知らない天井。
ここ、どこだ
ああやばい、私、やっちゃった……ここどこだ…….
「あ、起きた?」
そこには、やさしい顔で笑う背の高い男の人がいた。
「えっと…..あ、あの、す、すみません……」
「あはは笑いいんだよ、あんな所でびしょ濡れで倒れている女の人なんか、ほっとけないだろ」
どうやら、倒れている私を家まで運んでくれていたらしい。
「それより、君大丈夫?丸一日も寝ていたんだよ」
「あ、その…….もう何日寝てないかもわかんなくて…..」
「あー、そっか、、まあいろいろあるよね、君、大学生?」
「はい、そうです。」
ああ、この人、あいつに似てる、カレシ、いや、モトカレに似てる。
「そっかー、君、病院行った方がいいと思うんだ、僕の車で送っていくから、今から行こう」
「大丈夫です。1人で行けますし。必要ないです」
「あー、でも…」
「大丈夫です!」
男の人は、病院に連れていこうとしてくれたけど、そんなことをしている場合じゃなかった、色んなことを思い出して、泣きそうになっていた。でも、少し強く言ってしまったかな。
「あー、、そっか、、じゃあ、家に送っていくだけでも……」
「大丈夫です。」
「でも……」
「本当に、大丈夫です。」
「……でも、送るから!!車乗って!家どこ?」
男の人は、少し強く言った。
それは、元彼なんかよりも優しい言い方ではあったけど、似ている男の人と元彼を重ねて、この人も、あんな一面があるんじゃないか、怖くなって、車に乗った。
出発してからは、かなり気まずかったけど、それ以上に、何だか吐き気がして、気持ち悪かった。急に沢山寝たからだろうか、気分が悪い。
そんな私を横目で見て男の人は
「ねぇ……やっぱり病院に行った方が……」
私はイライラしていた。クソみたいな男に騙されて、道で倒れて、助けて貰った人に礼も言っていない自分に。
「大丈夫です!!あの、そういうの辞めてもらっていいですか?表上だけの心配とか、要らないんで、どうせ心の中ではどうでもいいって思ってるんですよね?!」
言い終わって、ちょうど家に着いた。
男の人は何も言わなかった。
私は車のドアを開けて、家に帰った。
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