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第3話「小さな笑顔と新しい挑戦」
朝、ことねはうさちゃんを抱きしめながら目を覚ました。
「ママ、おはよう!」
愛は笑顔でことねの頭をなでた。
「おはよう。今日は元気そうだね」
そこへ、風磨たち8人の先生が部屋に入ってきた。
「ことね、おはよう!」
「おにいちゃんたち、おはよ!」
ことねは嬉しそうに手を振った。
今日は、ことねにとって新しいことに挑戦する一日になりそうだった。
「おにいちゃん、きょうはなにするの?」
ことねが尋ねると、風磨は優しく微笑んだ。
「今日は、少しだけ歩く練習をしてみようか」
「あるくの?」
ことねは不思議そうに首をかしげた。
「うん。でも、無理はしなくていいからね」
聡がそっと手を差し出した。
「僕たちがそばにいるよ」
ことねは少し不安そうにしながらも、聡の手をぎゅっと握った。
ベッドから降りると、ことねは聡の手をしっかり握った。
「こわい……」
「大丈夫。ゆっくりでいいよ」
風磨も反対側から優しく見守った。
ことねは小さな足を床につけた。
一歩、また一歩。
ゆっくりと前に進むことができた。
「できた!」
ことねの声に、先生たちは笑顔になった。
「すごいね!よく頑張ったね!」
愛も嬉しそうに拍手をした。
「ことね、すごかったね!」
勝利が優しく声をかけた。
「もういっかい、あるけるかな?」
ことねは少し考えてから、うなずいた。
「うん!でも、おにいちゃんといっしょ!」
寺西が笑顔で手を差し出した。
「もちろん。一緒にゆっくり歩こうね」
原や橋本、篠塚、周杜もそばで見守っていた。
ことねはみんなに見守られながら、もう一度小さな一歩を踏み出した。
歩く練習が終わると、ことねは少し疲れた様子で椅子に座った。
「ことね、頑張ったね。少し休もうね」
愛が水を用意し、優しく声をかけた。
「ママ、ことね、じょうずにあるけた?」
「うん!とっても上手だったよ」
周杜がうさちゃんをことねのそばに置いた。
「うさちゃんも、ことねを応援してたよ」
ことねは嬉しそうに笑った。
「うさちゃん、ありがと!」
先生たちも、その笑顔を見てほっとした。
「おにいちゃんたち、ことねとおさんぽしたい!」
ことねが言うと、先生たちは顔を見合わせた。
「いいね。でも、今日は先生とママと一緒に、病室の近くを少しだけ歩こうね」
風磨が優しく説明した。
「やったあ!」
ことねは大喜び。
聡が手を差し出すと、ことねはその手をぎゅっと握った。
愛も反対側からそっと見守り、みんなでゆっくり歩き始めた。
廊下をゆっくり歩いていると、窓の外に色とりどりのお花が見えた。
「ママ!おはな!」
ことねは嬉しそうに窓の外を指さした。
「本当だね。きれいなお花だね」
愛が微笑んだ。
篠塚がことねの目線に合わせて話しかけた。
「何色のお花が好き?」
「ぴんく!」
周杜も笑顔でうなずいた。
「ピンクのお花、かわいいね」
ことねはしばらく窓の外を眺めていた。
「ママ、あのおはな、ことねのおへやにもほしいな」
ことねが小さな声でお願いした。
「そうだね。お部屋にもあったら嬉しいね」
愛が答えると、勝利が優しく笑った。
「あとでお花の絵を一緒に描こうか」
「うん!ぴんくのおはな!」
ことねは嬉しそうに手を叩いた。
風磨たちは、ことねの笑顔を見守りながら、ゆっくり病室へ戻った。
病室に戻ると、勝利が画用紙と色鉛筆を用意した。
「ことね、ピンクのお花を描こうね」
「うん!」
ことねはピンクの色鉛筆を手に取った。
聡が隣で優しく見守る。
「ゆっくり描いていいからね」
ことねは一生懸命、丸いお花を描いた。
「できたよ!」
「わあ、とってもかわいいね!」
先生たちが褒めると、ことねは照れくさそうに笑った。
「このおはな、みんなにあげる!」
ことねが画用紙を差し出した。
「僕たちにくれるの?」
寺西が尋ねると、ことねは大きくうなずいた。
「うん!みんな、だいすきだから!」
原は嬉しそうに絵を受け取った。
「ありがとう。大切にするね」
橋本も優しく微笑んだ。
愛はその様子を見ながら、ことねの成長を嬉しく感じていた。
たくさん遊んだことねは、少し眠そうに目をこすった。
「おにいちゃん、だっこ……」
周杜が優しく声をかけた。
「抱っこしてほしいの?」
ことねは小さくうなずいた。
「うん……」
愛がことねをそっと抱き上げると、ことねは安心したようにママの肩に顔をうずめた。
「今日もいっぱい頑張ったね」
風磨たちは、優しい笑顔で二人を見守っていた。
少し休んだあと、ことねは先生たちの顔を見上げた。
「おにいちゃん、あしたもあそべる?」
