テラーノベル
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夜のファミレス。
コーヒーカップを前に、亮と悠真は向かい合っていた。
「なあ、悠真」
亮の声が少し低くなる。
「……ん?」
「俺はお前と何年も一緒にいて、お前のことは何でも分かってるつもりでいる。こんな時まで口出すのは違うって分かってる。……生意気でごめん」
悠真は視線を上げる。
亮は真剣な眼差しで言葉を続けた。
「もし、妹の……咲のことを好きだって気持ちがあるなら、全力で向き合って欲しい。悠真が咲を見る目は、ただの“友達の妹”を見る目じゃなかった。すぐにとは言わない。けど、一度、咲とちゃんと向き合ったらどうだ」
言葉が落ちると、店内のざわめきすら遠のいた気がした。
悠真の胸の奥で、抑えてきた感情が大きく揺れ動いていた。
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