
「そうだよ、可愛いって言ったり・・・頭撫でてたりとかしてさ」
「あー・・・ごめん全然無意識でやってるわそれ」
「?! 余計タチ悪いじゃん・・・」
「拗ねんなって」
そう言いながら子供をあやすかのように俺の 頭を撫でてくる
「けちゃにちゃんと謝らないと・・・酷い事言っちゃった」
「そうだな・・・けちゃおならきっと許してくれるよ」
「ん・・・」
俺もまぜの背中に腕を回して抱きついた
まだ離されたくなくて、このままでいてほしくて
そう思いながらぎゅっとしがみつく
「あっとーそんなに強くしなくても離さないから大丈夫だよ?」
「っっ!!」
考えてることが見透かされ気恥ずかしくなって
少しだけ力を弱めた その時
「あっとさ、もしかして俺の事好き・・・?」
気付かれた
気付かれてしまったらもう今更隠し通すことは出来ない
否定したとしても嘘だとすぐバレてしまうだろう
それ程までに気持ちが溢れてしまっていることを俺は自覚していた
もう無理だ、これ以上隠し通せないならぷりの言ってたように素直になってみるべきなのかな・・・?
どうしたら
「実は俺、信じられないかもしれないけどあっとのこと好きなんだ」
「・・・え?嘘でしょ・・・?だってあんだけさ、けちゃにばっか構ってたのに・・・」
「あっとがそう思ってるだけで俺は偏ってたつもりはないんだよなーー・・・、でも嫉妬してくれたんだよな?俺がけちゃおにばっか構ってるって思いこむぐらいに」
「ーっ!」
まぜが俺の事好き?
そんなの有り得ないって思ってた
両思いになんて奇跡でも起こらなきゃ絶対に有り得ないって・・・
「あっとは?俺の事好き?」
「・・・好き」
「そっか、ありがとう嬉しいよ」
顔に熱が集まってるのが分かる
こんなの顔上げれないよ・・・
一生懸命気持ちを隠してたつもりが
実は気付かれてて
なのに向こうの好意に俺は全然気付かなくて
勝手にずっと嫉妬してたなんてーー・・・
「あっと、顔見せて?」
「やだ!絶対無理・・・!」
「えー絶対今可愛い顔してんじゃん」
「可愛くないけど」
「ふーーーーん?じゃあさ、キスしよ?」
「は?!!!」
予想もしていない、とんでもない事を言われて俺は思わず顔を上げそうになったが なんとか踏みとどまる
「あっとはしたくないの?俺はしたいんだけどなぁーせっかく両思いって分かったんだからさ?」
「ぁ・・・やっ、したくない事はないんだけど・・・その・・・ぅぅ」
まぜの手が優しく、自分から俺を少しずつ離していくように誘導する
「ふはっ顔真っ赤じゃんw可愛い」
「あんま見るな・・・んぅ」
見られないように手で顔を隠そうとしたけど
まぜにキスされる方が早かった
「ちょっ・・・不意打ちやめて!」
「んー?もっかいする?」
「い、今はいい!!これ以上は・・・耐えれないから・・・」
「え、なにそれ可愛すぎ」
「俺はいつまで待機すればええんやろ、割り込んだろかな」
コメント
1件
最高すぎて頭おかしくなりそうです