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「おい、隆二はまだ見つからないのか。タイムリミットまであと一時間だぞ。」「すみません。何としても捕まえます」「目白君、隆二が再び事件を起こしたら出世の道は完全になくなるんだからな。君があの日、止めなかったから」「重々承知しております。何としても、九尾の状態のまま捕獲し、ワクチンを接種させます」「警部、10分前まで九尾に似た少年がここにいたとの目撃情報がありました」「分かった、現在地を中心とする半径30km間に検問網を張り巡らせ」「了解です。関係各所に連絡してきます」「頼むぞ、九尾。もう、あんな姿は見たくない」目白警部は自身の出世の心配をしてるのではなく、なぜか九尾の心配をしながら、雲を一つもとどめない空を見挙げながら目に涙を浮かべていた。同時刻、「美味しかったな。今度は友達たちと来たいな」「そうですね、この後はどうしますか」「そういえば例の物は持ってる」「出刃包丁のことですよね。持ってますよ」「ありがとう。とりあえず、人目が付きにくい場所まで連れっててくれ」「分かりました。それではお乗りください」そう順子が言うと、京介は順子にまたがった。すると、どこかに電話をかけ始めた。「はい、もしもし、河合です。」「あ、もしもし、俺です。九尾です。」「九尾君か、君のことは目白警部から聞いてるよ。ワクチンを接種する前に病院を抜け出したと。」「いや、抜け出したわけじゃないです。外で朝飯を食べて帰るつもりだったんですけど、無許可で抜け出したのがばれて、警察がうようよとそこら中にいて、戻れないんですよ。そんなことをしてたら、やつの気配がしてきたんです」「フーン、で、私に何をしろというのだね」「分かってるくせに、そんな意地悪な質問をするなんて。仕方ないので、維子さんに報告させていただきますね」「九尾君。頼む、維子にいうのだけはやめてくれ。前回、逆日の丸弁当という私刑を受けたんだ。」「なんか大変そうですね。多分、45分ごろにはそちらに着きます。なので、手術の準備お願いします」「分かった。任せろ。何としても隆二に体を乗っ取られるなよ」「分かってます。二度とあのようなことはしません。失礼します」「この辺りでで、大丈夫ですか」「問題ない。光物をくれ」「どうぞ」順子はそういうと出刃包丁を取り出し、九尾に差し出した。「順子、この後は俺を担いで河合教授の病院まで頼む。」順子が軽くうなずいたことを確認すると、京介は、深呼吸をし、自身の腹に出刃包丁を向け、大きく振りかぶった。