風磨は優しくうなずいた。
「もちろん。でも、体の調子を見ながらゆっくり過ごそうね」
勝利が笑顔で続けた。
「明日は何をしたい?」
「えっとね……えほん!」
聡が嬉しそうに答えた。
「じゃあ、明日はみんなで絵本を読もうね」
ことねは、うさちゃんを抱きしめながら笑った。
夜になり、病室が静かになると、ことねはママの隣でうさちゃんを抱きしめた。
「ママ、きょうね、いっぱいあるけたよ」
「そうだね。とっても頑張ったね」
「おはなもみたし、えもかいたの」
愛は優しく微笑んだ。
「楽しいことがいっぱいあったね」
ことねは小さくうなずき、安心したように目を閉じた。
その寝顔を、先生たちは静かに見守っていた。
病室の外で、風磨と聡は静かに話していた。
「今日のことね、よく頑張っていたな」
風磨が言うと、聡もうなずいた。
「はい。少しずつ笑顔も増えてきましたね」
「焦らず、ことねのペースを大切にしていこう」
「そうですね。僕たち8人で支えていきましょう」
二人は病室の中にいることねを見つめ、優しく微笑んだ。
翌朝、ことねは目を覚ますと、すぐにうさちゃんを探した。
「うさちゃん、どこ?」
愛が枕元からぬいぐるみを渡すと、ことねはぎゅっと抱きしめた。
「いた!」
そこへ先生たちがやってきた。
「ことね、おはよう!」
「おにいちゃんたち、おはよ!」
周杜が笑顔で尋ねた。
「今日は何をしたい?」
ことねは元気よく答えた。
「えほん、よんで!」
勝利が絵本を手に取り、ベッドのそばに座った。
勝利が絵本を開くと、ことねは目を輝かせた。
「これ、うさちゃんみたい!」
絵本に出てくる小さなうさぎを指さして、ことねは笑った。
聡が隣から優しく声をかけた。
「このうさぎさん、どこへ行くのかな?」
「おはなばたけ!」
ことねは楽しそうに答えた。
寺西たちもそばに集まり、みんなで絵本の続きを楽しんだ。
読み終わるころには、ことねの顔に満面の笑みが広がっていた。
「ことねも、おはなばたけにいきたいな」
ことねがつぶやくと、愛は優しく頭をなでた。
「いつか行けるといいね」
風磨も笑顔で答えた。
「今は、この絵本のお花畑をみんなで楽しもうか」
「うん!」
篠塚が絵本をもう一度開くと、ことねは嬉しそうにページをのぞき込んだ。
「ぴんくのおはな、いっぱい!」
みんなの笑い声が、病室に優しく広がった。
ことねは絵本を閉じると、先生たちの顔を見つめた。
「おにいちゃんたち、いつもありがと」
風磨は少し驚いたあと、優しく微笑んだ。
「どういたしまして。ことねの笑顔が僕たちの宝物だよ」
聡もそっと手を握った。
「これからも、みんなで一緒に頑張ろうね」
ことねは小さくうなずいた。
「うん。ことね、がんばる!」
愛はその姿を見て、温かい涙を浮かべた。
夕方、ことねは先生たちに囲まれながら、今日一日のことを思い返していた。
「きょうも、たのしかったね」
愛が優しくうなずいた。
「そうだね。たくさん笑ったね」
風磨はことねの目線に合わせて話しかけた。
「明日も、ことねのペースで一緒に進んでいこうね」
ことねはうさちゃんを抱きしめ、笑顔で答えた。
「うん!みんな、だいすき!」
8人の先生たちは、その小さな笑顔を大切に見守っていた。
夜になり、ことねはママの腕の中で眠そうにしていた。
「ママ、あしたもおにいちゃんたちいる?」
「もちろん。みんな、ことねのことを大切に思っているよ」
そこへ8人の先生たちが静かに顔を出した。
「おやすみ、ことね。また明日ね」
ことねは小さく手を振った。
「おやすみなさい……」
その声を聞きながら、先生たちは優しく微笑んだ。
ことねは、うさちゃんをぎゅっと抱きしめた。
今日できた小さな一歩。
みんなと見たお花。
一緒に読んだ絵本。
その一つひとつが、ことねにとって大切な思い出になっていた。
まだ不安なことはたくさんある。
それでも、ことねのそばには、ママと8人の先生たちがいる。
明日もきっと、新しい笑顔に出会える。
――第3話 完――
コメント
1件
第3話の感想を書かせてもらいますね。 ことねちゃんの"あるく"練習、すごく温かい場面でした。最初は不安そうにしながらも「できた!」って言えたときの喜びが伝わってきて、思わずこちらも笑顔になりました。それから、みんなでお花を見たり、絵を描いたり、絵本を読んだり…一日の流れが丁寧に描かれていて、ことねちゃんの世界が少しずつ広がっていくのが感じられましたね。 「このおはな、みんなにあげる!」のシーンが特に好きです。小さな子ならではの純粋な気持ちが詰まっていて、心がじんわり温かくなりました。次はどんな挑戦が待っているのか、楽しみです。