彼の手にはいつの間にか包丁が握られていた。
ここは俺の意識の中、要は仮想現実なのだから、強く願えばどうにかなるのだろう。映画のフィルムとかもそうだ。
自害でもするつもりか??
ほっといてくれ
彼はそう言った。
それが、
それだけの事に、
俺は酷く憤慨していた。
憤慨???怒ってるのか??これは。
沸々と沸き立つ気持ち。
…ああ、これが、みんなの、、。
りうら「スウゥウウウウウウウ…、、。」
深く息を吸う。
怪訝な顔をする彼の眼を一心に見つめて…
りうら「ばぁあ゛ーー゛か!!」
叫ぶ!!!
怒鳴るのは慣れて居ない。だから、心のアニキに頼る。
りうら「放っておくって、楽に成りたいだけでしょ!?!?そうやって逃げて、それで良いの?!!?」
感情をぶつけるのも苦手だ。だから、心のほとけっちに頼る。
「ッ~!!!嗚呼!!そうだよ!!!逃げたい!!今までだってそうしてきた!!それの何が悪いの!?俺には、…‘‘俺達’’には!この道しか残されてな…!!」
りうら「作れば良い!!!…道が無いなら、作れば良いんだよ。」
人に物事を教えた事なんて無い。だから、心のまろに頼る。
「どうやって、、??俺なんかに出来っこない…。」
りうら「周りを頼れば良いんだよ、…助けてって、困ってるんだ。ってそしたら、君を大切に思う誰かが、応えてくれるから。」
俺は余り優しく無い。だから、心の初兎ちゃんに頼る。
「誰が俺なんかの為に…故郷を見殺しにした出来損ないに!!!!手を貸してくれるって言うんだよ、…大゛切に想ってくれるんだよ゛!!!」
カランッ…勢いで彼の手から包丁が落ちる。
りうら「、」
「ほら、黙った、。綺麗事ばっか言ったって、結局何もかわらな…」
ぎゅ、。
…きっとみんななら、俺の家族なら、こうしただろう。
りうら「だいじょうぶ。」
「は…、。、???」
りうら「怖かったね。苦しかったね。」
「…はなしてよ。」
抱き締める強さを強くする。
「離せって、!!!」
背中が殴られて、少し痛いけれど、決して離さない。
こんなのどうって事無い。
だって君の方がよっぽど…
りうら「痛かったよね。」
「~!!!……ぅるさ、ぃ、。」
声が震え出した。
「ぉ、れが、やらなきゃ、、だめ、、。」
りうら「…どうして?」
「出来なきゃ、俺に価値なんか無い…!!」
はは、こう思ってた時期もあったっけな。懐かし。俺にはないくん達が居たけど、この子は、本当の意味でずっと独り。だったんだよな。
りうら「君は無価値じゃ無い。村を滅ぼした人狼じゃ無いし、黙ってみんなを見殺しにした出来損ないでも無い。」
少年の今すぐにでも泣きそうな目と俺の目を合わせ、微笑む。
上手く出来ただろうか。
俺の中に居るみんなは、いつもこうして助けてくれる。愛に飢えていた俺に、お腹一杯愛をくれたみんなに、恥をかかせない為にも次は、俺があげる番だ。
俺は、人を導くなんてした事無いから、あの日の様に、みんなからの言葉を胸に、そして何より、
ないくん。
貴方の様に…!!
