テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
みどりいろ視点 現在
記憶が戻った時、らだおくんの封印が解けたんだ、という喜びよりも自身への怒りが上回った。
このままじゃ、あの時と同じだろ……ッ
皆は今、サーカス団の劇場にいるはずだ。
サーカス。
何故か襲ってきたクロノアとトラゾー。
青い瞳。
何者かに催眠されたぴくと。
まるで絡まってしまったタコ糸のように、ごちゃごちゃになっていた事実が、糸のように繋がっていた事実が、ピンと張る。
みど 「 ブルーローズ…? 」
だとしたら非常にまずい。
あれの事を知ってるのはオレしか……
…いや、ぐちつぼとぺいんとは記憶を持っていたっぽかったし、対処はできるのか…?
でも、ぐちつぼは連れていかれたからもうブルーローズの洗脳にかかってるだろうし、今の記憶も何も無い他の運営じゃ対処出来ない…っ
拠点から劇場への距離を計算し、ざっくりとした座標を割り出す。
大丈夫、きっと上手くいく―――
みど 「 テレポートッ! 」
魔力探知で皆の位置を割り出し、壁も貫通して一直線に向かう。
間に合え、間に合えッ――
違う!
間に合わせるんだよ!!
みど 「 イタ…! 」
らっだぁの方を見ると今にもしにがみの鎌に裂かれそうになっていた。
させない…ッ!
―――
「 フロートッッツ!! 」
念の為重力魔法と種族固有の能力を掛け合わせて鎌を止める。
みど 「 今度ハ、オレがラダオクンを助ケル! 」
らっだぁ視点
ら 「 みどり…っ!? 」
みどりは重症で病床にいるはずじゃ…!?
…以前より肌の色が薄い、というか体すけてないか…!?
「 なッ、新手だと…!? 」
「 もういい、全員殺せ!殺せ殺せ殺せッ! 」
すると、ぐちつぼと紫髪の攻撃が一層強まる。
ら 「 くッ…! 」
恐らくだがみどりのお陰で捌けてはいるが、それでも先程より状況は悪くなっている。
あんなに追い詰められていたのに、まだ加減されてたのか…ッ
何か、何か打開案はないか…!?
!
そうだ!
こぼせくんに言われた通りに…ッ
ら 「 ら民召喚ッ!」
危なかったらこう叫べ、って言われたけどこれで上手くいくのか…ッ!?
頼む、なんか起きろ…!
る 「 呼んだからっだぁ! 」
みこ 「 任せろ! 」
お 「 待ってたぜ! 」
先程のるなりあ、みこだよ、おいよの3人がダーペとホワペが出てきた時のように、呼び掛けに答えて現れた。
ら 「 3人とも…!? 」
「 クソ、何でお前らが…ッ! 」
相手からは明らかに動揺しているのが伝わる。
る 「 らっだぁ、みどりくん、しにがみさんは俺らで何とかするから道化師を頼む! 」
みど 「 ワカッタ! 」
まてまて俺まだ現状なにも分かってないって!
とりあえず3人が紫髪の子の方を請け負ってくれてるし、今が絶好のチャンスだ。
「 な、金縛り…ッ 」
相手が急に動かなくなる。
みどりくんのおかげか…?
みど 「 らだお!イマ! 」
皆を傷つけた恨み、全て込めてやる。
氷の剣を再び生成し、相手へと走り首元へと狙いを定める。
ら 「 おらぁぁぁあッツ! 」
ザシュッ
ボトッ
相手の首が転がり落ちる。
みど 「 コンナモノ…コウダ! 」
いつの間にかそばに居たみどりが、ケースから宝石を取りだし、床にたたきつけた。
宝石は砕け散り、辺り一面に青い破片が散らばった。
それはステージのライトの光を反射して、キラキラ光っていた。
ぺ 「 終わったぁ… 」
敵味方共に倒れ込み、血飛沫が壁や床に付着している。
勝ったのか…
その場にへたりと座り込む。
みどりが助けに来てくれなければ死んでいただろう。
…ってみどりなんで来れてるんだ!?
ら 「 みどり、どうしてここに? 」
みど 「 覚醒シタ、モウダイジョーブィ 」
ら 「 嘘だろ…涙返せよ 」
無事でよかった…
操られていたぐちつぼは気を失っているが、紫髪の子は意識があるようだ。
「 ぺいんとさん、らっだぁさん大丈夫ですか!?僕はなんてことを… 」
なんで俺の名前を知ってるんだ!?
ぺ 「 大丈夫だってしにがみ、気にすんなよ 」
しにがみなんてまた物騒なあだ名だなぁ…
てか知り合いだったのか、2人は。
し 「 情けないです、皆をこんな目に合わせて…。仮にも神様なのに… 」
…もしかしてあだ名じゃない感じか?
し 「 とりあえず、負傷者が多すぎます。僕らじゃ何とかできないので、ぺいんとさん、彼らのこと呼べますか…? 」
彼ら…?一体誰のことだ…?
そう思っていると、ぺいんとが耳に指をあて、何やら誰かと話し出した。
ぺ 「 あ、もしもし?今めっちゃ怪我人でてて、旧劇場跡まで来て欲しいんだけど… 」
観察していると、耳元に小さく魔法陣?のようなものが浮かび上がっているのがわかった。
「 らっだぁ、無事でよかったよ。 」
ら 「 …!こぼせくん!お陰で助かったよ… 」
こ 「 ならよかったよ。僕らはとりあえず先にアジトの方に向かわせてもらうよ。 」
いやいや、なんでアジト知ってるの…???
敵ではなさそうだけれど…
まぁ現状意味わからんことばっか起きてるし一旦飲み込むしかないのか…
みこ 「 じゃあな〜らっだぁ〜 」
ら 「 お、おう。じゃね〜 」
ぺ 「 うん、そうそう。6人、いやぐちつぼ入れて7人かな?あ、おけ。じゃあ頼んどくねー 」
どうやら話が終わったようだ。
ぺ 「 みどりくーん、学校の方へゲート出して〜 」
みど 「 アイヨッ 」
すると後ろへとススス…と進んでいき、扉に向かって手を伸ばした。
みど 「 オプーン! 」
すると扉が勝手に開き、中から6人ほどの人が現れた。
茶髪にぺいんとと同じく片目が隠れたパーカーを被った子が言い放った。
「 nakamuです、急患はどこですか? 」
コメント
1件
神作の続きだぁ…投稿ありがとうございます!続き楽しみ…!