テラーノベル
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週末の昼下がり。
リビングのソファには亮と悠真が並んで座り、ゲームの対戦に熱中していた。
「ほら! やっぱ俺の方が強ぇだろ!」
「うるせー、今のは操作ミスだって」
笑い声が響く中、咲は冷たい麦茶のグラスを盆に載せて運んだ。
「……お疲れさまです」
テーブルに置こうとした瞬間、悠真が自然に手を伸ばし、盆を受け取ってくれる。
「ありがとな、妹ちゃん。気が利くな」
不意に目が合って、咲の心臓が跳ねる。
慌てて視線をそらしたけれど、頬の熱は隠せなかった。
亮は気づかないままゲームに夢中。
でも咲の胸の中では、さっきの一瞬が何度も繰り返されていた。