「〜〜♪」
いつも通り国連内部の廊下で鼻歌が聞こえる。
歌っているのは日帝だ。
身長が小さくよく中学生に間違われる。
だがその身長似合わず時に冷酷であり時に警戒心がかけらもない日帝だ。
「〜〜♪………ふわっ………眠いわねぇ…………」
どうやら少しだけ眠いらしい。
「くっっーーーふうっ……………どうしよっかなぁ…………暇だわ……………帝に書類押し付けたものねぇ…………」
『ええっ!?この書類をですか!?』
『ええ』
『いやええじゃなくて…………俺やったはず………』
『イタリア王国君のが渡ってきたの』
『イタリアか………』
この姉酷い姉である。
「でもなぁ…………何しようかなぁ…………ソビエト君居たら何か構ってもらおうかしら…………フランスさんが居たら何か一緒に作る………んーでもフランスさん来てないしなぁ」
悩んでいる間に日帝はまぁ誰が居たら構って貰おうということにした。
「〜〜〜♪」
「……………」
「……………ソビエト、そんな顔で見られても俺は何もしんぞ」
「むっ………」
「あら嫌だったかしら………?」
「んーー…………」
「ソビエト、目線がうるさい」
「むっ…………」
「全く…………日帝書類の件だが何処も間違って無い。今からこれを日本に回してくる」
「行ってらっしゃい〜」
「ナチ行くのか?」
「嗚呼」
「助けろよ」
「誰が助けるか」
ナチはピシャリと言い放つ。
「ひっでぇ」
「そうゆう事だ、じゃ日帝ソイツを頼む」
「分かったわー」
(パタン)
「………なぁ…………日帝はこれ楽しいのか?」
「楽しいわよ」
「ずっと頬を触られて頬が痛いんだが」
「痛いなら止めればいいじゃ無い」
「止めたら辞めてくれると?」
「いいえ」
「知ってた」
「でもいいじゃない。楽しいんだし」
「日帝は楽しいわな」
「ベラちゃんやエストちゃんには小さい時とかやらせてたんじゃ無い?」
「いややらせて無いが…………」
「そうなの?」
「嗚呼」
「ほへぇ」
「なぁ日帝、そろそろ頬が痛い…………」
「なら髪の毛とかさせて頂戴」
「人間の姿は結構疲れるんだが、後言葉も通じん」
「英語出来るでしょう?後ドイツ語も」
「出来なくはないが…………」
「なら問題無いわね」
「あると思うが…………」
「いいの!ソビエト君は何も考えないで、私は髪をときたいから」
「髪の毛好きだな」
「だってふかふかでふわふわだもの」
「俺をそこら辺に居る猫か犬と思ってないか?」
「ソビエト君は熊でしょう?」
「違うそうじゃない」
「?」
「…………はぁ…………わーったよ…………なればいいんだろ。なれば」
「わーいやった〜」
「物好きな奴だな…………」
「〜〜♪」
(コイツいつも歌ってんな……………何がそんなに楽しいのか…………)
日帝は歌いながらソビエトの髪をとかしていく。時々指に髪の毛を絡ませたりゴムで髪をくくったりして遊ぶ。
(何を考えてるか全く読めん)
対するソビエトはこの行動に意味があるのか考えていた。
日帝達と会ったのはソビエトがまだ小さい時だ。
その時2人は狐の面を被って目の当たりは見えなかったが
(怖い人達では……………ない……………の………かな…………?)と上司の足の間から見ていた事がある。
上司達が「話し合いをするから」と言い三人を部屋に置いていった。
………………………
沈黙が続いた後響くのは
「ゲホッゲホッ……………」
「姉さん!!!」
「ふえっ!?」
どうやらロシアンティーのジャムを混ぜ過ぎむせたらしい。
「大丈夫よ……………むせただけ」
「はぁっ……………紛らわしいです」
「あら」
仮面を被りお互い顔が半分しか見えていないのにさも表情が見えているように話す2人を見て小さかったソビエトは
(…………すごいなぁ…………)
と感心していた。
(この人達なんで動物のお面つけてるのに分かるんだろ)
「ふふっ、知りたい?」
「うえっ!?」
「あらごめんなさいね?とてもジロジロ見てきたから気になったの」
「ええっとごめんなさい…………」
「いいのよ〜大丈夫だから。帝もそんなに睨まないの。小さい子なんだから」
「睨んでません」
「怖がってるわよ?ねー?」
そう言って日帝はまだ低学年くらいの身長のソビエトの頭を撫でる。
「ええっと……………ええっと………」
「やっぱり可愛いわ〜持って帰りたい…………私達の新しい弟にしましょう!?帝!!」
「ええっ!?」
「ダメですよ。何言ってるんですか姉さん」
「だってぇ〜…………」
「はぁっ…………弟には出来ませんがその子の何処が気に入ったんです?」
「んー………反応?」
「はんのー!?」
「他に……………髪の毛がふわふわだから!!」
「ただそれだけの理由で?」
「ええ!!上司帰ってきたら言ってみましょ!!」
「ダメですからね?」
「えーケチー」
「国際問題になりかねます」
「こーくーさーいーもーんーだーいーってなーーーーにーーーっっっ!!」
「怒らないで下さい」
「むぅー…………欲しいなぁ………こーゆー弟…………」
「俺がいるでしょうに」
「帝も可愛いけどぉ…………小さいままの方がもっといい………」(撫で撫で)
「あうっ………」
「はぁっ…………」
そんなこんなで帰って来た上司に相談するも無事撃沈した日帝だった。
「よしっと!!終わり!!」
日帝が何か言った後クシが止まったので終わりなのだろう。
「んっ…………くあっ……………終わったか?」
「ええ!!」
「そうか…………」
「少し寝てたみたいね?何か夢でも見たの?」
「まー………見たっちゃ見たが特になんの夢でもなかったな」
「えー?教えて欲しいなぁ?」
「やだ」
「このお姉ちゃんに教えて欲しいなぁ?」
「子供扱いするな」
「私に比べたら69歳なんてまだ若者よ?そこら辺に居る20歳の子達と何も変わらないわよ?」
「何気に20代の奴らをディスってるような気がするが気の所為か?」
「ま、兎に角。今日構ってくれてありがとう。私暇だったのよ」
「構って欲しいのなら言えよ………いきなり寝てる所に後ろから抱き付くな」
「ソビエト君大きいから大丈夫よ」
「吃驚するんだが」
「えー」
「次からは寝てたら他の奴等に構って貰え。いいな?」
「ええ、ソビエト君が寝てたらまたさっきみたいに抱き付けばいいのね!!」
「ダメだコイツ1ミリも伝わってない」
今日も今日とて日帝はソビエトに構って貰いソビエトは毎回それに付き合って髪や頬をいじられるのだった。
コメント
2件
ありがとうございます。溜まりに溜まってた故。pixivやTwitter(最近はゲームしかやってない)も一応やってますけれ時間があった時見てくだされー
もなかさん投稿久しぶりですね!ほんとお話すきですぅぅ!!!表現の仕方とかもう神なんですよ!