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俺は先輩を乗せたまま、言われる通りに進んだ。

金魚売りの声が町中から聞こえて

良い気持ちだ。

先輩は青い手を組んだまま、北東に曲がれなど

指示を出してくる。それに従って俺は走った。

それからやっと着いたと思えば

なんとも広い和式の部屋で驚いてしまった。

「お金持ちなんですね。」

「そんなことない。サーガラの金で買ったからな。」

「俺は仕事してないし、たまーに龍宮城で

バイトするくらいだ。人付き合いもない。」

「そうなんですか…」

妙に悲しくなってしまったが

悲しむ暇もなく先輩が口を開く。

「ところで、お前は英雄になってみたいとは

思わないかね?」

「え?」

「私は英雄だよ。海を救った英雄だ。

代わりに破壊する罪人。お前はどちらにせよ

歴史に名前を残すといい。」

「私のように醜い姿になるかもしれんがな。」

先輩は二本目の左手に

剣を持っていて、それで右手を切ってみせた。

血は出ない。それに、傷口には宇宙のように

キラキラした何かが血肉となって見えた。

「今ので次元はなくなった。私の体自体

次元でもあるから私が死ねば、お前も死ぬ。」

「い…」

右手がとても痛くなり俺は苦しんだ。

丁度先輩が切った部分で

俺は涙が出そうだった。

「無論。少しの傷でもお前に影響がある。

お前だけじゃなく、各次元の奴らにもな。」

「…なら今、人から神まで痛みで苦しんでると?」

「左様。…ちょっと待て。腕を創らないとな。」

「そこの沙羅双樹をくれ。」

「はい。」

沙羅双樹を渡すと

それを傷口に当てて腕を生やした。

「よし。いいな。

引いたかもしれないが仕方がない。」

「こんなものだから私は嫌われてしまう。」

「だからこそ信用できないな。」

「俺は信用してますよ。命の恩人ですもの!」

「破壊神でも動かなければ破壊しないんだから。」

慰めるように俺は先輩の背を擦った。

触ってみるとツルツルしていて

鱗のある俺には不思議な感覚であった。

少し皮膚の先を覗き込んでみると

星のようなものが沢山ある。

「(星を)突いたら潰れますか?」

「潰れる。やってごらん。」

ツンツンと突いたら

星は線香花火のように赤くなって消えた。

「凄い。本当に次元なのですね。」

「そうさ。けど、それ以上は可哀想だ。辞めてやれ。」

「あ、はい。」

手をパッと離すと

俺は一つあることに気づいた。

「先輩。着物が欲しいです。」

「今更か?」

「人に脱がされたんですよ。

お前なんかがスーツ着るなと。」

「そうか。」

「だから何色でもいいから着物が欲しい。」

「ここを出て突き当りに着物がある部屋がある。

沢山あるから着れば良い。」

「ありがとうございます。」

「あ…それと、突き当りの部屋から

左の部屋には絶対に入るな。」

「入ったら…どうなるか分かってるな?」

脅すように言うと四本の手で

廊下を指差して『早く行きなさい。』と言った。

俺は少し怖くて唇が震えてしまった。

突き当りの部屋に入ると

黒色の着物があったので、それに着替えた。

他にも口紅や髪飾りがあったが

もしかすると先輩のものかもしれない。

洒落ているな〜なんて考えていたら

ふと、さっきのことが気になってしまった。

(左の部屋には絶対に入るな…か。)

部屋を出て左を見ると、大きめの部屋があった。

入ってみたいと思い、戸に手をつけると

「おい。」

と呼び止められてしまった。

どうにか言い訳をするために

俺は工夫をこらして言った。

「その、ふらついてしまって…。」

「数日間、泥水すら飲んでいません。」

これについては真である。

けれども飲まなくても死なないため我慢しても

大丈夫なのだ。これが先輩にバレれば

俺はジ・エンド。ちょっとした賭けさ。

「…そうか。へぇ。」

「お前は利口にしてれば良い。

開けたら後悔するだけだぞ。」

「死骸が転がっても、お前は見たいのか?」

その言葉に心の芯から震えた。

爪先から脳髄まで電気が走ったように。

けれども好奇心が働いてしまう。

とても入りたい。けど怖い。

ゾっとするよりワクワクという感じだった。

何があるのか?死体?それとも金?

という感じで疑問が湧いてくる。

俺の目はキラキラ輝いていたかもしれない。

この感情こそ大罪だ。

「先輩、今日の夕方予定あります?」

「ない。」

「夜は?」

「ちょっとした仕事がある。」

「そうですか。」

夜に入ってみようかと

俺は思い、計画を練ることにした。

頭巾で頭を隠し

顔を鬼面なんかで隠して中に入る。

先輩の剣でも持っておけば

襲われても大丈夫だろうと考えたのだ。

万が一先輩が襲ってきても対抗できるように

麻酔なんかも持っていくことにした。

何がいるかは分らない。

けれども、こんなこと滅多にないのだから

俺はバレずに侵入する。

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