りうら「君はただの、少し不幸で、これから飛びきり幸せになる、‘‘普通の’’少年だ。」
「ぁ…、、ぅ、、、…、、??」
りうら「したくも無い復讐なんてしなくて良い。辛い時は辛いって言って良い。」
「まっ、、!!」
りうら「自分の命くらい、自分の好きに使えば良い。」
「…、、」
…というか、別に村のみんなも復讐なんて望んで無い。
りうら「…あの村人さん。最期になんて言ってた??」
「ぇ、、」
りうら「‘‘逃げろ’’って、そう言ったんだ。」
「…」
りうら「君に、逃げろって。」
同じ事を繰り返す俺に少年は戸惑っている様だったけど、声のトーンや表情から、俺の真剣さが伝わってくれたのだろう。理解しようとしてくれている。
これなら、、
りうら「さっきも聞いたよね??‘‘君の大事な人達は、君を恨む様な人達だったの、?’’満身創痍で、死にかけている時でも君を気にかけた、そんな人が居る場所に、本当にそんな人、居たの??」
「…ちがぅ、、。…違う、、!!!」
なんだ、言えるじゃんか。笑
まだ自分で作った牢屋に、鍵がかかって無かった事に安心する。
後は、君が出たいと願うだけ…。
りうら「…これは、俺の想像でしか無いけどさ、君は、村の皆にとっての最後の希望なんじゃ無いのかな。」
「へ…???」
りうら「あの時、領主様の車から逃げてきた時、みんな俺が無事だと知って、笑ったんだ。」
りうら「苦しいだろうに、理不尽な暴力に、余裕なんかとうに無いだろうに、それでも、俺の安否を気にしてた。」
りうら「それって、‘‘良い人’’で済まして良い事なのかな??」
「…どーゆーいみ…???」
りうら「まだわかんないの?笑。俺には最初からわかってたけど!」
「ん…。。」
冗談じみた言い方をすれば、相手は少しムッとした。やっぱり、どこまで行っても俺は俺。
ありがとうみんな。もうどうすれば良いのかわかったよ。
この気持ち、ちゃんと‘‘俺’’にも伝えるね。
りうら「…俺らは、みんなに愛されてた!!!」
「は、???」
りうら「俺達が村の皆を想う様に、皆も俺らを想ってくれてた!!」
りうら「なんで気づかなかったの??じゃなきゃこんな生意気なガキ、さっさと売っちゃうでしょ!!!」
「でも!!だからこそ!みんなの仇を…!!!」
りうら「ばーか。ってかさっきも言ったなこれ…」
彼のおでこに人差し指を差し、馬鹿と繰り返す。
りうら「村のみんなはそんなん望んでませぇーん。ついでに言うならみんな俺の事大好きなので1ミリも恨まれてなんかいませぇーん。」
「それ自分で言う!?!?」
場を和ます為、ほとけっちのマネをしてみると、案の定俺はツッコんでくれた。流石俺。
りうら「本当に皆を想うならさ、やるべき事が違うんじゃないの?」
「…でも、どうしたら、。」
りうら「言ったじゃん。‘‘周りを頼れ’’って、」
「でもさっき居ないって、」
りうら「えーそんな事言ってなぁい。…少なくとも、今の君は、だいじょぶだと思うよ。」
「…良いのかな、。」
りうら「いーの。むしろならないとダメなの!!!」
「…めちゃくちゃだ…笑笑」
やっと、心の底から笑ってくれた。
…てか俺ってこんな顔なんだ。
…もしかしてイケメン、????スキンケア頑張って良かった、。
りうら「ちょっと考えればわかる事なのの…長いっての!!…まあとにかく、」
もう、‘‘幸せに成って良いんだよ’’。
「…う゛んっ!!!(涙)」
満開の笑顔と共に、もう一人の俺は光の粒になっていった。
…え?ちょっと待って???
りうら「すとぉおおっぷ!!!ストップストップすとおおおおっぷ!!!」
感動的な雰囲気だった光の粒達が、たちまち集まり元の人形に戻る。
なんて無粋。
「んぇ!?なに!?!?」
りうら「ねえ!!君今までずっとりうらの中居たんだよね!?」
「うん…」
りうら「もう過去乗り越えたよね!?!?」
「う、うん…言うのはずいなコレ…。」
りうら「じゃあ本音で答えてね!?」
「だから何!?」
りうら「ないくんとほとけっちの事、まだ嫌い…💦??」
なんだ。そんな事か。
俺ってこんな天然だっけ??笑笑
「ばぁーか!!」
りうら「ああ!!ばかって言った!!」
お返しだッ!!
「質問の答えだけど、俺はお前だよ??」
りうら「!!、、それって…!!」
へへ、と笑って見せてから元気良く言う。
こういうのは勿体ぶると後から恥ずかしくなって来るからね。
「‘‘’’大好き‘‘’’!!!!」
今度こそ彼は、光となって消えていった。
また会えるかな。
…会いたいな。
その時は是非、
みんなと話してみて欲しい。
きっと今以上に、好きになれるから。
りうら「…さて、!!」
そろそろ起きなくちゃね!みんなが俺を心配してる!!
コメント
7件
こういう同一人物の過去と現在があるの好き...😭現在の🐤くんがメンバーの個性全部使って過去の🐤くんを説得してるのやばいぃ、😭最高でした、っ!💕✨
やっと🐤ちゃん目が覚める泣一旦安心!!しかも昔の🐤ちゃんもちゃんと誤解?が解けたし!💎🍣のこと大好きって言ってたし!!ハッピーエンドですね!ひとまず!! 続きも楽しみにしてますね!!! 順番おかしいんですけど、これあとから過去🐤ちゃん登場とかありますか?現在🐤ちゃんがまた会いたいって言ってたし!!