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辺り一帯に轟音が鳴り響く。

「っし! 課題完了!」

自身の顎に軽く右フックを決めた一人の女は、やってやったと云わんばかりの誇らしげな表情を浮かべる。


「ど~よ。僕がいても問題なかったでしょ」

煽るような口調で目の前の少年、爆豪勝己に話しかければ、先程の行為で宙に舞ったままの右手で一つの音を鳴らし、そのまま流れるように指を指す。


「俺のお陰だ。この文字女!」

彼女が煽ったのに腹が立ったのか、発言に苛立ったのか否か、爆豪は黒くドスの聞いた一部の人には程好い声で返答する。

文字女、とは煽った彼女のことだろう。


「いいや、トドメさしたのは僕だもんね! 僕の手柄だ!」

「ふざけんな殺すぞ!」


両者ともに言動、声色、怒号などがヒートアップしてきた頃、お互いの距離を縮め、今にも喧嘩と云う名の戦闘が始まってしまうかと思ったその刹那、二人の僅かな隙間に冷ややかな目線を表すかのような氷が剣のように出現する。


それに思わず二人は後退り、息を合わせたかのような、阿吽の呼吸かのような同じタイミングで氷を出したであろう人物の方を睨む。


「なんだよ轟~、邪魔すんなよ~」

「そーだそーだ!」

その言葉の主は外野にある。


ブドウを連想させる髪が特徴の小さき変態的思考を持つ少年、彼の個性を示すかのような尖った黒がちらほらある金髪の少年、野次馬の主はこの二人だろう。


「うるっせぇ! 雑魚がわめくんじゃねぇよ!」

爆豪の怒号を牽制するかのように腑抜けた返事を彼らは返す。

彼は観客席を見ていた顔を即座に氷の主の方へと戻せば鬼の形相で睨みながら怒号を発する。


「てめぇもだこの半分野郎!」

「俺は喧嘩を止めようとしただけだ」

「それがいらねぇつってんだろ!」

「そんなの云われてない」


そんな会話か喧嘩を他所に、忍びかのようにこっそりひっそり観客席へと戻ろうと足を速めるのは一人の少女。


それがこの作品の主人公、文楽 辞意。

彼女も、喧嘩をしている彼らも、それを眺めて焦る彼女らも、野次を飛ばす彼らも、未だこれから起きることなど想定していなかった。

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