テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『行かないでっ…』
俺は長年付き合っていた彼氏と別れた。それから1週間程経ったが毎日のように悪夢を見て冷や汗をかきながら夜中に起きる。
『っ_あーあ、』
『んで、俺泣いてんだろ、笑』
『もうっ、アイツは、俺の隣にはっ、いない、のに、』
いつもなら夜中起きたら「どうしたん?」なんて優しい言葉をかけてくれて俺に寄り添ってくれて、でもここ一週間は居なくて、心に大きな穴が空いたような気分。
『…寝るか。』
気づけばもう朝8時。毎日寝不足でメイクさんにもクマすごいねなんて言われるようになった。
『あ…遅れちゃう。』
「 勇斗遅くね? 」
「太智なんか知ってる?」
【 いや、なんも、】
「え、なに、なんかあった感じ、?」
【んー、別に。】
《 皆〜〜!勇ちゃん遅刻やって! 》
[ あー、そうなの? ]
《そうそう、寝坊してしまったらしいで笑 》
【へー、】
「アイツが寝坊なんて珍しい、笑」
[まぁそんな日もあるよね、人間だし]
『っあ、はぁ、すいま、せ、おくれました、』
「おー勇斗、ってクマ凄くね、?」
[ 大丈夫、? ]
『いやー、まぁちょっと、笑』
無理やり口角を上げて元気を装ったが本当は目の前に太智が居るだけで涙が溢れ出てきそうで。本当は太智に今すぐにでも抱きつきたくて、謝りたくて、もう一度やり直したい。なんて都合のいいことも言いたくて、けどみんないるから言えない。
『っ、』
《なんか勇ちゃん元気ないなぁ、》
「本当だね、」
[最近寝れてないでしょ。]
『えっ、』
[ふはっ、図星?笑]
『ま、まぁ、』
さっきから俺らの会話には入ってこないが太智の顔が険しい。少し涙目な気もする。あぁ、向こうも同じ気持ちなのかな。なんて思ってたら、
【 勇斗っ 、 】
太智は俺の腕を引っ張ってみんなのいる場所を後にした。
『っお、』
《んー、なんかあったんかな?笑》
「だろうね。そっとしといてあげよ。」
[そーだね、笑]
【っ、勇斗、ほんまに、ごめん、】
『..だい、ち、っ、』
『お..れ、ッ、さびッ、しかっ、た』
【ごめん、ほんまにごめん、】
太智は泣きじゃくっている俺を優しく包み込み頬を優しく触る。
『っ、あ、だ、いち、また、やり、ッなお、そ、?』
そういえば太智は目に涙を貯め優しい笑顔で勿論と答えた。
【勿論】
__ 終
コメント
4件
アナタ本当に上手すぎで泣くて 好きマジでほんとにさあああああ?!らぶ